女子78kg級 濱田尚里
課題だった立技の組手と受けを強化し臨んだ今大会は、IJFポイントランキング1位のN.POWELLを撃破するなど、得意の寝技でオール一本勝ちする圧巻の内容だった。
オール一本勝ちで初優勝
海外に派遣されても、なかなか結果を出すことができず、対策が必要でした。この階級では小柄な方なので、身長の高い選手にはいつも立技で組負け、そのまま投げられて負けてしまう場合が多かったですね。
でも今回は立技の組手と受け、あと投技を意識して練習に取り組み、大会に臨みました。練習の成果もあってか、組負けることが無く、試合ができたと思います。
決勝は逆足払で技ありを奪った直後に、送襟絞で一本勝ち。決め技は狙ったわけではなく、たまたま入った感じです。練習の成果は多少あったかもしれませんね。
今大会はオール一本勝ち。IJFポイントランキング1位のN.POWELL選手(イギリス)も得意の寝技で勝利することができて、良い内容でした。
得意の寝技について
得意技は寝技。高校(阿蘇高校)のとき、本格的に寝技の練習を始めました。大学(山梨学院大学)では、柔道の強化の一環として、サンボの練習も取り入れられていたため、そこから寝技がさらに強化されましたね。大学時代では1、2年サンボの試合にも出場したほど。サンボを覚えたことで、立技から寝技への切替えが得意になりました。
寝技を学ぶきっかけは特に無く、教えてもらった流れからです。寝技の稽古は地味なのに、きつくて苦しいし、嫌になる人も多いみたいですが、立技よりは簡単にできるようになるし、練習したことがそのまま成果として出るので、私はそこが好きですね。
結果にこだわって臨んだ今大会
昨年は講道館杯全日本柔道体重別選手権大会で敗退し、柔道グランドスラム東京の出場権利はありませんでした。その悔しさもあったので、今回は出場が決まり「必ず優勝をしよう」と心に決め、結果にこだわって臨んだ大会でもあります。
常に前を行く、梅木真美選手(綜合警備保障:ALSOK)と、佐藤瑠香選手(コマツ)が出場した今大会で優勝はしましたが、直接対戦はしていないので、一番になったつもりはもちろんありません。むしろ国内の試合では、梅木選手にも、佐藤選手にも負けている状態です。
二人に勝つことも必要ですが、次の国際大会でも、ひとつひとつきちんと勝って、世界柔道選手権大会の代表に繋げられるようにしたいですね。
インタビュー:2017年12月