平成22年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会

男女階級別の見どころ

今年で12回目を迎える男子は、全国から52チームが参加し2日間にわたってトーナメントで優勝が争われる。果たして、東海大学の連覇を阻止して、優勝する可能性がある大学はあるのか、各校の戦力を中心に見どころを紹介してみたい。

今大会の見どころと言えば、まず「配列順」だろう。本大会の配列（階級順）は抽選によって決定する。

7階級すべてに選手層が厚いチームが当然有利なのだが、思わぬ番狂わせを起こすことも十分考えられる。初日の配列順は右の通り。

この配列では、重量級が充実していれば、前半リードを奪い、その流れや勢いで、勝利することも十分考えられる。今大会では、この配列順が勝者を決めるポイントのひとつになるだろう。

2日目（3回戦～決勝）の配列は初日の試合後に抽選で決定する。配列順によって思わぬ試合展開を演出しそうだ。

昨年の覇者で、2年連続6回目の優勝を狙う東海大学が、優勝候補の筆頭だろう。

10月初旬に行なわれた全日本学生柔道体重別選手権大会（以下、学生体重別選手権）のチャンピオンを軽・中量級に擁してオーダー的には後半が強い。また、前半の90㎏級、100㎏級にしても吉田優也、羽賀龍之介という信頼のおける選手がおり、穴がない。

特に今年の世界ジュニア100kg級チャンピオンの羽賀は1年生だが将来の日本代表を期待される逸材。高校時代から大学選手と比較しても遜色ない強さを誇っている。

先鋒を引き受ける吉田は1年のときから全日本学生柔道優勝大会でレギュラー。勝負強さには定評がある。この2人が先鋒、次鋒としてポイントを挙げることができれば、この時点で勝敗の流れは東海大学に優勢となっていくだろう。

一方、それを追う昨年本大会2位の筑波大学は、今年は当然優勝を狙っている。先鋒の西山大希は世界柔道選手権2010東京大会（以下、世界選手権）90kg級銀メダル。次の100㎏級、100㎏超級、81kg級とやや弱いだけに彼が流れを作り、最初に勢いづかせたい。

後半の3階級は世界選手権73kg級銅メダルの粟野靖浩、66kg級金メダルの森下純平と役者は揃っている。全体的に粒が揃った今年は優勝が狙えるチームと言えるだろう。

東海大学と筑波大学の2強に挑むのが国士舘大学と、明治大学だ。

国士舘大学は、これまで3回の優勝経験があるが、ここ2年間は、2位・3位と悔しい思いをしてきただけに3年ぶりの優勝を目指す。

特に前半の3階級は高校時代から修羅場をくぐってきた春山友紀、寺島克興、百瀬優をおき安定感がある。先鋒の春山は先日行なわれた学生体重別選手権の優勝で勢いもあり、団体戦で大切な流れを作るという役割はしっかりできそうだ。

前半は安定しているだけに、後半の60㎏級、73kg級が国士舘大学の優勝の鍵を握っていると言える。

明治大学は世界選手権無差別級金メダルの上川大樹を筆頭に、66kg級の海老沼匡、73kg級の六郷雄平らがポイントゲッターだ。

そうなるとあと1点あれば勝利の計算ができる。あるいは自チームの失点を2点までに抑えればいい。世界選手権で結果を残せなかった海老沼のモチベーションがやや不安材料だが、東海大学、筑波大学、国士舘大学に引けを取らない戦力と言える。

この他の有力チームは、山梨学院大学、天理大学。優勝を狙うには両校ともベスト8での戦いが重要。山梨学院大学は国士舘大学、天理大学は明治大学と当たることが予想され、ここを突破することが絶対の条件になる。

2009年の世界ジュニア60kg級王者の山本浩史を中心に力を付けてきている日本体育大学、学生体重別選手権100kg超級優勝の七戸龍を軸にしぶとい柔道をする福岡大学、重量級に充実した戦力を持つ古豪の日本大学も要注目だ。

「日本柔道強化メンバー（男子ナショナルチームメンバー）」コンテンツにて、平成22年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会に出場する選手のうち、主な男子選手の情報をご覧頂けます。