柔道の公式試合は、認定を受けた審判員が試合を司ることになっており、審判員の資格は、公認審判員規程によって管理されています。
- 第1章 目的
-
- (目的)
第1条 - この規程は、公益財団法人全日本柔道連盟(以下「本連盟」という。)の公認審判員の制度を定め、公認審判員の養成とその資質の向上を図ることを目的とする。
- (定義)
第2条 - この規程における公認審判員とは、審判員および顧問審判員をいう。
- (目的)
- 第2章 審判員
-
- (審判員)
第3条 -
審判員とは、次のとおりとする。
- (1)Sライセンス審判員
- 特に技能が優秀であり、本連盟が主催、主管する全国的大会の審判員となる資格を有する者
- (2)Aライセンス審判員
- 本連盟が主催、主管する全国的大会の審判員となる資格を有する者
- (3)Bライセンス審判員
- 地区柔道連盟(連合会・協会)が主催、主管する大会の審判員となる資格を有する者
- (4)Cライセンス審判員
- 都道府県柔道連盟(協会)およびその加盟団体が主催、主管する大会の審判員となる資格を有する者
- (資格認定と管轄団体)
第4条 -
審判員の資格認定は、別表1に定める審判員試験に合格したものに対して、管轄団体による審査を行い、資格を認定する。その管轄団体は次のとおりとする。
- (1) Sライセンス審判員は、本連盟が行なう
- (2) Aライセンス審判員は、本連盟が行なう
- (3) Bライセンス審判員は、地区柔道連盟(連合会・協会)が行なう
- (4) Cライセンス審判員は、都道府県柔道連盟(協会)が行なう
- 資格を認定された審判員は、定められた審判員登録をしなければならない。
- (審判員の義務等)
第5条 -
審判員は、本連盟登録および審判員登録を毎年更新するものとする。
- 審判員は、各種大会における審判員活動について、都道府県柔道連盟(協会)を経由して管轄する団体に届けるものとする。
- 前項に係る届け出は、各審判員ライセンス有効期間終了時の更新手続きの際、所定の様式により行うものとする。
- 審判員の服装は、別に定める。
- 審判員は少なくとも年に1回以上、全柔連コンプライアンス委員会が実施するコンプライアンス講義(集合講義またはオンライン講義)を受講しなければならない。
- Sライセンス審判員については少なくとも2年間に1度、試合の審判に携わらなければならない。その他の審判員については少なくとも4年間に1度、試合の審判に携わるよう努めなければならない。(ただし、本連盟またはその加盟団体に関する業務多忙、傷病、出産等特別の事情があると管轄する団体が認めた場合はこの限りではない)
- Sライセンス審判員は、全柔連が主催する審判員研修会に毎年出席しなければならない。その他の審判員は、第4条に定める管轄する団体が主催する審判員研修会に、有効期間満了前に少なくとも2年に1度、出席しなければならない。
- (審判員の遵守事項)
第6条 -
審判員は、大会競技規則等を正しく理解し、常に公平公正な判定を行い、日本の柔道発展に貢献しなければならない。
- 審判員は、第5条6項に限らず、審判活動を積極的且つ優先して取り組む姿勢を持たなければならない。
- 審判員は、第5条7項を果たすだけでなく、積極的にルール改正や審判規程改正の動向に関心を持ち、自ら正しい情報の獲得に努め審判技能の向上に努めなければならない。
- 審判員は、特に試合に関して、利益相反を含む不正行為又は操作を疑われることのないよう自らを厳しく律しなければならない。
- 差別および暴力の根絶に向けた努力を継続するとともに、暴力団など反社会的勢力とは一切関係をもたないこと。
- SおよびAライセンス審判員は、下位ライセンス資格試験時講習会の講師、審査員として携わり、審判員の養成に寄与しなければならない。
- (審判員資格の停止、喪失、有効要件)
第7条 -
管轄する団体は、審判員が第5条および第6条の各項に定める義務を怠ったとき、又は審判員として相応しくない言動や不適切な行動が認められたときは、審判員の資格を停止し、または喪失させることができる。
- 審判員資格は、以下の要件が全て満たされているときに有効となる。また、一旦有効となった資格でも要件を一つでも欠いたときは有効でなくなる。
- (1)審判員資格が認定され、有効期間内にあること
- (2)本連盟会員登録をしていること(休会員登録を除く)
- (3)審判員資格登録をしていること
- (4)審判員資格が停止されていないこと
- 審判員資格は、以下の要件が全て満たされているときに有効となる。また、一旦有効となった資格でも要件を一つでも欠いたときは有効でなくなる。
- (審判員の資格適格性の再審査および指導)
第8条 -
本連盟が主催、共催、並びに審判長および審判員を派遣する大会において、SおよびAライセンス審判員が明らかな誤審を犯し、出場選手やチームが「修復困難である不利益を受けた」場合において、当該大会審判長と本連盟審判委員長のいずれかが必要と認めたとき、本連盟選考審査部会は、当該審判員の資格適格性に対する再審査を行うことができる。
- 本連盟選考審査部会は、審判員資格適格性に対する疑義の報告を当該大会審判長または本連盟審判委員長から受理した後、再審査対象者の弁明および審判資格適格性に対する再審査結果に基づき審議の上、該当審判員へ次の各号に当てはまる指導等を行うことができる。また、本項(5)を除いていずれの場合も当該年度の審判員研修会を受講しなければならない。
- (1)指導(口頭による指導)
- (2)厳重注意(文書による注意)
- (3)一定期間の活動休止
- (4)降格
- (5)資格の喪失
- BおよびCライセンス審判員が、該当大会等(第8条第1項以外の大会)において、明らかな誤審を犯し、出場選手やチームが「修復困難である不利益を受けた」と、当該大会審判長が認めた場合、当該大会審判長から口頭による指導、又は地区柔道連盟(連合)若しくは都道府県柔道連盟(協会)審判委員会より文書による厳重注意を行うことができる。 但し、当該審判員に弁明の機会を与えなければならない。また、いずれの場合も当該年度の審判員研修会を受講しなければならない。なお、SおよびAライセンス審判員が該当大会等(第8条第1項以外の大会)で審判活動に従事していた場合は、BおよびCライセンス審判員と同様の対応とする。
- 本連盟選考審査部会は、審判員資格適格性に対する疑義の報告を当該大会審判長または本連盟審判委員長から受理した後、再審査対象者の弁明および審判資格適格性に対する再審査結果に基づき審議の上、該当審判員へ次の各号に当てはまる指導等を行うことができる。また、本項(5)を除いていずれの場合も当該年度の審判員研修会を受講しなければならない。
- (審判員資格の再有効化)
第9条 -
審判員資格が有効でなくなったときは、次のとおり資格を再び有効とする。
- (1)更新しないまま有効期間を徒過したときは、更新の要件を満したとき
- (2)会員登録、又は資格登録を怠ったときは、会員または資格を登録したとき
- (3)資格が停止されたときは、停止期間が満了し、条件(もしあれば)を満たしたとき
- (休会員の審判員資格)
第10条 -
本連盟登録規程第4条5項に定めるところにより、公認審判員が個人会員登録の休会を認められた場合、審判員資格も同時に有効でなくなる。また、休会員が個人登録を再開するとき、有効でなくなっていた審判員資格も同時に有効になる。
- (審判員資格の有効期間)
第11条 -
Sライセンス審判員資格の有効期間は、当該資格の認定を受けた日から、その2年後応当日の直後に到来する3月31日までとする。ただし、本連盟は審査のうえ2年の有効期間を更新することができる。
- その他の審判員資格の有効期間は、当該資格の認定を受けた日から、その4年後応当日の直後に到来する3月31日までとする。ただし、管轄する団体は審査のうえ4年の有効期間を更新することができる。
- 審判員の更新要件は原則として以下のとおりとする。
- Sライセンス審判員
- 審判員研修会を年1回以上受講すること
- コンプライアンス講義を年1回以上受講すること
- 2年間に1度以上試合の審判に携わること
- その他の審判員
- 審判員研修会を2年間に1回以上受講すること
- コンプライアンス講義を年1回以上受講すること
- 4年間に1度以上試合の審判に携わること
- 更新にあたり、審判員は、管轄団体に対して資格の更新の申請を行い、管轄団体は、更新要件を確認のうえ、更新を認めることができる。ただし、管轄団体は、事情により更新要件を満たせない者については、その事情を考慮のうえ、更新の可否を判断することができる。
- (審判員の定年)
第12条 -
A、B、Cライセンス審判員の定年は、65歳の誕生日を迎えた直後の年度末(3月31日)とする。Sライセンス審判員の定年は、60歳の誕生日を迎えた直後の年度末(3月31日)とする。ただし、ライセンス所持者の不足等により、大会主催者から審判員を要請された場合は、都道府県柔道連盟の承認により、65歳以上であっても別途「柔道公認審判員賠償責任保険」に加入の上、審判員として活動することができる。その場合であっても、審判員としての活動は、70歳の誕生日を迎えた直後の年度末(3月31日)までとする。なお、大会主催者から要請を受けた審判員は、都道府県柔道連盟が実施する講習会を受講し、審判員の適性について審議を受けなければならない。
- (試験)
第13条 -
審判員に関する試験・選考は、別表1のとおりとする。
- (費用)
第14条 -
審判員に関する試験の受験料、ライセンス登録費(更新を含む)、研修会受講料は別表2のとおりとし、その都度納付するものとする。
- (審判の実施)
第15条 -
本連盟が主催、主管する全国的大会の審判は、本連盟の審判委員会が選考したSライセンス審判員またはAライセンス審判員が行う。
- 全国的大会のうち、実業団、大学、高等学校および中学校等の全国的大会の審判は、前項の規定にかかわらず、原則として主催する団体において選考したSライセンス審判員、Aライセンス審判員またはBライセンス審判員が行う。ただし、本連盟が前項に準じて審判員の一部を派遣することができる。
- 全国的大会以外の審判は、原則として主催する団体が選考した審判員が行う。
- (審判員)
- 第3章 顧問審判員
-
- (顧問審判員)
第16条 -
顧問審判員とは、年齢65歳以上かつ男性は7段以上、女性は女子5段以上の者から、本連盟が選考のうえ認定した者をいう。ただし、年齢60歳以上の者であっても希望があれば選考の対象とする。
- 顧問審判員は、後進審判員の指導、養成にあたる他、ライセンス所持者の不足等により、大会主催者から要請された場合は、別途「柔道公認審判員賠償責任保険」に加入の上、審判員として活動することができる。ただし、審判員としての活動は、70歳の誕生日を迎えた直後の年度末(3月31日)までとする。
- (顧問審判員の義務等)
第17条 -
顧問審判員は、本連盟登録および顧問審判員登録を毎年更新し、顧問審判員登録費は初年度のみ納付する。
- 第5条および第6条乃至第10条の規定は、顧問審判員について準用する。
- (顧問審判員)
- 第4章 その他
-
- (審判委員会選考審査部会)
第18条 -
審判に係る諸規則に精通し、審判員として充分な経験を有する各地区の代表者10名、および有識者6名以内の選考審査委員をもって審判委員会選考審査部会を構成する。また、審判委員会選考審査部会は審判委員会の決定事項を監査するとともに、以下の職務遂行の権限を有する。
- (1)SおよびAライセンス審判員試験における審査。
- (2)全柔連主催大会派遣に係る審判長、審判委員、審判員の選考。
- (3)国際大会派遣に係る審判員の選考。
- (4)全柔連主催大会時におけるSおよびAライセンス審判員の技量審査。
- (5)SおよびAライセンス審判員の資格適格性の再審査並びに指導。
- (不服申立て)
第19条 -
第7条1項、第8条2項または同条3項の処分、注意または指導等(以下「処分等」という)を受けた審判員は、処分等があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内に、書面により、以下の団体または委員会(以下「団体等」という)に不服申立を行うことができる。
- (1)第7条1項の処分等 当該管轄団体または本連盟不服申立委員会
- (2)第8条2項の処分等 本連盟不服申立委員会
- (3)第8条3項の処分等 処分等を行った団体または本連盟不服申立委員会但し、大会審判長による指導については、大会を主催する団体が扱うものとする。
- 前項により2以上の団体等に対して不服申立ができる場合でも、いずれか1つの団体等に不服申立を行った場合、他の団体等に不服申立を行うことはできない。
- 前項により不服申立できるものとされた処分または指導については、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(以下「仲裁機構」という)に対して行うことも出来る。管轄団体または本連盟不服申立委員会に対する不服申立以降、裁決の間、不服申立人が仲裁機構に仲裁を申し立てた場合、管轄団体または本連盟不服申立委員会における不服申立は終了し、仲裁機構の手続きによるものとする。
- (その他)
第20条 -
その他、本規程に含まれない事項については、公認審判員資格制度運用規則に別途定める。
- (改廃)
第21条 -
本規程の改廃は、審判委員会で検討し、理事会の承認を得て行なうものとする。
- (審判委員会選考審査部会)
- 付則
-
- 1.この規程は、平成2年4月1日から施行する。
- 2.この規程は、平成12年4月1日から改正して施行する。
- 3.この規程は、平成19年4月1日から改正して施行する。
- 4.この規程は、公益財団法人全日本柔道連盟の設立の登記の日(平成24年4月1日)から施行する。
- 5.この規程は、平成27年4月1日から改正して施行する。
- 6.この規程は、平成28年6月9日から改正して施行する。
- 7.この規程は、平成29年4月1日から改正して施行する。
- 8.この規程は、平成29年10月2日から改正して施行する。(休会員の審判員資格を追記)
- 9.この規程は、平成30年12月10日から改正して施行する。
- 10.この規程は、令和2年10月22日から改正して施行する。
- 11.この規程は、2022年3月16日から改正し、2022年4月1日から施行する。(別表1を改正)
![]() |
S | A | B | C | |
|---|---|---|---|---|---|
| (1)受験 資格 |
@年齢 ※1 |
30歳以上 56歳以下 |
28歳以上 54歳以下 |
25歳以上 | 20歳以上 |
| A柔道 経験 |
15年以上、5段以上 (女子3段以上) |
12年以上、 4段以上 (女子3段以上) |
有段者 | ||
| B審判 経験 |
Sライセンス候補者※2 当該年度の本連盟登録(個人登録及びAライセンス審判員資格登録)をしている者で全日本柔道連盟審判委員会選考審査部会より認定を受けた後、Sライセンス審査対象大会において2年間の審判経験(実技審査を実施)が必要 |
当該年度の本連盟登録(個人登録及びBライセンス審判員資格登録)をしている者で「B」取得後3年以上の審判経験を有し、その者が本連盟登録した都道府県より推薦を受けた者とする。 | 当該年度の本連盟登録(個人登録及びCライセンス審判員資格登録)をしている者で「C」取得後2年以上の審判経験を有し、その者が本連盟登録した都道府県より推薦を受けた者とする。 | 当該年度の本連盟登録をしている者。 | |
| (2)試験方法および試験内容 | 実技審査を行い、本連盟審判委員会選考審査部会において審議・認定する。 本連盟審判委員会選考審査部会で定める対象大会において審査する。 |
筆記試験と全日本柔道連盟が指定した大会において実技審査を行う。受験回数は年1回とする。 本連盟審判委員会選考審査部会から指名された試験官3名以上がこれにあたる。試験官は審判委員会選考審査部会委員、審判委員会委員、Sライセンス審判員の中から指名される。 |
筆記試験と地区柔道連盟(連合会・協会)が指定した大会等において実技審査を行う。 地区柔道連盟(連合会・協会)から選ばれた審査員がこれにあたる。 試験官はAライセンス保持者以上、現行の試合審判規程に詳しい者がその任にあたる。 |
筆記試験と都道府県柔道連盟(協会)が指定した大会等において実技審査を行う。 都道府県柔道連盟(協会)から選ばれた審査員がこれにあたる。 試験官は Aライセンス保持者以上、現行の試合審判規程に詳しい者がその任にあたる。 |
|
※1:年齢は、Sは推薦時、A〜Cは資格認定当日の年齢とする。
※2:Sライセンス候補者*)の選定の手順
@都道府県柔道連盟(協会)が、下記要件を満たす審判員をSライセンス第1次候補者として選定し、推薦書にその旨の詳細を明記した上で地区柔道連盟に推薦する。
(ア)公認審判員制度運用規則別表2「実技審査ライセンス要件」の評価項目について、Sライセンスの基準全てを満たしていると判断され、かつ、(イ)Sライセンス受験資格要件を満たしたAライセンス資格者のうち特に優れている審判員
A地区柔道連盟(協会)は、当該都道府県柔道連盟(協会)から推薦された候補者を地区柔道連盟(協会)が指定した大会の審判員として参加させた上で、公認審判員制度運用規則別表2「実技審査ライセンス要件」の評価項目に則し、当該候補者の審判技量を客観的に評価しなければならない。また、評価順位を明らかにした上で、該当都道府県柔道連盟(地区)からの推薦書の写し及び評価書とともに本連盟審判委員会へ報告する。
B選考審査部会は、地区柔道連盟からの報告をもとに厳正な審議を重ねた上で当該Sライセンス候補者の認定を行うこととする。
![]() |
顧問 | S | A | B | C | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 受験料 | - | なし | 5,000円 | 3,000円以下 | 2,000円以下 | 試験を受けるとき (1回につき) |
| 研修会受講料 | - | 5,000円 | 研修会受講時 | |||
| 登録費 | 20,000円 | 3,000円 | 2,500円 | 1,500円 | 1,000円 | 顧問は初年度のみ その他のライセンスは毎年納入 (B・Cライセンスの1/2は本連盟納入分) |
※1:年度内に複数回受講した場合、研修会受講料は初回のみ支払う。
※2:講師をした場合、研修会を受講したものとみなす。
※3:会長が特に認めた場合は、上記と異なる料金とすることができる。
※上記の内容は2023年3月現在の情報となります。

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