2022年10月に行われた講道館杯全日本柔道体重別選手権大会で、初出場ながら決勝まで勝ち進み、準優勝と健闘を見せた北條嘉人（日本大学3年）。

初戦から2試合は大学生との対戦となり、2021年の全日本学生柔道体重別選手権大会王者の実力を発揮して連続一本勝ち。順当にベスト8へ勝ち上がると、4回戦は前回大会2位の丸山剛毅（泰山学舎）を終了間際の内股一本で撃破。さらに準決勝では、2022年全日本実業柔道個人選手権大会を制した釘丸将太（パーク２４）にゴールデンスコア（延長戦）の谷落一本で勝利。変幻自在な組み手を武器にベテラン2人を下して、4試合連続一本勝ちで決勝進出を果たした。

迎えた決勝の相手は大会連覇をめざす第1シードの小原拳哉（パーク２４）。準決勝までの戦いからは一転、決勝では組み手争いで劣勢を強いられ、開始2分26秒に引込返で一本の判定。ビデオ判定で取り消しとなり九死に一生を得たが、その後も反撃の糸口を見出せず指導ポイント1-2とリードされて本戦4分間が終了。延長戦に入っても展開は変わらず、延長開始17秒に組み合ったまま相手の圧力を受けて畳を割ってしまい、3つ目の指導を宣告され反則負けを喫した。

あと一歩のところでシニア初優勝を逃したものの、学生でただ一人表彰台に上がり、実力者が揃う81kg級で存在感を示すことに成功。2022年5月の全日本強化選手選考会でも準優勝を果たしており、今後の成長が楽しみな若手柔道家の一人だ。