2019世界柔道(PARK24 GROUP presents 2019世界柔道選手権東京大会)

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2019世界柔道選手権をさらに楽しむ、男女階級別の見どころポイント!「2019世界柔道選手権」大会の見どころ-男子-

2019世界柔道(PARK24 GROUP presents 2019世界柔道選手権東京大会)の男子柔道について、各階級別の見どころをご紹介します。

※文中のIJFポイントランキングは、2019年8月9日時点のものです。 ※掲載内容は、2019年8月9日時点のものです。 ※直近3年間の大会成績をリンクしています。

女子の見どころはこちら

男子60kg級

2018年バクー世界選手権 準決勝
高藤直寿 vs 永山竜樹

日本からは、高藤直寿パーク24)と永山竜樹了徳寺大学職員)の2人がエントリーしているが、両選手ともに優勝候補と言って良いだろう。

実績で上回るのは高藤。2013年リオデジャネイロ、2017年ブダペスト、2018年バクーと3度の世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)で頂点に立っており、世界的に見て、頭ひとつ抜けた存在だ。高藤の柔道を一言で言えば「変幻自在」。先の先、後の先、両方を使い分け、相手がどんな柔道をしてきても、瞬時に自分を優位にすることができる。最近の国際大会を見る限り、死角は見当たらない。最初に世界チャンピオンになった2013年以降、様々な経験を積んだことで、熟練の技術、戦い方を身に付けたという印象だ。

高藤の最大の強敵が、東海大学の3年後輩の永山。高藤がいなければ、世界の頂点に立っていてもおかしくない実力の持ち主であり、実際、高藤にも2度勝っている。156㎝と、この階級でも小柄な永山だが、パワーがあり、背負投、袖釣込腰などの担ぎ技を中心に、爆発力のある攻撃が特長。両選手にとって、お互いが最大のライバルと言える。

東京五輪(柔道)の代表枠はひとつのみ。この大会の結果が非常に重要であることは言うまでもない。高藤が優勝して世界3連覇となれば、五輪(柔道)代表は濃厚となり、逆に永山が優勝となれば、代表争いは振り出しに戻ると考えて良いだろう。東京五輪(柔道)代表を目指す両選手にとって、一世一代の大勝負になる。

外国人選手で有力なのは、2018年バクー世界選手権2位のムシビドバゼ(ロシア)、同大会3位のパピナシビリ(ジョージア)、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)2位のスメトフ(カザフスタン)など。2014年チェリャビンスク世界選手権優勝のガンバット、ダシュダワーらモンゴル勢も一発の威力があり、油断はできない。

男子66kg級

平成31年
全日本選抜柔道体重別選手権大会
決勝戦
阿部一二三 vs 丸山城志郎

66kg級も日本から2名が出場する。2017年ブダペスト、2018年バクーと世界選手権2連覇中の阿部一二三日本体育大学4年)と、2019年4月の全日本選抜体重別選手権大会(以下、選抜体重別)で阿部を破り、代表権を獲得した丸山城志郎(ミキハウス)。丸山は、2018年11月の柔道グランドスラム大阪、2019年2月の柔道グランドスラム・デュッセルドルフ、4月の選抜体重別と連戦連勝。今非常に波に乗っている。この2人の優勝争いがこの階級一番の見どころと言って良いだろう。

2016年から頭角を現し始めた阿部。リオデジャネイロ柔道競技(五輪)の代表にはなれなかったが、その際立つ強さで世界を席巻。2017年のハンガリー世界選手権で一気に世界の頂点に上り詰め、2018年もその勢いはそのままに好調を維持して世界選手権を2連覇し、世界の第一人者と呼ばれるまでに成長した。しかし最近は、阿部の相手に関係なく強引とも思えるほどの「有無を言わさぬ」担ぎ技が研究され、なかなか思うような試合ができなくなっている。今回の世界選手権は、対戦相手の阿部対策に対し、それを上回る戦略、戦術、技術をいかに見せられるかがポイントになるだろう。

丸山に関しても同じことが言え、このところの国際大会での好成績により、注目されているのは間違いない。内股に抜群の切れを持つものの、今後はまともに組ませてもらえないと考えたほうが良く、少ないチャンスをいかにものにするかが勝負のカギと言えそうだ。

背負投、袖釣込腰を得意とする阿部と内股に抜群の切れ味をもつ丸山。タイプは違うが豪快な一本勝ちが持ち味の両選手。世界を魅了する技の応酬に期待したい。

外国人選手では、現在ランキング1位、ブダペスト世界選手権3位のマルグベラシビリ(ジョージア)、イスラエルのフリッカー、シュマイロフ、ガンボルド(モンゴル)、2014年チェリャビンスク、2015年アスタナ、2017年ブダペストと世界選手権3大会で銀メダルのプリャエフ(ロシア)らが有力。

男子73kg級

平成31年
全日本選抜柔道体重別選手権大会
決勝戦
大野将平 vs 海老沼匡

日本代表争いが最も過酷と言われる73㎏級で今大会の代表権を獲得したのは、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)金メダリストの大野将平旭化成)。2017年ブダペスト世界選手権優勝、2018年バクー世界選手権2位の橋本壮市(パーク24)、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)66㎏級銅メダリストの海老沼匡(パーク24)、立川新(東海大学4年)ら有力選手を下して獲得した日本代表だ。

抜群の切れ味と破壊力を持つ内股、大外刈、大内刈は、どんな相手でも投げ切ることができる。普段の練習では、階級上の選手とやってもまず投げられることがないほど、攻撃だけでなく受けも強く安定感がある。

この階級で、最大の強敵になると予想された2018年バクー世界選手権チャンピオンのアン・チャンリン(韓国)が頸椎ヘルニアのために東京世界選手権を欠場すると報じられたが、アン欠場となれば、大野の優勝の可能性はさらに大きくなると言って良いだろう。

外国人選手では、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)の決勝で大野と対戦したオルジョフ(アゼルバイジャン)、ロンドン柔道競技(五輪)金メダル、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)銅メダルのシャフダトゥアシビリ(ジョージア)、2018年バクー世界選手権3位のヘイダロフ(アゼルバイジャン)、2017年ブダペスト世界選手権3位のガンバータル(モンゴル)、IJFワールドランキング5位のマシアス(スウェーデン)、8位のマルゲリドン(カナダ)などが有力。

なかでも現在IJFワールドランキング1位のオルジョフは、2017年ブダペスト世界選手権でも決勝に進んでいる他、国際大会ではコンスタントに上位進出を果たしている。179㎝と長身で、技が切れるわけではないが、前に出て圧力をかけてくる柔道スタイルは厄介だ。

その他の選手も油断できる相手は誰もいないが、大野の本来の力が発揮できれば、それほど厳しい相手はいないと思われる。

男子81kg級

2018年バクー世界選手権 準決勝
藤原崇太郎 vs D.RESSEL

2018年バクー世界選手権準優勝の藤原崇太郎(日本体育大学3年)が81kg級の日本代表。現在、21歳。今大会の男子最年少選手だ。

この階級には、2015年アスタナ世界選手権優勝の永瀬貴規(旭化成)がいるが、2017年ブダペスト世界選手権で右膝のケガを再発させ、約1年間戦線離脱。

その間に頭角を現してきた藤原が2018年バクー世界選手権で決勝進出を果たす健闘を見せて2位入賞を果たし、2019年選抜体重別では、永瀬が優勝を果たすも、ここ1年間の実績から藤原が代表権を獲得したというわけだ。

永瀬がここへきて調子を上げてきており、完全復活の兆しを見せているだけに、藤原にすれば、この東京世界選手権でどのような結果を出すのか、来年の東京五輪(柔道)を見据えたときに、重要なターニングポイントになることは間違いない。

藤原の一番の長所は、心と身体のスタミナがあること。練習に関してはとにかく真面目で、メンタリティの揺れがなく、21歳という若さにして、心・技・体、さらに運を引き付ける力もあると言われている。技術的な伸びしろもあるので、今後さらなる成長が期待される。

この階級は、現在IJFワールドランキングでも1位のバクー世界選手権王者モラエイ(イラン)が最有力。モラエイに勝てるかどうかが、東京五輪(柔道)代表の切符獲得にも大きく影響しそうだ。モラエイとは、順当に勝ち上がれば決勝での対決となる。

その他では、IJFワールドランキング2位のムキ(イラン)、同3位のデビット(オランダ)、ブダペスト世界選手権優勝、バクー世界選手権3位のウィエチェサックやレッセルらドイツ勢、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)金メダリストのハルムルザエフ(ロシア)、アルバイラック(トルコ)なども要注意だ。

男子90kg級

平成31年
全日本選抜柔道体重別選手権大会
準決勝
向翔一郎 vs 村尾三四郎

日本にとって、厳しい階級のひとつである90㎏級。2016年リオデジャネイロ柔道競技(五輪)ではベイカー茉秋(日本中央競馬会)が金メダルに輝いたが、2017年ブダペスト世界選手権は派遣なし。2018年バクー世界選手権では長澤憲大(パーク24)が銅メダル。

今大会には、向翔一郎(綜合警備保障:ALSOK)が初の世界選手権個人戦の代表として出場する。向の現在のIJFワールドランキングは17位。今回の大会ではノーシードでの戦いとなり、初戦からいきなり強豪選手と対戦する可能性もある。

ただ、向の地力を考えれば、世界のトップ選手と渡り合っても決して大きく引けを取るようなことはないと思われ、世界選手権の大舞台で番狂わせを起こすこともあり得るし、向にはそんな期待を抱かせる不思議なパワーがある。とは言え、向の柔道には波があり、とんでもないアップセットをすることもあれば、逆に勝って当たり前と思える格下選手相手に負けたり、際どい試合をしたりすることもあるので楽観視はできない。波に乗って金メダルを獲ることができるか。

国内においては、ベイカーが復調してきていたり、2018年世界選手権3位の長澤が復権を狙っていたり、若い村尾三四郎(東海大学1年)が台頭してきていたりと、来年の東京五輪(柔道)の代表争いは今後さらに激化していきそうな気配。今回、向がどのような試合をし、どのような結果を出すのかは非常に大きな注目点と言って良いだろう。果たして、優勝して突き放すことができるか。

外国人選手では、2018年バクー世界選手権優勝のシェラザディシビリ(スペイン)が最有力。その他、同2位のシルバモラレス(キューバ)、グランプリやグランドスラムで常に上位進出を果たすIJFワールドランキング2位のトート(ハンガリー)、2017年ブダペスト世界選手権優勝のメイドフ(セルビア)、そして、同3位のクァク・ドンファン(韓国)らも非常に力を持っている。

男子100kg級

平成31年全日本柔道選手権大会
決勝戦
加藤博剛 vs ウルフアロン

2017年ブダペスト世界選手権優勝、そして、今年の全日本柔道選手権大会の王者であるウルフアロン(了徳寺大学職員)には、優勝の期待がかかる。昨年はケガの影響もあり、力を出し切れずに5位という結果だったが、現在は絶好調の様子で、優勝の可能性は高そうだ。

ウルフの長所は、大内刈、内股などの技が切れることはもちろんだが、常に前に出て相手にプレッシャーをかける柔道スタイル、さらに、相手の長所をつぶし、自分に優位な形を作る戦略性など、非常にクレバーな柔道をするところ。慎重さと大胆さを併せ持ち、勝負所を見極める力も長けている。順当に勝ち上がることができれば、そしてウルフが自分の柔道をやり切ることができれば金メダルは間違いないだろう。とは言え、何が起こるか分からないのが勝負の世界。決して楽観はできない。

海外勢で有力なのは、2017年ブダペスト、2018年バクーと世界選手権2大会連続2位のリパルテリアニ(ジョージア)とブダペスト世界選手権優勝のチョ・グハン(韓国)。さらに、2016年2位のガシモフ(アゼルバイジャン)、同3位のマレ(フランス)、バクー世界選手権3位のルハグバスレン(モンゴル)なども警戒が必要だ。現在、IJFワールドランキングで断トツのトップがリパルテリアニ。ウルフは2019年2月の柔道グランドスラム・パリ決勝でリパルテリアニに内股で「技あり」を取られて敗れており、今大会でも難敵になりそうだ。

もう一人厄介なのがチョ。組み手に厳しく、前に出るのではなく、引きながら試合を進め、執拗に左一本背負投を仕掛けてくる。切れる技とは言い難いが、根負けするかのように投げられる選手が多い。ウルフとしても粘り強い戦いが強いられることになりそうだ。

全日本柔道選手権大会を制し、日本一強い男として臨む今回の世界選手権。来年の東京五輪(柔道)代表の座を揺るぎないものにするためにも、負けるわけにはいかない。

男子100kg超級

2018年バクー世界選手権 準々決勝
原沢久喜 vs D.ULZIIBAYAR

日本代表は2016年リオデジャネイロ柔道競技(五輪)銀メダリストで、2018年バクー世界選手権3位の原沢久喜百五銀行)。現在の日本の最重量級で最も期待されている選手であり、弱体化が囁かれる100kg超級の頼みの綱的な存在でもある。191cm、123kgの体躯は、外国人選手と比べても引けを取らない。さらに、内股、大内刈など、技の切れでも、100kg超級屈指と言える。

原沢は、2017年後半にオーバートレーニング症候群に陥り、一時は戦線離脱を余儀なくされたが、2018年になり復活。現在はほぼ回復している。世界一になるだけの地力は十分に備えているので、東京五輪(柔道)の前哨戦とも言える今大会でぜひ優勝したい。

海外勢で有力なのは、世界選手権10度(無差別を含む)、五輪(柔道)2度優勝の絶対王者リネール(フランス)。リネールが出場するとなれば、最強の敵であることは間違いないが、出場するか否かは今のところ不明。2019年7月の柔道グランプリ・モントリオールで1年8ヵ月ぶりに復帰した際は、準決勝でリオデジャネイロ柔道競技(五輪)100kg級王者のクレパレク(チェコ)を払腰技あり、決勝で原沢を大外刈技ありで破って優勝。東京五輪(柔道)に向け、健在をアピールした。出場すれば、優勝候補の筆頭となることは間違いない。

昨年のバクー世界選手権で優勝を果たし、現在IJFワールドランキングでも断トツ1位のツシシビリ(ジョージア)、100kg級から階級を上げ、100kg超級でも着実に実績を積み上げているクレパレク、さらに、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)3位、巨大な身体から繰り出す大外刈が破壊力抜群のシルバ(ブラジル)、IJFワールドランキングではシルバを上回り、現在3位に位置するブラジルのモウラ、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)3位のサッソン(イスラエル)、ロシアのバシャエフなども有力で、原沢にとって気の抜ける選手はいない。

日本人が世界選手権の重量級で優勝したのは、2010年の東京世界選手権無差別の上川大樹(当時、明治大学3年)が最後。その時は100kg超級を制し2階級制覇を狙うリネールを破っての優勝だった。あれから9年、場所は東京。日本重量級の復活Vに期待したい。

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柔道チャンネル「2019世界柔道(PARK24 GROUP presents 2019世界柔道選手権東京大会)」について
「2019世界柔道(PARK24 GROUP presents 2019世界柔道選手権東京大会)」は、国際柔道連盟が主催する世界選手権。選手にとっては、2020年東京柔道競技(五輪)への出場に大きくかかわる大会です。
柔道チャンネルでは、2019年8月25日〜9月1日に開催される、「2019世界柔道(PARK24 GROUP presents 2019世界柔道選手権東京大会)」の情報を発信しております。
出場日本選手の紹介や過去の大会成績、写真などを掲載していきます。世界各国の柔道家による熱い戦いを、ぜひご覧下さい。
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