ロンドン直前インタビュー

  

上村春樹

 

モントリオールオリンピックで金メダルを獲得し、現在、全日本柔道連盟会長や、講道館館長を務める上村春樹氏に、大会での思い出、オリンピック代表選手へのメッセージをお伺いしました。

上村春樹氏
 

金メダルが狙えるベストメンバー

金メダルが狙えるベストメンバー

柔道は男女とも、ロンドンオリンピックに向けて、ものすごくいいチームができたと思っています。長年、吉村和郎強化委員長と、すべての階級が金メダルを狙えるチーム作りをしようとやってきましたが、それがやっと実現しました。

実際に世界チャンピオンになっている選手もいるし、現在の世界チャンピオンに勝ったり負けたりしている選手達だから、これからきちっと調整して、本番で自分の力を出し切ることができれば、全員が金メダルに手が届くと思っています。

だから、これからオリンピックまでの期間が、ものすごく重要になってきます。

優勝候補が負けるオリンピックの怖さ

優勝候補が負けるオリンピックの怖さ

ここ数回のオリンピックでは、優勝候補の筆頭だった選手、金メダルが確実視されていた選手が負けております。力を持っていながら、調整のミスで負けてきたケースというのが、今までよく見られました。

北京オリンピック、アトランタオリンピックの谷亮子、アテネオリンピックの井上康生、シドニーオリンピックの篠原信一、バルセロナオリンピックの小川直也。

井上康生は世界柔道選手権3連覇、シドニーオリンピックも優勝と、この四つの大会をすべて一本勝ちで金メダルを獲りました。そこまでの選手というのは、私たちは見たこともないし、相当強くないとそんなことはできません。その選手がよもやメダルさえも獲れないとは思いもしませんでした。

それがオリンピックの怖さなんです。4年にたった1日、それも20分くらいの間ですべてを出し切らなければならない。これからの2ヵ月間は、常に集中して、最後の最後に力を出し切れる、そういう選手に作り上げていかなければいけない期間だと思っています。

100年後の数奇な巡り合わせ

100年後の数奇な巡り合わせ

日本がオリンピックに参加して今年で100年。最初は嘉納治五郎師範を団長とし、役員2名、選手2名でした。

それが今回は500人弱の選手団になります。オリンピック全体の目標も、金メダル獲得順位世界第5位というのを掲げました。

嘉納師範の100年後に、講道館長の私が団長として行くのも何かの縁だと思いますし、頑張らなければいけないと思っています。

今まで非常に厳しい状況の中で戦って来た柔道ですが、ここへきてやっと開花しかけており、ここが正念場だと思います。そして、金メダルのうち約半分は柔道が獲らなくてはいけないと思っています。

研ぎ澄ました判断力を身に付ける

研ぎ澄ました判断力を身に付ける

過去のオリンピックを見ても、前回の北京オリンピックでは9個のうちの4個、その前のアテネオリンピックでは16個のうち8個。その前のシドニーオリンピックでは5個のうちの4個。その前のアトランタオリンピックでは3個のうち3個が柔道の金メダルです。

だから、柔道の頑張りが非常に重要になってきます。しかも柔道は開会式の翌日、7月28日から始まります。おそらく最初に金メダルを獲るのが柔道になるでしょう。

まずは初日に勢いをつけるためにも、前半は力のある選手達で確実に金メダルを獲って欲しいしですね。重量級もダメだとは思っていません。特に女子は、普通に戦ってくれたら期待が持てますし、男子もだいぶ良くなってきています。

ただ、どんなに強い選手でも力を出し切れなかったら、世界を相手に勝つことはできません。自分の持っているものを出し切ることができて初めて金メダルを獲る舞台に上ることができると思うんです。力を出せなければ、その時点で落ちていくだけです。

だから、選手達には、持っている力をいかに出し切れるようにするか、といったトレーニングを積んで欲しいですね。今さら、新しい技を身に付けようとしても無理。最後は、技とか力とか、そんな簡単なものではないと思うんです。

自分が何をやってきたか、何を持っているか、何が自分の強さなのか、結局、技とか力だけではなくて、いま勝負にいくのか、いま掛けるのか、1秒後なのか、瞬間瞬間の判断力、それが人間の強さなんだと思います。残りわずかの期間で、ぜひそれを磨いて欲しいですね。

自信を持って戦う

自信を持って戦う

本人が畳の上に、自信を持って上がれるかどうか。もし畳の上で不安な要素を持っていたら結果的には厳しいでしょうね。

合宿などでの、きつい練習に耐えてきたとか、できるようになったとか、正確な技に入れるようになったとか、そういうことが少しずつ自信になってくるものです。心技体の心の部分がものすごく問われることになります。

自信があって掛ける技と、恐る恐る掛ける技とではおのずと違ってきますので、自信を持って戦って欲しいものです。

私自身のときも、強い人はたくさんいましたが、負けるなんて一度も思いませんでした。当然、自分の柔道をやれば勝てると思っていました。そういう風にみんな思って欲しいですね。

小手先の技でだまして勝てる程、世界は甘くありません。自分の全てを出し切らなければ勝てないと思います。選手の皆さんには、とにかく自分を信じて戦って欲しいですね。自信を持って自分を出し切ること、そうすれば、おのずと結果は付いてきます。それだけの実力をみんな持っていますから。

 

インタビュー:2012年5月

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