女子78kg級 佐藤瑠香
2016年リオデジャネイロ柔道競技(五輪)の代表には惜しくも選ばれなかった佐藤瑠香選手。
柔道グランドスラム東京2016では2012年以来4年ぶり2度目の金メダルを獲得。どのような気持ちで柔道とかかわっているのか、佐藤瑠香選手の内面に迫ります。
柔道グランドスラム東京2016で得たものと得られなかったもの

今回柔道グランドスラム東京2016(以下、グランドスラム東京)に臨むにあたり、結果と試合内容にこだわろうと考えていました。
リオデジャネイロ柔道競技(五輪)が終わり、昨年のグランドスラム東京と比べると出場していない有力選手も多かったのですが、その中でも「2012年以来2度目の金メダル」という結果が出せたことは、素直に良かったと感じています。
しかしその反面、試合内容については反省点が多かったですね。試合内容を充実させることを課題として、次の大会では意識していこうと思っています。
膝の怪我に苦しんだ近年

2010年には右膝の前十字靭帯損傷、2012年には左膝の前十字靭帯損傷と、膝の怪我にはずっと悩まされてきました。グランドスラム東京の試合後のインタビューでも怪我について尋ねられたのですが、自分でも多すぎてどの怪我のことを聞かれているのか分からないくらいでしたね。
今大会に関しては特別調子が良かった訳ではありませんが、怪我の影響はなく、フラットなコンディションで臨めたことも勝因のひとつだったと考えています。
一本を取る柔道へのこだわり

グランドスラム東京は国際大会なので、日本の選手はもちろん、海外の選手も出場します。一般的には対戦することが稀な海外の選手を意識していくものなのかもしれませんが、私の中ではそうではありませんでした。
私がコマツに入社してからの8年間、「どんな相手でも一本を取る柔道」を教えて頂きました。相手が日本の選手であろうが海外の選手であろうが、また体格が大きかろうが小さかろうが、一本を取ることだけが私の理想。
ですので、準決勝、決勝と「一本を取れない柔道」で勝利してしまったことが、納得のいかない部分でもあります。
流されない姿勢と次の目標

準決勝でリオデジャネイロ柔道競技(五輪)女子78kg級の代表である梅木真美選手(環太平洋大学4年)を破ったことで、「4年後に向けて良いアピールになったね」と言われることもあるのですが、私としては「一本を取る柔道」と、「出場する大会すべてで優勝する」ことしか考えていません。
「この階級の第一人者」といったイメージのためではなく、今回の優勝を含めて私がこれから目指していくものへの過程のひとつとして、やるべきことをやっていきたいですね。
4年後に向けても同じで、今は2017年で出場が決まっている柔道グランドスラム・パリと全日本選抜柔道体重別選手権大会の2つしか頭にありません。まずはその2つで勝てるように準備をしていきたいと思います。
インタビュー:2017年1月

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