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2011年パリ世界柔道選手権大会/国別団体戦

吉村和郎強化委員長インタビュー

「2011年パリ世界柔道選手権大会/国別団体戦」の魅力や、今年の注目選手を全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長にお聞きしました。

金メダルを獲得した選手がオリンピック代表選手争いで大きく前進

金メダルを獲得した選手がオリンピック代表選手争いで大きく前進

今回のフランス:パリでの世界柔道選手権大会(以下:世界選手権)は、来年のロンドンオリンピックの前哨戦であり、非常に大きな意味を持っている。

IJFポイントランキングも今回の世界選手権の結果で大きく変わるだろうし、オリンピックの日本代表選手争いに関しても、今大会で金メダルを獲った選手は、大きく前進することになると言っていいだろう。

オリンピックの代表枠は、男子がポイントランキングの22位、女子が14位までとなっている。まずは、この順位の中に入ってこなければ、オリンピックの候補から外れてしまう。

今大会の代表になっている選手の中にも、現時点でこの順位に入っていない選手やギリギリの選手もおり、そういった選手にとっては、オリンピック代表候補に生き残るために重要な大会である。

また、ランキング上位にいる選手にとっては、オリンピックでより良いポジションで戦うために、大切な大会になってくる。

今回優勝、あるいは上位入賞して高得点を獲得できれば、以降の国際大会(海外)への派遣の必要もなくなり、オリンピックまでじっくりと調整ができることになる。

だが逆に、早々に負けてポイントを獲得できなかった場合は、オリンピックの代表枠に入るため、あるいはトーナメントの好ポジションをキープするために、国際大会に出場し続けなければならなくなる。そういう意味でも今大会の結果は重要である。

男子は結果次第で国内のポジションが入れ替わる可能性も

男子は結果次第で国内のポジションが入れ替わる可能性も

まず男子に関して言うと、厳しい階級もあるが、当然全階級で金メダルを狙うし、どの階級も金メダルの可能性は十分にあると思っている。

ほとんどの階級の代表が昨年同様、若手とベテランの2名になっているが、昨年金メダルを獲った若手で66kg級の森下純平筑波大学3年)や無差別級の上川大樹明治大学4年:今大会は100kg超級で出場)、銀メダルを獲った90kg級の西山大希(筑波大学3年)が、昨年のような戦い方をするのは難しいと見ている。

ほとんどノーマークだった昨年と違って、今年はしっかりと研究されており、かなり厳しい試合になるだろう。

60kg級の平岡拓晃(了徳寺学園職員)、73kg級の秋本啓之(了徳寺学園職員)、90kg級の小野卓志(了徳寺学園職員)、100kg級の穴井隆将天理大学職員)、100kg超級の鈴木桂治国士舘大学教員)らベテランにとっても、今大会の結果次第では国内におけるポジションが変わることも十分にありえるので、来年のオリンピックに向けて負けられない大会になる。

女子は48kg級、52kg級の過酷な優勝争い

女子は48kg級、52kg級の過酷な優勝争い

女子に関しても男子同様のことが言える。 しかも48kg級や52kg級は、代表2人がそのまま昨年、一昨年の世界チャンピオンで、現在のポイントランキングも1位、2位。今回の世界選手権でどのような結果になるか、そしてどのような内容の試合をするか。

世界の1位2位であっても、オリンピックの出場枠は1ヵ国1階級に1名のみ。それだけにこの2階級はとくに過酷な戦いになるだろう。

57kg級の松本薫(フォーリーフジャパン)、63kg級の上野順恵三井住友海上)、2人の世界チャンピオンは、昨年の世界選手権東京大会後、ケガなどにより調子を落としている。それだけに、逆に調子を上げてきている2番手の佐藤愛子(了徳寺学園職員)と阿部香菜(三井住友海上)の戦いぶりは要注目だ。

70kg級と78kg級は東京大会でも金メダルを逃がした階級で正直厳しいが、金メダルを目指さなければ他のメダルにも届くはずがない。最後まであきらめずに頑張って欲しい。

78kg超級に関しては、やはり昨年世界選手権で2階級を制した杉本美香コマツ)が期待されるが、田知本愛綜合警備保障)にも優勝する力は十分にある。北京オリンピック金メダリストのトウブン(中国)とどのような試合ができるか、そこが大きな見どころのひとつになるだろう。

ロンドンオリンピックを来年に控え、熾烈な戦いが予想される

ロンドンオリンピックを来年に控え、熾烈な戦いが予想される

今回はフランスでの開催ということで、地元フランスをはじめとするヨーロッパの国々の選手は要注意。とくに来年のオリンピック開催国であるイギリスは、このところかなり力を付けてきており警戒が必要だ。

その他、ロシア、モンゴル、韓国、中国、さらにカザフスタン、アゼルバイジャン、ウズベキスタンなど、近年は複数の国に有力選手がいるため、男女共にどの階級も1回戦から気が抜けない試合になるだろう。

ロンドンオリンピックを来年に控え、パリ世界選手権は昨年の東京大会以上に、熾烈な戦いになることは間違いない。

そして、この大会での結果・試合内容がオリンピック代表選手争いにおいて非常に重要な意味を持つだけに、各階級2人の代表選手の戦いぶりには大いに注目して欲しい。

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