第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 大会の見どころ 女子

第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 大会の見どころ

第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
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第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会をさらに楽しむ、男女階級別の見どころポイント!「第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会」大会の見どころ-女子-

第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会について、各ブロックの見どころをご紹介します。

※掲載内容は、2020年12月22日時点のものです。 ※直近3年間の大会成績をリンクしています。

令和2年皇后盃全日本女子柔道選手権大会は12月27日(日)、講道館大道場において開催される。当初は4月19日(日)に例年どおり横浜文化体育館で行なわれる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期となり、今年は年末のこの時期に開催される運びとなった。

出場者は全国の予選を勝ち抜いた精鋭34名に推薦選手6名を加えた40名。現在大会を2連覇している世界柔道選手権2019東京大会(以下、東京世界選手権)78kg超級女王の素根輝は欠場したが、推薦枠では東京世界選手権3位の朝比奈沙羅(ビッグツリー柔道クラブ)と2018年大会準優勝の冨田若春(コマツ)に加え、今年新たに設けられた「東京五輪(柔道)日本代表選手、補欠選手」の枠で梅木真美綜合警備保障:ALSOK)、玉置桃(三井住友海上)、角田夏実了德寺大学職員)、志々目愛(了德寺大学職員)の4名がエントリーしている。

優勝候補は第1シードに配された朝比奈。2018年バクー世界選手権78kg超級で優勝を飾るなど、実績と実力で他の選手を大きくリードしている。ただし、朝比奈は今春から獨協医科大学医学部に在籍しており、現在は医学生と柔道の二足の草鞋を履いている状況にある。限られた時間の中でどこまで稽古が積めているのか、東京五輪(柔道)では補欠に選ばれているが、今大会でその真価が問われることになるだろう。

この朝比奈を追うのが第2シードの冨田。昨年大会では朝比奈に敗れて3位だったが、素根と朝比奈が出場しなかった今年10月の講道館杯全日本柔道体重別選手権大会(以下、講道館杯)では2連覇を達成するなど着実に力を付けてきており、今大会で優勝して名実ともに国内2番手の座を手に入れたい。

以降は同じく昨年3位の稲森奈見(三井住友海上)ら重量級の上位陣が近い力関係の中で集団を作っており、組み合わせや相性次第で誰が勝ち上がってもおかしくない混戦となっている。それ以外では玉置、角田、志々目ら軽量級のトップ選手の戦いぶりに注目したい。

ここからはトーナメントを4つのブロックに分け、各ブロックの勝ち上がりを予想してみたい。

Aブロック

第34回皇后盃
全日本女子柔道選手権大会
4回戦
朝比奈沙羅 vs 高山莉加

シード選手の朝比奈がベスト4への勝ち上がり候補筆頭。3回戦までの相手は浜未悠(百五銀行)ら柔道のしぶとい選手が揃っており、ここをどのように勝ち上がるかでその調子を測ることができるだろう。とりわけ初戦(2回戦)の桑形萌花(須磨学園夙川高校3年)との試合には注目したい。

一方、朝比奈の対抗馬は高山莉加(三井住友海上)と井上あかり(JR東日本)。両者はともに下側の山に置かれ、ベスト16で対戦する。この試合は地力で勝り袖釣込腰や巴投など豊富な投技を持つ高山が有利。巴投で引き込んだところを寝技の得意な井上に狙われる可能性もあるが、高山自身も寝技を得意としており、そこで差はつかないだろう。

よって準々決勝のカードは朝比奈vs高山と予想する。この試合の勝者は純粋な力比べでは朝比奈になるはず。しかし、高山はパワーと機動力をかね備えた強敵。担ぎ技や捨身技を駆使して先に「指導」を積む戦い方もできるため、朝比奈にとってはこの試合が最大の山場となりそうだ。

Bブロック

第34回皇后盃
全日本女子柔道選手権大会
2回戦
秋場麻優 vs 高山莉加

混戦ブロック。有力選手はともに最重量級の秋場麻優(綜合警備保障:ALSOK)と橋本朱未(コマツ)。両者はブロックの上下に分かれて配置されており、準々決勝で対戦する。

秋場は初戦(2回戦)で朝飛七海(桐蔭横浜大学3年)、3回戦で梅津志悠(三井住友海上)と本格派との連戦が組まれた。いずれも威力のある投技が持ち味の実力者だが、しっかりと組んで戦う、素直な柔道をする選手のため、秋場としては戦いやすいだろう。

なお、この山には能智亜衣美(了德寺大学職員)も置かれており、2回戦で梅津と対戦する。梅津の勝利濃厚と思われるが、これも見逃せない注目カードだ。

一方、下側の山では橋本が体格、実績ともに頭ひとつ抜けており、この選手の勝ち上がりがほぼ確実と思われる。初戦(2回戦)で近畿地区王者の池絵梨奈(ミキハウス)との対戦が組まれているが、相性的にもそれほど苦戦することはないだろう。

よって準々決勝のカードは秋場vs橋本。両者は10月の講道館杯でも対戦しており、そのときは橋本が内股「技あり」で勝利している。昨年来の橋本の好調さと勢いから、今回も橋本が勝利する可能性が高そうだ。

Cブロック

第34回皇后盃
全日本女子柔道選手権大会
4回戦
冨田若春 vs 児玉ひかる

第2シードの冨田がベスト4進出の第一候補。対抗馬は児玉ひかる(東海大学2年)。冨田がシード位置に座る上側の山には48kg級の角田と57kg級の玉置が揃って詰め込まれており、この2名の戦いぶりがこのブロックの最注目ポイント。両者は2回戦で対戦する可能性がある。

まず先に登場する玉置が1回戦で78kg超級の白石麻葵佳(立命館大学4年)と対戦するが、この試合は経験値と意外性から玉置の勝利を予想したい。果たして78kg超級の選手に対して、玉置の技術とスピードがどこまで通用するのか。

次戦の角田と玉置の試合は、軽量級同士だからこそ体力差がそのまま反映され玉置が有利。しかし、この体格差ならば角田の巴投と関節技も十分に威力を発揮すると思われる。勝利予想はあくまでも玉置ながら、角田にも十分にチャンスがある勝負となるだろう。

続く3回戦はどちらが勝ち上がったとしても冨田が勝利する可能性が高い。とは言え、軽量級の角田と玉置が最重量級のトップ選手を相手にどのような戦いを挑むのかは今大会屈指の見どころ。勝敗以上にその内容で沸かせてくれるはずだ。

一方、下側の山からは児玉の勝ち上がりが濃厚。3回戦で対戦の可能性のある東海地区王者の中江美裕(アドヴィックス)は相性的に戦いにくい相手だが、勝敗を揺るがすほどではないだろう。

よって準々決勝は冨田と児玉の対戦が濃厚。児玉は技の切れ味で勝負するタイプだが、冨田は重心が低く技構成も両足を畳に着けたものが主のためその良さが活きにくい。近年の試合ぶりを見る限り、地力でも冨田が勝っていると思われ、やや冨田優位か。

Dブロック

第34回皇后盃
全日本女子柔道選手権大会
3回戦
稲森奈見 vs 桑形萌花

今大会最大の激戦区。シード位置には稲森が配されているが絶対的というほどの力はなく、ほぼ全員にチャンスがある混戦ブロックと言える。

稲森以外では梅木と2019年世界ジュニア柔道選手権大会王者の高橋瑠璃(山梨学院大学2年)の勝ち上がりが有力だが、それ以外にも関東地区王者の寺田宇多菜(桐蔭横浜大学4年)、東北地区王者の菅原歩巴(久慈東高校教員)、北信越地区王者の橋高朱里(金沢学院大学教員)と各地区の優勝者が3名(稲森も含めれば4名)集結している。

組み合わせでは下側の山の3回戦で梅木と高橋が稲森への挑戦権を賭けて対戦予定となっているが、両者の対戦は地力で勝る梅木が優位と思われる。

よって準々決勝は稲森vs梅木。上から奥襟を持って圧を掛ける梅木に対し、稲森が下から懐に潜り込むという攻防が予想されるが、双方が平均値の出来だった場合には地力に勝る梅木の勝利の可能性が高い。しかし、稲森がリスクを冒して接近戦を挑んだ場合には勝敗が変わる可能性も十分にあるだろう。

なお、このブロックには2017年ブダペスト世界選手権52kg級王者の志々目が配されており、2回戦で梅木と対戦する。志々目は組み合って投げを狙う正統派のため、梅木に勝つことは厳しいと思われるが、その戦いぶりには大いに注目したい。

上記の勝ち上がり予想から、準決勝のカードはABブロックが朝比奈vs橋本、CDブロックが冨田vs梅木になると思われる。この4名はいずれもしっかりと組み合っての力比べが得意な選手であり、決勝にはそれぞれの力関係をそのまま反映する形で朝比奈と冨田が勝ち上がると予想する。

決勝は現在国内2番手の朝比奈と同3番手の冨田による序列決定戦。第一人者である素根の独走を防ぐためにも、絶対に負けられない戦いだ。最後の直接対決となった昨年4月の本大会では、朝比奈が大外巻込「一本」で勝利しているが、それから1年8ヵ月、現時点ではどちらに軍配が上がるのか。熱戦に期待したい。

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柔道チャンネル「第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会」について
「皇后盃全日本女子柔道選手権大会」は、公益財団法人講道館と公益財団法人全日本柔道連盟の共催大会で、女子柔道の無差別級勝者を決めるものです。第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会は、2020年12月27日(日)に東京都の講道館大道場で開催。前年度大会の優勝者と準優勝者などから選出される「推薦選手」と、全国各地区から選出される「地区選出選手」が出場し、熱い戦いを繰り広げます。当サイトでは、第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会の結果などを掲載。女子柔道家たちの白熱した戦いをご覧頂けます。柔道チャンネルは、皇后盃全日本女子柔道選手権大会2020に出場される選手の方々を応援しています!
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