柔道をする
まずは自分が柔道を始めることが、柔道を楽しむ一番の方法。学校の授業や部活動など、学校教育の場では柔道に触れる機会があるでしょう。また、今まで本格的に習った経験がなく、これから柔道を始めたいという場合でも、道場に入門して学ぶことができます。動画などを使って独学で柔道を学ぶことも不可能ではありませんが、柔道は他者を相手にしながら稽古することで上達する部分も多く、見よう見まねでやれば怪我に繋がりかねないため、道場などで見学・体験するのがおすすめです。
柔道ができる道場は全国各地に存在。柔道クラブや柔道教室など、団体や自治体が行っている場合もあるので、自分に合った場所を探しましょう。道場によっては年齢や習熟度別のクラスを設けているところもあるので、老若男女問わず楽しむことが可能です。未経験歓迎の道場もあり、社会人世代やシニア世代から柔道を始める人も多くいます。
柔道は技だけでなく、心も鍛えられる武道。柔道は、戦うための武術であった「柔術」に人間形成を図る要素を加えて昇華させ、創始されました。技の腕を磨くことや試合に勝つことももちろん大切ですが、練習を通して精神鍛錬を行うことも重要なポイント。強い身体と自律の精神を養うことができ、人間性を高めるためにもぴったりの方法です。
身体を強くしたい人、ダイエットが目的の人、精神力を鍛えたい人など、柔道を楽しむ理由は人それぞれ。試しに体験してみたい人は、まずは道場を見学してみるのがおすすめです。地域のスポーツセンターで柔道教室を開催している場合もあります。ホームページ等で確認し、事前に連絡してから足を運んでみましょう。
柔道の試合を観戦する
五輪の柔道競技
柔道は日本以外にも、フランスやドイツ等、ヨーロッパを中心に人気の高い競技種目です。1964年(昭和39年)の「東京五輪」において、競技種目として初登場しました。2021年(令和3年)の「東京五輪2020」では、日本がメダル獲得数最多で、9個のメダルを獲得。「阿部一二三」(あべひふみ)選手と「阿部詩」(あべうた)選手の兄妹が、同日に2人とも金メダルを獲得する快挙を達成し、日本中が盛り上がりました。
毎回多くのドラマを生み、盛り上がる五輪のなかでも、柔道は特に人気が高い競技種目です。五輪での観戦には、専用の観戦チケットが必要。抽選方式で購入できますが、世界一を競う大会である五輪のチケットはかなりの高倍率なので、柔道ファンにとってはぜひ手に入れたい憧れのチケットです。また、直接現場に観に行かなくても、テレビ中継で自宅から楽しむこともできます。
世界柔道選手権大会
「世界柔道選手権大会」は「世界柔道」とも呼ばれる「国際柔道連盟」(IJF)が主催する大会で、柔道の世界大会では五輪と並んで最高峰。2023年(令和5年)の世界柔道選手権大会は「カタール」の首都ドーハで開催され、96ヵ国と地域から男子334名、女子229名の選手がエントリーしました。阿部一二三選手と阿部詩選手の兄妹は、それぞれ「男子66kg級」と「女子52kg級」で優勝。五輪に続き、世界柔道選手権大会でも兄妹揃って連覇を成し遂げました。男女混合団体戦において、日本はフランスに勝利し、6大会連続優勝の快挙を達成したのです。
全日本柔道選手権大会
日本武道館
全日本柔道選手権大会は無差別級の柔道日本一を決めるための大会で、毎年4月、主に「日本武道館」(東京都千代田区)で開催されます。五輪、世界柔道選手権大会と並び「柔道3冠」と称される大会のひとつ。前年大会の優勝・準優勝選手や、世界柔道選手権大会の優勝者といった推薦選手と、全国各地の地区大会で勝ち上がってきた選手が出場することが可能です。試合はトーナメント方式で実施され、敗者復活戦は行われません。また、五輪や世界柔道選手権大会の開催年に行われる全日本柔道選手権大会は、体重の重い階級の代表選考会もかねています。大会の様子はテレビやネットで放送される他、一般観客もチケットを購入して観戦できるので、日本一を競うトップレベルの選手の試合を間近で見られる貴重な機会です。
グランドスラム
グランドスラムは、国際柔道連盟(IJF)が世界各国を巡回する形で開催する大会。日本の東京で開催される大会を「グランドスラム・東京」と言い、日本以外にもフランスなどで同様の国際大会が開催されています。グランドスラムは五輪出場を目指すためのポイントが付与される大会。世界中のトップレベルの柔道家がその強さを競い、白熱した戦いを繰り広げます。また、グランドスラム・東京は、柔道ファンにとって親しみやすい大会なのがポイントです。大会ホームページでは初心者でも分かりやすくルールが説明され、会場ではスマートフォンを使用した音声解説サービスや企業による特設ブースなどを利用できます。また、グランドスラム・東京では選手のサイン会も実施。抽選方式ではありますが、見事当選すれば、憧れの選手と触れ合えるのです。
柔道選手と触れ合う
柔道選手を直接目にするには柔道の試合を観戦するのが一番の近道。しかし、試合以外にも柔道選手と触れ合うことができる場もあります。
例えば、五輪で3大会連続金メダルを獲得した「野村忠宏」(のむらただひろ)氏は、自身がプロデュースする柔道イベント「野村道場」を開催。小中学生を対象に、礼節や技術の指導を行う他、講師陣による技の披露、ゲーム企画などを実施し、柔道の普及に努めています。特別講師としてメダリストなど著名な柔道家が登場するのも嬉しいポイント。有名選手から直接指導を受けられるチャンスです。
また、柔道選手は様々な場で講演会を行っているため、そこに足を運ぶのもおすすめ。メダリスト達が自らの経験を背景に、柔道指導だけでなく、生き方やモチベーションについて語ってくれます。