全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年) 大会の見どころ 男子

全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年) 大会の見どころ 男子

全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年) 大会の見どころ 男子
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全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)をさらに楽しむ、男女階級別の見どころポイント!「全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)」大会の見どころ-男子-

全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)の男子柔道について、各階級別の見どころポイントをご紹介します。

※文中のIJFポイントランキングは、2020年3月26日時点のものです。 ※掲載内容は、2020年3月26日時点のものです。 ※直近3年間の大会成績をリンクしています。

女子の見どころはこちら

男子60kg級

柔道グランドスラム大阪2019
3回戦
永山竜樹 vs A.BLIEV

この階級は、高藤直寿パーク24)が東京五輪(柔道)代表となり、代表戦で敗れた永山竜樹了德寺大学職員)が第1シード。代表落ちしたとは言え、永山の実力は高藤と遜色なく、今大会も地力で言えば、ダントツと言っても過言ではないだろう。しかし、他の階級でも言えることなのだが、問題は、永山の精神状態。代表落選で気落ちしている状態で、どこまで実力を発揮できるのか、相手云々よりも自分との戦いと言えるかもしれない。永山にとっては試練の大会となりそうだ。

これも、男子66kg級以外の階級すべてに言えることなのだが、今大会は、東京五輪(柔道)以降を見据えた場合、非常に重要な大会となってくる。通常、多くのトップ選手が五輪を目指すため、五輪終了後には世代交代が一気に進むことになるからだ。まだ東京五輪(柔道)は終わっていないが、代表選手が決まった今、五輪を目指してきた選手のモチベーションは一気に下がり、逆に次の世界柔道選手権大会や2024年のパリ五輪を目指す選手にとっては、スタート地点となる。

ちなみに、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)前(2016年)の全日本選抜柔道体重別選手権大会(以下、選抜体重別)は、代表の最終選考会として行なわれているので、だいぶ様相は違うものの、ここで優勝した選手男子7名のうち4名が東京五輪(柔道)の代表になっている。60kg級の高藤と永山はともに3位だった。

今大会第1シードの永山は、2017年と2019年大会で優勝。選抜体重別の実績であとを追うのは大島優麿(旭化成)で、2016年2位、2018年優勝、2019年3位。今大会では、この大島と永山が初戦で対戦することになる。過去の戦績では圧倒的に永山優位だが、果たしてどんな対決となるのか。永山はこの試合に勝てば、次は堅山将(パーク24)対末松賢(明治大学2年)の勝者との対戦。普通に戦えば、かなりの力の差があると思われるものの、伸び盛りの末松との試合は興味深い。

第2シードは青木大(パーク24)。昨年の講道館杯全日本柔道体重別選手権大会(以下、講道館杯)を制しており、着実に地力を発揮しはじめている。初戦で山本達彦(東海大学4年)と対戦し、勝てば、講道館杯2位の古賀玄暉(日本体育大学3年)と同3位の福田大悟(鹿屋体育大学2年)の対戦の勝者と準決勝を争う。このブロックの3人の大学生にとっては、次代のトップを目指す上での関門となる。

前述したように、実力的には永山が抜けているが、他の選手がその牙城を揺るがすことができるかが見どころと言える。

男子66kg級

柔道グランドスラム大阪2019
決勝戦
阿部一二三 vs 丸山城志郎

男女合わせ全14階級の中で、最も注目を集めているのが、この男子66kg級。丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(日本体育大学4年)の一騎打ちと言って良いだろう。ある意味、今大会はこの一戦に尽きると言っても過言ではない。男女計14階級中すでに13階級で東京五輪(柔道)の代表が決まっており、残す階級はこの66kg級のみ。丸山と阿部、どちらが代表に選ばれるのか。泣いても笑っても、この大会が最終決戦なのである。

選抜体重別はワンマッチではなくトーナメント戦。しかも両者は第1シード(丸山)と第2シード(阿部)ということで、対戦するのは決勝戦。つまり、両選手ともに、そこまで勝ち上がらなければ実現しないというわけだ。本来の実力、地力は世界でもナンバー1、2の両者だが、選抜体重別に出てくる選手は猛者揃い。いくら強い両選手であっても、そう易々と勝てる相手ではない。しかも、両選手にかかる重圧は想像を絶するものと考えられる。わずかなミスが命取りになることも十分に考えられるのが勝負の世界の怖いところだ。果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか。

実際の組み合わせを見てみよう。第1シードの丸山が最初に対戦するのが、藤阪泰恒(パーク24)。昨年の選抜体重別では3位に入っているが、丸山が不覚を取ることは考えづらい。準決勝は、昨年の柔道グランドスラム大阪3位の西山祐貴(警視庁)対武岡毅(國學院大学2年)の勝者。丸山と西山は昨年の選抜体重別の準決勝で対戦し、丸山が巴投で一本勝ちしている。若手の武岡は、担ぎ技と寝技を得意とするが、寝技もできる丸山が勝ち上がるのが順当と見て間違いないだろう。

一方、阿部の対戦相手を見ると、初戦が田川兼三(了德寺大学職員)で、準決勝は相田勇司(國學院大学2年)対磯田範仁(国士舘大学職員)の勝者となる。阿部と田川は、最近では一昨年10月の全日本学生柔道体重別団体優勝大会(団体戦)の決勝で対戦。そのときは引き分けている。団体戦と個人戦とは当然、戦い方も違ってくるが、圧倒的に優位というわけではないと言える。

相田と磯田に関しては、地力的には磯田の勝ち上がりが順当と思われるが、昨年の講道館杯優勝、柔道グランドスラム大阪でも3位入賞を果たすなど、成長著しい相田の可能性も十分にある。相田は柔道グランドスラム大阪の準決勝で阿部と対戦し、そのときは、隅落で「技あり」を取られたあとに、背負投で一本負け。阿部の巧さと強さが際立つ一戦だった。足技の名手と言われる磯田も粘り強い柔道が身上の選手だけに、阿部にとっては要注意だ。

そして、いよいよ決勝。順当であれば、昨年の世界柔道選手権2019東京大会で優勝、現世界王者の丸山と2017年、2018年世界柔道選手権大会2連覇の阿部の対戦。日本中、いや世界中が注目するカードと言っても言い過ぎではないだろう。過去の対戦成績は丸山の4勝3敗。昨年11月の柔道グランドスラム大阪で阿部が丸山に勝って優勝して東京五輪(柔道)代表に望みをつなぎ、2月の柔道グランドスラム・デュッセルドルフの優勝で、ほぼ互角となった。ケガとは言え、丸山が柔道グランドスラム・デュッセルドルフを回避したことが、果たして吉と出るか凶と出るか。技術や身体はさることながら、精神力が勝敗に影響する試合となりそうだ。

男子73kg級

柔道グランドスラム大阪2019
決勝戦
海老沼匡 vs 橋本壮市

東京五輪(柔道)代表となった大野将平(旭化成)と最後まで代表争いをしてきた、IJFワールドランキング1位の橋本壮市(パーク24)が第1シード。勝負の世界に「たられば」は禁物ながら、大野がいなければ、五輪代表になれたであろう橋本。2017年のブダペスト世界柔道選手権大会優勝、2018年バクー世界柔道選手権大会2位。数々のグランドスラム、グランプリ、ワールドマスターズなどの大会で優勝を連ね、大野にも引けを取らない実力と実績を持ちながら涙を飲んだ。その橋本が今大会に気持ちを切り替えて、ベストの状況で臨むことができるかが大きなポイントと言える。

その橋本は、初戦で新鋭・塚本綾(日本体育大学2年)、続く準決勝は立川新(東海大学4年)対佐藤雄哉(日本エースサポート)の勝者との対戦となる。立川はケガもあってこのところ元気がないが、かつては世界柔道選手権大会代表候補として、階級の第一人者に近い位置まで上がっていた選手。22歳とまだ若いので、上位復活が期待されている。東海大学の先輩・橋本を破って世代交代を図れるか。

別ブロックは、第2シードのベテラン・海老沼匡(パーク24)が最有力。「名勝負製造機」の異名を取るほど、海老沼の試合は、勝っても負けても魅了される試合が多いが、果たして今大会ではどんな試合を見せてくれるのか。初戦は講道館杯3位の土井健史(三重県体育協会)で、準決勝は、原田健士(日本体育大学3年)と細木智樹(皇宮警察)の試合の勝者との対戦となる。

ここで要注目が原田。原田は昨年の講道館杯決勝で、海老沼から裏投と隅返で2つの「技あり」を奪って完勝。そのあとの柔道グランドスラム大阪2019では海老沼に横四方固「技あり」で敗れているが、若手有望株として注目を集めている。海老沼と原田の試合となれば、一発のある両者の戦いは、手に汗握る接戦となりそうだ。

決勝カードは、実力、実績的に見て橋本と海老沼が濃厚とみるが、ともに東京五輪(柔道)を目指してきた二人。ここまでの肉体的、精神的な疲弊具合により、予想もしない勝ち上がりとなる可能性も考えられる。新進の原田や再起の立川が優勝に絡んでくれば、一気に今後の勢力図を塗り替えることになるかもしれない。

男子81kg級

柔道グランドスラム大阪2019
2回戦
藤原崇太郎 vs P.PERCIVAL

リオデジャネイロ柔道競技(五輪)後の約3年間、リオ五輪銅メダルの永瀬貴規(旭化成)のケガもあり、混沌としていたこの階級。永瀬がこの1年で一気に復活を遂げて東京五輪(柔道)代表に内定したため、今大会は次世代のエース争いという意味合いの大会と見て良いだろう。

第1シードは、2018年バクー世界柔道選手権大会で準優勝を果たし、一時は階級の第一人者に躍り出た藤原崇太郎(日本体育大学3年)。永瀬不在の81kg級において、初めて起用された世界柔道選手権大会で及第点以上の活躍を見せて周囲を驚かせたが、昨年の世界柔道選手権2019東京大会では経験のなさが露呈し、無念の初戦敗退。とは言え、今後の81kg級を背負っていく選手として大きな期待をされている選手だ。藤原の良さは、豊富な練習で培われたスタミナと受けの強さ。試合時間が長くなればなるほど、その長所は発揮される。その藤原の初戦は丸山剛毅(パーク24)。このところ結果が出ていない丸山だが、一発があるため油断は禁物だ。

丸山に勝つと、準決勝は小原拳哉(パーク24)か佐藤正大(自衛隊体育学校)のどちらかと対戦することになる。背負投などに抜群の切れ味を持つ佐藤か試合巧者の小原か、いずれにしても現在の実力では藤原に分がありそうだ。

反対側のブロックでは、講道館杯を制し今大会第2シードの友清光(国士舘大学3年)に注目したい。初戦はベテランの長島啓太(日本中央競馬会)、そして、準決勝は佐々木健志(綜合警備保障:ALSOK)対江畑丈夫(パーク24)の勝者。ここで興味深いのが、佐々木との一戦だ。佐々木は、昨年の講道館杯準決勝で友清と対戦。その時点においては、まだ佐々木が上位に位置づけられていたが、蓋を開けると友清の完勝。袖釣込腰で「技あり」を奪ったあとに小内刈で一本勝ちという内容だった。この一戦で友清は、この階級のトップ戦線に名乗りを上げたと言って良い。友清は続く柔道グランドスラム大阪2019でも準決勝に進出、ここで永瀬に敗れたものの、十分に存在感を見せた(結果は5位)。

逆に佐々木にすれば、今大会を再出発の起点にしたいところ。一時は永瀬、藤原と日本代表争いを演じていた実力者で、年齢的にもまだ23歳と若い。パワフルで、全身がバネのような柔道は圧巻。しかし、反面、行き過ぎて自滅というケースも多かった。そこが修正されれば、再び頂上争いに絡んでくることは間違いない。新進の友清との再戦は熱い戦いになりそうだ。

決勝は、第1シードの藤原、第2シードの友清、そして第3シードの佐々木あたりによる争いが濃厚と思われる。藤原、友清は大学3年生。次のパリ五輪では間違いなく日本代表争いの主役となってくる選手だ。次世代のエース争いとして、大いに注目したい。

男子90kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
準決勝戦
村尾三四郎 vs 増山香補

向翔一郎(綜合警備保障:ALSOK)、長澤憲大(パーク24)、そして村尾三四郎(東海大学1年)の3人の間で争われてきた東京五輪(柔道)代表争いは向の内定で決着。今大会は、長澤が第1シード、村尾が第2シードで行なわれる。実力的に見れば、この両選手がトーナメントの主軸となると思われるが、東京五輪(柔道)の代表落選の影響がどう出るか。とりわけ、長澤がうまく気持ちを切り替えられるかは、この階級の大局にかかわると思われる。

8人中6人が大学生(大会の時点ではうち一人は社会人)と、若手が多く、次代のエース候補が顔を揃えた大会と言える。

トーナメント表に従い、実際の勝ち上がりを占ってみよう。まず1回戦。第1シードの長澤の相手は枇杷木勇樹(国士舘大学2年)。昨年の全日本学生柔道体重別選手権大会3位、今後が期待されている若手の一人ではあるが、実力的にはまだ長澤のほうが一段上。順当であれば長澤の勝ち上がりと思われる。

次は増山香補(明治大学3年)と滝澤秀斗(東海大学2年)の一戦。ここは昨年の全日本学生柔道体重別選手権大会チャンピオン・増山の試合ぶりが注目される。増山は高い位置で担ぎ上げる背負投を得意とし、破壊力は抜群。今大会でも優勝に絡んでくる可能性は大きい。

1回戦の残る2試合は、村尾と大町隆雄(山口県警察)、そして田嶋剛希(筑波大学4年)と長井晃志(日本体育大学3年)。

村尾は昨年の世界柔道選手権2019東京大会団体戦のメンバーとして日本の優勝に貢献しており、次代のエースとして期待されている選手。東京五輪(柔道)には届かなかったが、現時点ではパリ五輪の最有力候補と言っても過言ではないだろう。大町とは、昨年の講道館杯4回戦で対戦しており、そのときは大町の「指導3」反則負けにより村尾が勝っている。昨年の全国警察柔道選手権大会チャンピオンの大町が村尾を相手にどこまで戦えるか。田嶋と長井の一戦も興味深いが、2018年の全日本学生柔道体重別選手権大会チャンピオンで、講道館杯でも一昨年2位、昨年3位と結果を出している田嶋がやや優位。準決勝は、長澤と増山、村尾と田嶋の対戦となる可能性が高いと思われる。

長澤と増山の一戦は、伸長著しい増山に対して、長澤がどんな柔道を見せるのか。組み手の巧い長澤に対し、増山が得意の背負投を出すことができるのかというところが見どころ。そして村尾と田嶋に関しては、若手の中で独走状態になりつつある村尾に対して、田嶋が「待った」をかけられるのか。田嶋が攻撃的な柔道で村尾を追い詰めることができるか。

前述のように、長澤のモチベーションによるところは大きいものの、今大会の決勝は、増山と村尾の、若手対決の実現となる可能性が高いと予想する。そして、この2人の対決は、今後のこの階級の行方を占う上で重要な一戦になると思われる。村尾が講道館杯に続く優勝で、向に追随するエース候補一番手の地位を揺るぎないものにするか、それとも、増山が新たなエース候補に名乗りを上げることになるのか。楽しみな試合となりそうだ。

男子100kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
決勝戦
羽賀龍之介 vs 西山大希

この階級は、ウルフアロン(了德寺大学職員)が、羽賀龍之介(旭化成)、飯田健太郎(国士舘大学3年)との代表争いを制して東京五輪(柔道)出場を決め、涙を飲んだ飯田と羽賀が、今大会の第1シードと第2シードとして再起をかけるわけだが、21歳の飯田と28歳の羽賀では、かなり立場が違ってくる。

リオデジャネイロ柔道競技(五輪)銅メダリストのベテラン・羽賀にすれば、ラストチャンスとして挑んできた東京五輪(柔道)の代表落選は、ある程度の覚悟をしていたとは言え、かなりの精神的ダメージがあると思われ、その気持ちをいかに奮い立たせることができるかがカギと言えそうだ。逆に若手選手からすれば、新旧交代をきちんと遂行することが今大会の使命と言えるかもしれない。果たして、どの選手がその大役を果たすことになるのか。

トーナメントを俯瞰すると、飯田のブロックは若手中心、一方、羽賀のブロックは力のあるベテラン揃い。かなり両極端な組み合わせとなっている。

ベテラン組、第2シードの羽賀のいるブロックから見てみよう。羽賀の初戦の相手は中野智博(桐蔭学園高校2年)。このブロック唯一の若者は、全体の中でも最年少の選手だ。両者は昨年の講道館杯の3回戦で対戦し、そのときは羽賀が中野から「指導」2つを取ったあとに内股で一本勝ち。完勝といった内容だった。伸び盛りの中野の成長に期待したいところだが、実力ではまだ羽賀が上と見るのが妥当であろう。

勝ち上がると、次は、西山大希日本製鉄)と垣田恭兵(旭化成)の勝者。昨年の講道館杯準決勝では西山が、垣田の「指導3」による反則負けで勝利しているが、実力はほぼ互角。剛の西山か巧さの垣田か、好試合が期待される。勝ったほうが羽賀との一戦に臨むわけだが、羽賀対西山にしても、羽賀対垣田にしても相手を知り尽くしているだけに、そう簡単には決まらないと思われる。ただ、どちらにしても「一本」を狙う思い切りの良い柔道をする選手たちなので、見応えのある試合になりそうだ。

若手が集まった飯田のブロックは、飯田が頭ひとつ抜けた存在と見て良いだろう。飯田の初戦の相手は、北山達也(東海大学4年)。昨年の全日本学生柔道体重別選手権大会3位に入っている選手だが、地力では飯田に分がある。188cmの長身の飯田の内股、大外刈、やぐら投など、警戒する相手からしっかりと取り切れるかが課題と言えるだろう。勝ち上がれば次は、石内裕貴(旭化成)対山口貴也(日本大学2年)の勝者だが、どちらが上がってきても実力的には飯田が上。よほどのことがない限りは、覆ることはなさそうだ。

決勝は、順当であれば飯田vs羽賀。現エースを除いた新旧エース対決となる。飯田が勝って引導を渡すことになるのか。それとも羽賀が勝って若い選手たちの高い壁となるのか。

男子100kg超級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
準決勝戦
太田彪雅 vs 熊代佑輔

第一人者の原沢久喜百五銀行)が東京五輪(柔道)代表を勝ち取り、原沢を追いかけてきてわずかに届かなかった影浦心(日本中央競馬会)が今大会の第1シードとしてトーナメントをリードする。

影浦の初戦の相手は、小川雄勢(パーク24)。一時は東京五輪(柔道)の代表候補として注目を集めたが急失速。昨年の講道館杯では準々決勝でベテラン・熊代佑輔(綜合警備保障:ALSOK)に背負投で一本負けし、さらに3位決定戦でも若手最注目株の斉藤立(国士舘高校3年)に「指導3」の反則負けを喫し、戦線から完全に離脱した。再起の大会となる今大会で、階級2番手の影浦を相手にどんな柔道を見せるのか。代表争いを最後まで戦った影浦が力の差を見せつけることができるか。

影浦が順当に小川を下すことができれば、次の相手は香川大吾(綜合警備保障:ALSOK)か王子谷剛志(旭化成)の勝者。どちらが上がってきても同門(東海大学)対決となるが、手の内を良く知るため、簡単に勝たせてはもらえないだろう。実績で見れば、全日本柔道選手権大会で3度の優勝を誇る王子谷だが、ここ1年ほどは全盛期のような強さが見られないため、講道館杯で準優勝を果たした社会人1年目の香川と対戦する可能性が高そうだ。先輩・影浦がやや優位と思われるが、香川にしてもそろそろ存在感を見せないと重量級のトップ戦線に食い込んでいくことは難しい。今回は浮上のチャンスと言えそうだ。

第2シードの太田彪雅(東海大学4年)は初戦で、超高校級の斉藤を迎え撃つ予定だったが、斉藤の欠場により、代わった髙橋翼(作陽高校3年)との対戦となった。髙橋は全国高等学校柔道選手権大会のチャンピオン、そして、昨年の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)柔道競技大会でも決勝で斉藤と真っ向勝負をして会場を沸かせた選手。技の切れと巧さを併せ持つ太田を相手にどこまでできるか分からないが、太田が、髙橋の技を安易に受けてしまうようなことがあると、アップセットの可能性も。とは言え、普通に考えれば、太田の勝ち上がりが順当と言えるだろう。

続く熊代と佐藤和哉(日本製鉄)の一戦も興味深い。昨年の全日本柔道選手権大会では、両者反則負けという不名誉な結果に終わっているだけに、今回は、両者しっかりと決着を付けたいところだ。

熊代が勝ち上がったとして、太田と熊代の対決は昨年11月以降に2度あり、講道館杯は熊代が出足払「技あり」で優勢勝ち、そして、柔道グランドスラム大阪2019では太田が反則勝ちしており五分五分。31歳のベテラン・熊代が東海大学の教え子でもある太田を破るのか、それとも太田がコーチを超えて、決勝に進むのか。いずれが上がったとしても、決勝はやはり同門・東海大学OBである影浦との一戦となる。

決勝も同門対決ということで、お互いにやりにくい一戦となりそうだが、影浦とすれば、負けるわけにはいかない。2月の柔道グランドスラム・パリで絶対王者テディ・リネール(フランス)を倒したのが、真の実力であることを証明するためにも、まずはこの大会で力の差を見せつけて優勝したい。

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柔道チャンネル「全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)」について
2020年(令和2年)4月4日(土)〜5日(日)、福岡県の福岡国際センターにて開催の「2020年全日本選抜柔道体重別選手権大会」。本大会は、公益財団法人全日本柔道連盟が主催する大会で、東京五輪(柔道)代表選手の最終選考となる重要な大会です。「2020年全日本選抜柔道体重別選手権大会」では、まだ代表選手が決定していない男子66kg級の選手たちが、代表の座を賭けて戦いを繰り広げます。柔道選手たちによる激戦はもちろん、柔道チャンネルでは試合の様子や結果を随時掲載して参りますので、合わせてご覧下さい。 柔道チャンネルは、全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)に出場される選手の方々を応援しています!
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