柔道関連書籍紹介
高い志を持って勝負にこだわり、引退後も柔道界の発展に尽くしてきた佐藤宣践氏。
佐藤氏の柔道人生を記した自伝書「力必達」には、柔道の魅力や柔道界に対する熱い思いが綴られています。
佐藤宣践先生退職記念集「力必達」

- 目次
12.この道を行く−謝辞
この道より我を生かす道なし この道を行く
武者小路 実篤
私にとってこの道は柔道である。
中学生の時に出会った柔道が縦軸となり、高校、大学、実社会へと繋がり、柔道選手、指導者、行政者として歩んできた。中でも東海大学柔道部の指導者としての仕事は、私にとって一番の適職で、誇りである。
嘉納治五郎師範が説かれた、「教育の事、天下これより偉なるはなし、教育の事、天下これより楽しきはなし」の言葉を十分に味わっている。
振り返れば、25歳で東海大学体育学部に奉職してから40年、多くの人々に叱咤激励、支援されて今日を迎えた。
定年退職にあたり、皆々様に感謝するとともに、中でも柔道の道に導いてくれた兄の宣紘、東海大学柔道部の強化にあたって絶大なる支援を頂いた大学創立者・松前重義先生、そして現総長の松前達郎先生、さらに東海大学に誘ってくださった猪熊功先生のご指導ご支援を忘れることはできない。今日の私があるのは諸先生方のお陰である。
また、32年間にわたって私を支え続け、学生たちに「第二の母」と慕われた亡き妻の久美、さらに今の私を支えている理恵の献身に心から感謝している。
無宗教の私にとって柔道は神的存在である。人生80年時代を迎え、残された時間を、それぞれの年代に合った関わり方で柔道の発展のために尽くしていきたい。それが柔道を神と見る私の生き方である。
この道が我を生かす道であり、この道を行く。
最後に、本誌を編集した体育学部の柔道スタッフ(橋本敏明編集委員長ほか)に御礼の意を表したい。
2009年早春
佐藤 宣践