2016年3月19日(土)〜20日(日・祝)に開催される「第38回全国高等学校柔道選手権大会」。今大会に向けての意気込みと展望を、強豪高校の監督にお伺いしました。
【男子】 国士舘高校 岩渕公一監督

岩渕公一監督
今年は昨年の「三冠」(全国高校柔道選手権大会・金鷲旗高校柔道大会・インターハイ優勝)のチームから飯田健太郎、磯村亮太、河田闘志の3人が残り、チーム力はまだまだ充実していると言えます。
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)柔道競技 2015年大会

飯田健太郎
この3人に加えて、最近力を伸ばしてきている本間壘。残るあと一人は、稲垣由生か清水雅義のいずれかで考えているのですが、この2人は状況に応じて起用していきたいと思っています。
私も生徒も、2年連続の「三冠」をやり遂げようという意気込みは一致しています。ただ、周囲からも「2年連続三冠だ!」と騒がれているので、それに惑わされたり、動揺したりしないよう心掛けたいですね。
今、私が選手に言い聞かせているのは「いかなるときも動じるな。やってきたことを信じて自分の力を発揮せよ」ということです。まだ彼らは高校生ですからね、精神的にも「絶対」ではありません。状況が悪くなってしまっても、くじけず頑張れるよう日々指導をしています。
今年はうちも優勝候補ですが、日体荏原高校(東京都)、大成高校(愛知県)などもやはり強い。それに途中で対戦するであろう埼玉栄高校(埼玉県)も、エースの`島剛君がいるので要警戒です。
日体荏原高校も大成高校も決勝まで厳しい戦いがあるので、全力を尽くして勝ち進んでくるでしょう。うちもそうですが、そこを乗り越えれば優勝も可能だと思います。
今(2016年3月上旬)学校は定期試験の最中で、その後には卒業式など行事が続きますが、良かったのは、2月中に大きなケガ人を出さずに乗り切ることができたということです。全員の士気も高いので、この調子で本番は頑張ります。
【女子】 大成高校 大石公平監督

大石公平監督
今年は昨年に比べて「絶対に優勝するぞ!」というような気負いはないですね。どちらかというと、「挑戦者」という意識の方が、私も選手たちも強いと思います。
昨年の全国高校柔道選手権大会は、あと一歩のところで優勝を逃し、勝負の怖さを痛感しました。全国高等学校柔道選手権大会、金鷲旗高校柔道大会と敗れましたが、それでも最後の最後、インターハイで優勝することができて本当に嬉しかった。先輩たちが昨年のそういった経験を後輩たちに話してくれていることも、今の選手たちにとっては良い刺激になっていると思います。
全国高等学校総合体育大会(インターハイ)柔道競技 2015年大会
弱点はどのチームにでもありますし、やってみないと分からないこともたくさんあります。それは、今までの試合で痛いほど味わってきました。
今年のチームは、中学三冠(全国中学校柔道大会、マルちゃん杯、近代柔道杯)の選手が中心になっているチームではありますが、だからといって優勝に一番近いなどということは思っていません。 我々はあくまで挑戦者。一試合一試合勝負していくこと。先を見るのではなく、1回戦から目の前の試合に全力で向かっていく。それだけです。

粂田晴乃
コンディション的には、みんな大きなケガもなく順調だと思います。キャプテンの武田亮子、大将の粂田晴乃をはじめ、上級生がチームをよくまとめてくれているので、良い状態で試合に臨めそうです。
有力なのは、やはり敬愛高校(福岡県)、埼玉栄高校(埼玉県)あたりですかね。特に敬愛高校は児玉ひかる選手だけでなく、層が厚くて充実していますから、本当に強いと思います。
うちとしては、繰り返しになりますが一つひとつ、とにかくしぶとく戦っていきたいと思っています。