2017年ブダペスト世界柔道選手権大会/国別団体戦

2017年ブダペスト世界柔道選手権大会/国別団体戦 優勝者インタビュー

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女子70kg級 新井千鶴

2017年に入り柔道グランドスラム・パリ、柔道グランプリデュッセルドルフ、全日本選抜柔道体重別選手権大会と、立て続けに優勝を重ねた上で、さらなる快挙を達成した新井千鶴。「心・技・体」の鍛錬を重ね、悲願の世界柔道選手権大会初優勝を成し遂げた。
「ずっと獲りたかったタイトル。素直に嬉しい」と笑顔をこぼす新井。試合中や今の心境、快進撃の要因について迫る。

悲願のタイトル獲得

悲願のタイトル獲得

2015年のアスタナ大会では準決勝で敗れ、「女子で唯一メダル無しの5位」という悔しさの残る結果に終わってしまいました。

今回の世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)では「何が何でもその悔しさを晴らす」、「準決勝を必ず突破する」ということを目標に、「ひとつひとつの試合で勝つこと」を心がけて臨みましたね。

その結果、世界選手権での優勝をようやく果たすことができました。ずっと獲りたかったタイトルだったので、素直に嬉しいです。

足技の切れが光った試合内容

足技の切れが光った試合内容

初戦(2回戦)のベルンホルム選手(スウェーデン)は大内刈り、3回戦のポガクニック選手(スロベニア)には小内刈りと、共に足技の技ありで勝利することができました。

私の持ち味でもある足技でしっかりポイントを取って勝てたことは、自分のペースを掴む上でも良かったです。足技を出していくことを相手もすごく嫌がっていたと思うので、リズム作りにも役立った点は、メリットがありましたね。

組手争いを制し、強豪に勝利

組手争いを制し、強豪に勝利

準決勝の相手は、世界選手権三連覇、ロンドン柔道競技(五輪)で銅メダル、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)で銀メダルを獲得したアルベアル選手(コロンビア)。

アルベアル選手は、左右の技や組み手を得意としているので、試合中はアルベアル選手の組み手に合わせないことと、相手の嫌がる組み手をしてプレッシャーをかけようと考えながら戦っていました。

具体的にかける技を決めていた訳ではなかったものの、「組み手争いで競り負けないように」ということを心がけた結果、技ありでなんとか勝利。

この選手は、ベテランですがパワーも健在で、4分間の使い方や、勝ちパターンも知っているので、それに合わせないように、自分のペースをしっかりとキープして「相手に自分の柔道をさせないようにしよう」と思いながら戦っていましたね。

強化した寝技で頂点に

強化した寝技で頂点に

決勝の対戦相手は、プエルトリコのペレス選手。この試合では、相手も私の柔道を研究し尽くしていて、技を出させないように作戦を練っていたと思います。

しかし、私もそれを見越して、立ち技だけでなく寝技も強化してきたので、固め技で勝負ができましたね。立ち技が知り尽くされていても、寝技で相手の隙をきちんと捉えていくという戦い方が、決勝では特にできたのではないかなと感じています。

小内刈りで牽制しつつ、2分13秒頃に「送り襟締め」で勝利し、優勝を果たすことができました。

「優勝」を実感したのは畳を降りてから

「優勝」を実感したのは畳を降りてから

優勝が決まった瞬間は、安堵感はあったのですが、まだ緊張が残っていたのか、実感がすぐには湧かなかったんです。しかし、畳を降りたあとにコーチが待っていたり、周囲の方たちの興奮を直に感じたりして「あー、やった!獲れた!」と思えてから、笑顔になれましたね。

増地克之監督には試合後、「おめでとう」、「しっかり獲ってくれた」と言葉をかけて頂きました。70kg級の代表は私一人だけ。なおのこと「絶対金メダルを獲りたい」と思っていたので、期待に応えられて良かったです。

2017年、快進撃の要因は精神面の変化

2017年、快進撃の要因は精神面の変化

今年2017年は、柔道グランドスラム・パリ、柔道グランプリ・デュッセルドルフ、全日本選抜柔道体重別選手権大会と優勝し、今回世界選手権も制覇することができましたが、これは昨年と今年で、私の精神面が大きく変化したことが要因だと思っています。

調子が悪いときは、モチベーションも上がらないし、当然結果も付いてきませんでした。しかし、負け続けることで「何かを変えないと次に行けない」という気になり、強い気持ちを持って練習にも取り組むようになりましたね。

気持ちが変わったことで、練習に対する姿勢や考え方、全体的な取り組み方も変わりました。自発的に「これをやる!」とか「ここで必ず獲る!」という気持ちになると、積極的に向かっていけるようになったんです。

チャレンジ精神や前向きな気持ち、向上心が生まれてきて、今回の良い結果にも結び付いたのかなと感じています。

半年振りのIJFポイントランキング1位の座

半年振りのIJFポイントランキング1位の座

以前にも一度1位になったことはあったのですが、そのときはその後に控える国内大会のため、しばらくの間国際大会には出場せずに「心・技・体」を鍛えることに専念していました。

現在のルールだと試合に出ないとポイントはどんどん下がっていくので、当然ランキングは下がります。しかし、「世界選手権で優勝すればまた絶対1位になれる」という考えはありましたので、あまりランキングを意識することはなかったですね。

大会での優勝やIJFポイントランキングの1位の座も大事ですが、ひとつひとつの試合で実績を積んでいくことも大切だと考えています。これからもしっかりとポイントを取っていきたいです。

今の気持ちと、2020年に向けて

今の気持ちと、2020年に向けて

世界選手権で優勝できたことで、2020年東京柔道競技(五輪)に向けて良いスタートが切れたと思いますので、このまま突っ走っていきたいです。

なおかつ、ひとつひとつ、目の前の試合を大事にして確実に勝っていきたい。そんな2つの大きな気持ちで、今はいっぱいですね。

インタビュー:2017年9月

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今回は2017年ブダペスト世界柔道選手権大会優勝インタビューとして、新井千鶴選手にお話を伺いました。
強豪のライバル達に研究し尽くされる中、想像を超える技の強化練習や作戦、精神面の鍛錬などを重ね、ようやく成し遂げた初優勝。
「2020年東京柔道競技(五輪)に向けて良いスタートが切れたと思うので、このまま突っ走っていきたい」という気持ちと、「ひとつひとつ、目の前の試合を大事にして確実に勝っていきたい」という2つの大きな気持ちでいっぱいと話す新井千鶴選手の今を、柔道チャンネルでお楽しみ下さい。

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