金野潤強化委員長に聞く
「2021年ブダペスト世界柔道
選手権大会/国別団体戦」

金野潤強化委員長に聞く「2021年ブダペスト世界柔道選手権大会/国別団体戦」

金野潤強化委員長に聞く「2021年ブダペスト世界柔道選手権大会/国別団体戦」
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金野潤強化委員長に聞く「2021年ブダペスト世界柔道選手権大会/国別団体戦」

※文中のIJFポイントランキングは、2021年6月3日時点のものです。 ※掲載内容は、2021年6月3日時点のものです。 ※直近3年間の大会成績をリンクしています。

東京五輪(柔道)約1ヵ月半前に、ハンガリーのブダペストで開催される今年の世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)。外国人選手のなかには、東京五輪(柔道)代表も多く、調整として出場する選手もいると思いますが、国によっては東京五輪(柔道)の最終選考をかねた大会というところもあり、かなりハイレベルな戦いになる階級もあると予想されます。

日本代表は、東京五輪(柔道)代表を逃した選手たちが中心ですが、最後まで代表を争った選手ですから五輪代表と遜色ない実力です。選手たちにとって今大会は2024年パリ五輪の前哨戦。しっかりと存在感を示すような戦いぶりを見せてほしいと思います。

2021年になってから行われてきたグランドスラムなどの国際大会での試合ぶりを見ても、このコロナ禍の中、海外の選手たちはしっかりと練習できている印象があります。

日本代表の選手たちも、様々な制約の中ではありますが、いろんな人たちに協力して頂きながら、できることをやり、仕上げてこられたと思いますので、最後までしっかりと調整して大会に臨んでほしいと思っています。

まず男子から見ると、非常に期待できるメンバーが揃っています。60kg級の永山竜樹了德寺大学職員)、66kg級の丸山城志郎(ミキハウス)、73kg級の橋本壮市パーク24)、軽い方から3階級は、いずれも優勝候補の筆頭と言って良いと思います。

60kg級の永山は過去3度世界選手権に出場しながらまだ優勝はありません。誰もが認める実力ですから、今大会はなんとしても優勝したい、「内容より結果」という気持ちでしょう。しっかりと実力を出し切り優勝してほしいと思います。永山と一緒に出場する古賀玄暉(旭化成)は、初の世界選手権でどのくらいできるのか、楽しみなところです。

66kg級は、阿部一二三(パーク24)に代表決定戦で敗れて東京五輪(柔道)代表の座を逃した丸山ですが、2019年の世界王者であり、実力的に世界トップであることは間違いありませんし、今回も優勝に一番近い存在だと言って良いでしょう。

73kg級の橋本も2017年の世界チャンピオンで、今大会も追われる立場。29歳とベテランと言われる年齢になってきましたが、今大会でどんなパフォーマンスを見せるか、注目してほしいと思います。

81kg級の藤原崇太郎(旭化成)は2018年のバクー世界選手権で準優勝していますが、その後、足踏み状態ですので、今大会では対外国人の強さを見せて結果を出してほしいと思います。

90kg級は長澤憲大(パーク24)と村尾三四郎(東海大学3年)の2人が代表ですが、両選手とも絶好調です。対外国人もさることながら、どちらが上位に入るのかというのも興味深いところです。

100kg級の飯田健太郎(旭化成)は抜群のセンスと凄まじいポテンシャルを持ちながら、まだその実力を出し切れていません。今大会は荒々しいくらいの柔道で、勝ち切ってほしいと思います。

100kg超級の影浦心(日本中央競馬会)も、王者テディ・リネール(フランス)に勝つだけの地力を持つわけですから、世界トップクラスの実力であることに間違いありません。ただ、巨漢選手に非常に強いのに、組み手にうるさいアスリートタイプを苦手としている。その弱点がクリアできれば優勝も見えてくると思います。

続いて女子ですが、48kg級はベテランの角田夏実(了德寺大学職員)と新鋭の古賀若菜(山梨学院大学2年)の2人が代表です。2人ともノーシードですが、優勝を狙える力は十分にあり、角田に関しては、優勝候補の筆頭と言っても良いと思います。古賀に関しても、角田には分が悪いですが、ポテンシャルは非常に高く「化ける」年齢でもあるので、期待したいところです。海外ではクラスニキ(コソボ)が好調ですが、角田が不覚を取ることは考えづらい。男子60kg級同様、初日にしっかりと金メダルを獲り、チームに良いムードを作ってほしいと思います。

52kg級の代表は志々目愛(了德寺大学職員)ですが、世界選手権は2017年ブダペスト優勝、2018年バクー2位、2019年東京3位と、3大会連続で表彰台に立っており、経験、実績から見て、優勝に一番近い存在だと言って良いでしょう。これぞ日本柔道というきれいな柔道で優勝してほしい。自己調整能力が非常に高い選手なので、期待しています。

57kg級は玉置桃(三井住友海上)が代表ですが、正直、厳しい戦いになると思います。現在、ランキング1位の出口クリスタと2位のジェシカ・クリムカイトはともにカナダなのですが、この大会が東京五輪(柔道)の代表決定戦ということで、高いモチベーションで大会に臨むと思われます。順当であれば、玉置は準決勝で出口、決勝でクリムカイト。両選手とは厳しい試合になると思いますが、逆に2人を破れば玉置の存在感は一気に上がります。プレッシャーを力に変えるタイプの選手なので、十分にその可能性もあると思います。

63kg級の代表は鍋倉那美。鍋倉は内股など、力強い技に定評があるものの、安定感という点で不安がある。今大会はその不安を払拭するような試合に期待したい。最大の強敵は東京五輪(柔道)のフランス代表クラリス・アグベニュー。鍋倉は過去に一度勝っていますから、もう一度勝って、それがまぐれではなかったことを証明してほしいと思います。

70kg級の代表は、ベテランの域に入ってきた大野陽子コマツ)ですが、稽古量はまったく落ちていないですし、気持ちも落ちていない。総合力は今でも伸び続けており、今大会も優勝を狙えます。スタミナもあり、長くなるほど大野ペースになる。試合の「入り」でミスをしなければ、優勝候補筆頭のガヒイ(フランス)にも十分に勝てる力はあります。

78kg級の代表は梅木真美綜合警備保障:ALSOK)。東京五輪(柔道)の代表争いでは濱田尚里(自衛隊体育学校)に敗れ、悔しい思いをしましたが、実力的には今でも世界のトップレベルであることは間違いありません。2015年アスタナ世界選手権で優勝したときより地力は付いていますし十分に優勝は狙えます。この階級も最大の敵はフランスのマデリーン・マロンガですが、勝てない相手ではありませんから、ここで優勝してパリ五輪への第一歩にしてほしい。

78kg超級は朝比奈沙羅(ビッグツリー)と冨田若春(コマツ)の2人が代表です。注目は、昨年12月の皇后盃全日本女子柔道選手権大会で日本一に輝いた冨田が、初の世界の舞台でどんな試合をするのか。この階級は、東京五輪(柔道)代表の素根輝(パーク24)が頭ひとつ抜けていますが、やはり素根を脅かす存在が必要で、そのためにも若手の冨田の成長が期待されます。2018年世界王者の朝比奈は医学の道を志し、周囲からも注目され期待も大きい。学業との両立は大変だと思いますが、しっかりと調整し、良いパフォーマンスを見せてほしいと思います。

今回はコロナ禍で行われる世界選手権であり、すぐあとには東京五輪(柔道)も控えています。選手、コーチ陣、スタッフが一丸となって戦い、無事に帰ってきてくれることを祈っています。

金野潤強化委員長のプロフィール

■ 生年月日:
1967年3月20日
■ 出身地 :
東京都 東京都のご当地あれこれ検索
■ 出身大学:
日本大学
【戦績】
1990年
  • 嘉納治五郎杯東京国際柔道大会 無差別級 2位
1991年
  • アジア柔道選手権大会(日本:大阪) 無差別級 優勝
  • 全日本柔道選手権大会 2位
1993年
  • アジア柔道選手権大会(マカオ) 無差別級 優勝
  • 全日本柔道選手権大会 2位
1994年
  • 全日本柔道選手権大会 優勝
1997年
  • アジア柔道選手権大会(フィリピン:マニラ) 95kg超級 優勝
  • 全日本柔道選手権大会 優勝
1998年
  • 講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 100kg超級 優勝

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