会場を沸かせた新鋭達
男子90kg級 決勝戦 ベイカー茉秋(東海大浦安)−具志堅一弘(天理)
平成24年度全国高等学校総合体育大会柔道競技(インターハイ)3日目(8月4日)は、男子の個人戦(81kg級・90kg級・100kg級・100kg超級)が行なわれた。
昨日、男子団体戦で東海大付属浦安高校が高校三大大会三冠の偉業を達成。その立役者となったのが、ベイカー茉秋(3年)とウルフアロン(2年)の2選手である。
一発の威力を持ち、そのパワーは超高校級とまで言われるほどだ。また、受けも強く、たぐい稀な柔道センスも抜群で、会場を何度も沸かせていた。
本日の個人戦でも、この2人が優勝候補の筆頭。他に強力な対抗馬がおらず、あっさりと優勝する可能性が高いと思われていた。
90kg級に出場したベイカー茉秋は、1回戦から決勝まで順調に勝ち上がり、決勝の対戦相手は天理高校の具志堅一弘(3年)。具志堅も準々決勝、準決勝は1本勝ちと、勢いをもって決勝に勝ち上がってきた。好勝負が期待された決勝戦は、具志堅が善戦するも後一歩及ばずベイカーが初優勝を飾った。
一方の100kg級では、優勝候補のウルフアロンが準決勝で敗退するという大波乱が起きた。ここまで順当に勝ち上がったウルフを、天理高校の大岩郁弥(3年)が得意の大内刈りで一本勝ち。開始40秒の出来事に、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
決勝に進んだ大岩は、優勝こそ果たせなかったが、優勝候補筆頭のウルフを破るという大金星を挙げ、優勝以上の価値を掴んだのかもしれない。
不振にあえぐ男子日本柔道の重量級。日本の将来を見据え、会場を沸かせた新鋭達に今後も注目していきたい。