柔道トピックス

武道必修化への提言

二村雄次先生

武道必修化について語る名古屋大学名誉教授二村雄次先生

「柔道必修化」がいよいよスタート

2012年4月から中学校に武道必修化が導入される。この武道必修化は、「体力向上」と「日本固有の文化を学ばせる」ことが狙いであり、中学校1、2年生の男女が対象で授業時間数は10〜15時間程度。「柔道」「剣道」「相撲」「ダンス」のなかから各学校によって選択される。

その中でも、柔道は「剣道」や「相撲」よりも設備投資が少なく、柔道を選択する学校が多いだろうと思われていた。

実際に、文部科学省が昨年の12月から今年の1月にかけて、全国940校を対象に調査(複数回答方式)したところ、柔道を選択した学校は64.1%に上ると発表している。選択理由としては、「既に実施しているため」(81.1%)が最も多かった。

全日本柔道連盟が主催する大会や、全国規模の大会が数多く開催される関東地区・九州地区においては、50%以上の学校が「柔道」を選択。

しかし、中部地区をみると、愛知県36%、岐阜県12%、三重県は33%。吉田秀彦氏や谷本歩実氏など、愛知県はオリンピック金メダリストを輩出しているにもかかわらず、柔道を選択している学校が少ないのが現状である。

これは柔道の練習中に、相次いで死亡事故が起きていることが問題視されていると考えられる。

指導者の教育不足

また、柔道が選択されなかった大きな理由として、死亡事故の報道に加え、柔道の指導者不足も考えられる。

全日本柔道連盟の二村雄次氏(医科学委員会 副委員長)は、「大学は学校の教員を育成する場所であるが、ここ十年余りで大学の柔道部がどんどん廃部になっている。その結果、柔道の指導者が減少している。」と危惧されている。

現状は、柔道に携わったことのない体育講師に短時間の研修を行ない、知識が少ないまま柔道の指導が行なわている。

文部科学省の調査では、指導者側からは「さらなる研修の充実」を望んでいる割合が53.6%と非常に高い。

「体育講師に研修を行なう場合には、加速損傷(脳が揺さぶられことにより引き起こされる損傷)など医学的見地からの指導も行なっていかなければ、死亡事故は減らないだろう。」と二村氏は注意を促す。

日本とフランスの柔道の違い

二村氏がフランスで柔道を視察されたときに、ボルドー大学のミッシェル・ブルース教授から「フランスでは柔道をスポーツとしてではなく道徳教育 (しつけ)を目的として通わせており、そのため、フランスでの柔道人口の半分が14歳以下」と聞いたときに大変驚いたという。しかもフランスでは14歳まで柔道の試合が行なわれず、日本との指導目的の違いにも驚かれたそうだ。日本が競技思考なのに対し、フランスは道徳思考なのだ。

嘉納治五郎師範が目指したもの

柔道の創始者、嘉納治五郎師範は「心身の持つすべての力を最大限に生かして、社会のために善い方向に用いる」という「精力善用」の精神と、「相手に対し敬い、感謝することで、信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけでなく他人と共に栄えある世の中にしようとする」という「自他共栄」の精神を教えてきた。

柔術を教育するだけが、「武道必修化」ではない。フランスのような道徳的な要素が強い指導方法を取り入れることが、嘉納師範が目指した「武道=柔道」ではないだろうか。

二村雄次氏のプロフィール

  • 全日本柔道連盟 医科学委員会 副委員長
  • 名古屋大学名誉教授
  • 愛知県がんセンター総長
  • 名古屋大学柔道部長兼師範
  • 元柔道全日本マスターズ無差別級チャンピオン

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