全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年) 大会の見どころ 女子

全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年) 大会の見どころ 女子

全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年) 大会の見どころ 女子
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全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)をさらに楽しむ、男女階級別の見どころポイント!「全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)」大会の見どころ-女子-

全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)の女子柔道について、各階級別の見どころポイントをご紹介します。

※掲載内容は、2020年3月26日時点のものです。 ※直近3年間の大会成績をリンクしています。

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女子48kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
3回戦
古賀若菜 vs 角田夏実

この階級の東京五輪(柔道)代表が2017年ブダペスト世界柔道選手権大会優勝の渡名喜風南パーク24)に決まり、今大会は、次のパリ五輪に向けた戦いのスタートということになると同時に、まずは東京五輪(柔道)後の勢力図を作る大会と言えるかもしれない。

第1シードの角田夏実了德寺大学職員)は、言わずと知れた巴投と関節技のエキスパートで、そもそも52kg級だったが、東京五輪(柔道)出場の可能性を求め、昨年の講道館杯全日本柔道体重別選手権大会(以下、講道館杯)から48kg級に階級変更した選手。その講道館杯はオール一本勝ちで制したものの、続く柔道グランドスラム大阪2019は優勝を逸して3位。残念ながら代表は逃す結果となった。とは言え、2017年ブダペスト世界柔道選手権大会52kg級準優勝の実力は48kg級でも変わりなく、もともと48kg級の選手たちにとっては脅威の存在となりそうだ。

角田は初戦で山﨑珠美(自衛隊体育学校)、勝ち上がれば、講道館杯2位の渡辺愛子(東海大学1年)、もしくは小倉葵(環太平洋大学4年)と準決勝で対戦することとなる。講道館杯での戦いぶりを見る限り、角田の勝ち上がりは濃厚と見て良さそうだ。

別ブロックは、第2シードの古賀若菜(南筑高校3年)が最近の実績でずば抜けている。昨年4月の全日本選抜柔道体重別選手権大会(以下、選抜体重別)で優勝すると、11月の柔道グランドスラム大阪で3位、今年2月の柔道グランドスラム・パリで2位と、シニアでもトップクラスの実力であることを証明している。

今大会は、初戦が吉岡光(八千代高校2年)、勝ち上がれば、近藤亜美三井住友海上)対遠藤宏美(綜合警備保障:ALSOK)戦の勝者との対戦となる。2014年のチェリャビンスク世界柔道選手権大会で優勝してから早5年。最近は結果が出せずに苦しんでいる近藤と、やはりケガなどにより力を出せない大会が続いている遠藤。どちらが準決勝に勝ち上がったとしても、新進の古賀の快進撃を許すわけにはいかない。しかし、伸長著しい古賀の勢いを止めることができるか?

決勝は最近の実績を見る限り、角田vs古賀が濃厚。昨年の講道館杯3回戦で初対戦したときには、角田の伝家の宝刀・腕挫十字固に、成すすべなく敗れた古賀だが、今大会は果たして角田の巴投からの腕挫十字固という必殺の攻撃パターンから逃れることができるか。そして、タイミングの良い足技と、そこからつなげる内股や背負投など、スピードあふれる攻撃で角田を翻弄できるのか。興味深い一戦となりそうだ。

女子52kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
決勝戦
内尾真子 vs 立川莉奈

阿部詩日本体育大学1年)が東京五輪(柔道)の代表に決まり、無念の涙を流した志々目愛(了德寺大学職員)が今大会の第1シード。

志々目は2017年ブダペスト世界柔道選手権大会金メダリスト。もし阿部がいなければ、東京五輪(柔道)代表になれていた可能性は高く、出場すれば、金メダル候補の最右翼となっていたと言っても言い過ぎではないだろう。ケガにより戦線離脱を余儀なくされた時期もあったが、それでも最後まで東京五輪(柔道)代表を目指して戦い抜き、阿部を苦しめてきた。果たして、気持ちを切り替えてリスタートできるか、この階級のトーナメントの行方は、そこにかかっていると言って良いだろう。

志々目の初戦の相手は、川田歩実(修徳高校2年)。昨年の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)柔道競技大会と全日本ジュニア柔道体重別選手権大会(以下、全日本ジュニア)で優勝し、ジュニア世代期待の選手。実力的には志々目が一枚上手と思われるが、逆に川田が志々目に対してどこまで戦えるのかに注目したい。

志々目が川田に勝つと、次は立川莉奈(福岡県警察)対武田亮子(龍谷大学3年)の勝者。立川と武田は、昨年の講道館杯準決勝でも対戦しており、そのときは立川が内股「技あり」で勝っている。今回もわずかに立川優位と思われるが、昨年の全日本学生柔道体重別選手権大会(以下、全日本学生体重別)で優勝するなど、大学生になってから着実に力を付けてきている武田の勝機も十分にある。ただ、立川と武田のどちらが上がったとしても、地力では志々目が上で、気持ちの切り替えさえしっかりとできていれば、志々目の決勝進出は堅いと言える。

反対側のブロックからは、第2シードの前田千島(三井住友海上)の勝ち上がりが予想される。前田は、2018年の講道館杯で優勝している他、昨年11月の柔道グランドスラム大阪で3位、今年1月の柔道グランプリ・テルアビブで優勝するなど、しっかりと力を付けてきている。昨年7月の柔道グランプリ・ブダペストではリオデジャネイロ柔道競技(五輪)金メダリストのマイリンダ・ケルメンディ(コソボ)にも勝っており、粘り強い柔道が特徴。

前田は、初戦の坪根菜々子(福岡大学2年)に勝つと、内尾真子(自衛隊体育学校)対郡司風花(帝京大学4年)の勝者と戦うことになる。前田は昨年の講道館杯準決勝で内尾に「指導3」の反則負けを喫しており、その内尾は前田に勝ったあと、決勝で立川を破り初優勝を果たした。前田と内尾の一戦は接戦が予想されるが、現在の実績ではやや前田が優位と思われる。

決勝は、順当であれば、第1シードの志々目と第2シードの前田の対戦となると思われる。両者は2018年の柔道グランドスラム大阪の3位決定戦で対戦しており、そのときは、志々目が背負投で「技あり」を奪って勝っている。内股の印象が強い志々目だが、実は担ぎ技や足技も巧い。切れ味鋭い立ち技を武器にする志々目か、それとも背負投からの寝技でしぶとく勝負する前田か。ここはしっかりと優勝して2番手のポジションを確保し、前を独走する阿部の背中を追いかけたい。

女子57kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
決勝戦
玉置桃 vs 舟久保遥香

この階級は、芳田司コマツ)が東京五輪(柔道)代表となり、代表を争ってきた玉置桃(三井住友海上)が今大会の第1シード。そして、昨年の講道館杯で玉置と決勝を争った舟久保遥香(三井住友海上)が第2シードとなっている。

まず、玉置のブロックに注目すると、玉置の初戦の相手は昨年の講道館杯3位の柴田理帆(JR東日本)。講道館杯では内股が冴え、勝った4試合のうち3試合は内股で「技あり」を取っている。どちらかと言うとオーソドックスな柔道の柴田と、意表を突く攻撃が得意な玉置。この一戦は、粘り強さとしぶとさで玉置が優位と思われる。

玉置が勝ち上がれば、続く準決勝は、若い西尾果連(山梨学院大学1年)と35歳のベテラン宇髙菜絵(コマツ)の対戦の勝者との対決となる。2014年チェリャビンスク世界柔道選手権大会で、世界女王になって5年半。パワフルでアグレッシブな柔道が持ち味だった宇髙だが、最近の試合を見る限り、後半は目に見えて力が落ちる。とは言え、疲労が蓄積するまでは、一時代を築いたパワフルな技が健在で、短期決戦であればまだまだ強さを発揮する。1回戦を経験でクリアしたとしても、玉置との準決勝で同様の展開は厳しいと思われる。後半になればなるほど、しぶとさが増す今の玉置を破るのは至難の業と言えそうだ。

一方、第2シードの舟久保は1回戦で新進の中水流りり(渋谷教育学園渋谷高校3年)と対戦。講道館杯では得意の内股が冴えていた中水流だが、準々決勝の玉置に腕挫十字固で一本負け。敗者復活戦でも宇髙に大外刈と肩固の合技で敗れ、シニアトップクラスの壁の高さを実感したと思われる。21歳とは言え、世界ジュニア柔道選手権大会(以下、世界ジュニア)3連覇、シニアの国際大会でもメダルを獲得している舟久保を相手にどこまでできるか。21歳ながら社会人3年目の舟久保にすれば、しっかりと力の差を見せておきたいところだ。

1回戦最後の試合は、昨年の講道館杯3位の鶴岡来雪(コマツ)と昨年の選抜体重別3位の富沢佳奈(東海大学2年)。これまでの実績では富沢のほうが優るが、鶴岡が講道館杯のような粘り強い柔道をしてくると簡単な決着とはならないだろう。勝ったほうが準決勝で舟久保と対戦することになると思われる。富沢は大学1年生時の全日本ジュニアの決勝で、舟久保に反則勝ちしており、立ち技の切れ、力強さでは富沢が上回る。しかし、舟久保の強みはしぶとさと寝技。最近の戦い方を見ると、その強みに磨きがかかっているようだ。

決勝は、順当であれば講道館杯と同様、玉置と舟久保が妥当な予測と思われる。講道館杯では、ゴールデンスコア(延長戦)と合わせて8分5秒の長い試合の末、玉置が普段の練習で見せたことのない左袖釣込腰で「技あり」を奪って優勝。敗れた舟久保は、試合後悔しさのあまり大粒の涙を流したが、あの悔しさを今回の大会で晴らすことができるのか。いつも一緒に練習をし、手の内を知り尽くしているだけに思いも複雑だろうが、これがまさに勝負の世界の厳しさと言えるだろう。果たして、今回はどちらが勝負の厳しさを感じることになるのだろうか。

女子63kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
決勝戦
鍋倉那美 vs 土井雅子

この階級はリオデジャネイロ柔道競技(五輪)代表の田代未来(コマツ)が2大会連続の代表となり、後半、激しい追い上げを見せたもののわずかに及ばなかった鍋倉那美(三井住友海上)が今大会の第1シード、そして柔道グランドスラム大阪2連覇で勢いに乗りながら、柔道グランドスラム・パリで準々決勝敗退し(3位)、代表戦線から離脱した土井雅子(JR東日本)が第2シード。

鍋倉の初戦は津金恵(パーク24)。最近の勢いからすれば、圧倒的に鍋倉に分がある。昨年の講道館杯準々決勝の対戦では、鍋倉が隅落「技あり」で勝っており、気持ちの切り替えさえできていれば、問題なく鍋倉が勝ち上がると思われる。続く準決勝で鍋倉と対戦するのは、浦明澄(日本体育大学1年)対山口葵良梨(大牟田高校3年)の勝者。昨年の講道館杯の敗者復活戦で対戦した際は、浦が主導権を握り、「指導」2つを取ったあと、袈裟固で一本勝ちしている。順当であれば、浦が勝ち上がり鍋倉との対戦となるだろう。現時点の実績ではやはり鍋倉優位。ただ、浦は今後上位に食い込んでくる可能性の高い選手だけに、この試合はどちらにとっても重要な一戦となりそうだ。

反対側のブロックは第2シードの土井が最有力と思われるが、意外と混戦となる可能性もありそうだ。土井の1回戦の相手は能智亜衣美(了德寺大学職員)。負傷の立川桃(東海大学1年)に代わって出場することになった。2016年~2018年あたりは、選抜体重別で優勝している他、グランプリやグランドスラムでも金メダルに輝き、世界柔道選手権大会の代表候補に名を連ねたが、このところはまったく実績を出せていない。同い年の土井を相手に、このチャンスを活かすことができるかに注目したい。ただ、現時点の実力は土井が優ると思われる。

能智を破ると、次は幸田奈々(帝京科学大学4年)対山本杏(パーク24)の勝者。ともに、昨年の講道館杯で3位入賞を果たしている選手。担ぎ技を得意とする山本か、足技と、崩してからの寝技で決める幸田か。どちらにしても土井にとって、楽な試合ではなさそうだ。山本には昨年の講道館杯の準々決勝で反則勝ち。幸田には一昨年の講道館杯の決勝で大外刈「技あり」で勝っている土井だが、果たして今回も同様に勝ち上がれるか。

現時点の実力を考えれば、決勝は鍋倉対土井と考えるのが妥当であろう。そして、両者の対決は、昨年の講道館杯決勝の再戦。そのときは、10分56秒に及ぶ接戦の末、土井の「指導3」(鍋倉は指導2)による反則負けで決着がついている。両者とも得意技は内股と寝技で、粘り強さが身上。今大会も消耗戦となる可能性は大きい。東京五輪(柔道)を目指して届かなかった両者。果たして気持ちをしっかりと切り替えて、今大会に臨めるのはどちらか。今大会は技術以上に、気持ちが勝負の分かれ目となりそうだ。

女子70kg級

柔道グランドスラム大阪2019
決勝戦
大野陽子 vs K.POLLING

2017年ブダペスト世界柔道選手権大会優勝、2018年バクー世界柔道選手権大会優勝の新井千鶴(三井住友海上)が東京五輪(柔道)代表となり、新井と五輪代表を争ってきた大野陽子(コマツ)と新添左季(自衛隊体育学校)にとっては再出発の大会となる。

第1シードの大野は現在30歳ながら、全日本のトップクラスで活躍し始めたのが遅かったこともあり、まだまだ十分にトップでやれる力を持っている。実際に、2月の柔道グランドスラム・パリでも世界の強豪を破り、さらに決勝では新添に一本背負投で一本勝ちして連覇を達成している。今大会でも衰えを知らないパワフルな柔道を見せてほしいところだ。

大野の初戦の相手は青柳麗美(環太平洋大学4年)。全日本学生体重別では3年連続3位。全日本ジュニアでは2度優勝しており期待されている若手の一人ではあるが、あと一歩伸び悩んでいる印象。実績的には、まだまだ大野が上ではあるが、最近、トーナメント序盤での思わぬ敗戦も多くなってきている大野だけに、番狂わせも考えられる。

大野が初戦を問題なく勝ち上がると、次は、宇野友紀子(JR東日本)対朝飛真実(桐蔭学園高校3年)の勝者。宇野が上がってきた場合、宇野は昨年の講道館杯2回戦(初戦)で苦杯を喫している相手だけに大野としても、慎重な柔道が求められる。アグレッシブな攻撃が特徴の大野だが、懐の深さと返しの巧さに定評のある宇野に対してどんな作戦で挑むのか。大野にとって正念場の試合となりそうだ。

反対側のブロックは第2シードの新添が最有力ながら、田中志保(環太平洋大学3年)も要警戒の選手だ。田中は、昨年の講道館杯では準決勝で新添を大内刈「一本」に下し、さらに決勝では、大野を破って勝ち上がってきた宇野に「指導3」の反則勝ちで優勝している。新添と田中の実力はほぼ互角と考えられ、この一戦、次代のエース候補による重要な試合と言っても良いかもしれない。

決勝は、現在の階級内の順位を考えれば、大野対新添が無難な予想だと思われるが、宇野対田中という、講道館杯同様のカードとなる可能性も十分に考えられる。ベテラン・大野がまだまだ健在であることを証明できるか、それとも、新添、宇野、田中で新しい勢力図を作るのか。この階級は波乱もありえる。

女子78kg級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
準決勝戦
梅木真美 vs 泉真生

2018年のバクー世界柔道選手権大会でチャンピオンになり、世界柔道選手権2019東京大会でもファイナリストとなった濵田尚里(自衛隊体育学校)が東京五輪(柔道)の代表となり、代表を逃した梅木真美(綜合警備保障:ALSOK)が第1シード。第2シードには、2019年柔道グランドスラム大阪3位の泉真生(コマツ)が入った。

梅木は2015年アスタナ世界柔道選手権大会でチャンピオンになっており、2016年のリオデジャネイロ柔道競技(五輪)ではヒザのケガもあり無念の初戦敗退だったが、翌2017年のブダペスト世界柔道選手権大会で決勝進出を果たし、ラッキーな優勝ではなかったことを証明した。リオデジャネイロ柔道競技(五輪)の悔しさを晴らすのは東京五輪(柔道)しかないと、五輪出場を目指してきたが届かなかった。25歳の梅木と濵田は4歳違い。両者は世界のトップになるまでの過程でも大きな差があり、同じようには考えられないが、年齢的には梅木が次の五輪が狙えないわけではない。この大会での奮起を期待したいところだ。

梅木の1回戦は、高校生の平野友萌(富士学苑高校2年)。全国高等学校総合体育大会(インターハイ)柔道競技大会では78kg超級で準優勝しており、昨年の講道館杯は、3回戦で髙山莉加(三井住友海上)に巴投、敗者復活戦でも佐藤瑠香(コマツ)に大外刈で敗れている。まだトップを脅かすような存在とは言い難いが、思い切りの良い柔道を見せてほしい。

梅木の次の試合は、髙山対佐々木ちえ(東京学芸大学2年)の勝者。昨年の講道館杯の3位決定戦で両者は対決しており、そのときは延長戦の末、髙山が払腰で一本勝ちしている。思い切りの良い柔道が魅力の佐々木だが、地力ではまだ髙山のほうが上という印象だ。

泉の1回戦の相手は梅津志悠(三井住友海上)。昨年の講道館杯3回戦で両者は対戦しており、泉が小外掛で一本勝ちしている。実力的にはそれほど差はないと思われ、接戦が予想される。とは言え、相性的に泉優位か。

最後の1回戦は、和田梨乃子(三井住友海上)と黒田亜紀(富士学苑高校3年)。昨年の全日本ジュニアの決勝で戦っている両選手だが、そのときは黒田が内股で一本勝ち。ただ、そのあとの世界ジュニアでは、直接対決はなかったものの和田が2連覇を達成している。シニアの国際大会でも経験を積んできているため和田がやや優位と思われる。

準決勝は、梅木対髙山、泉対和田の対戦が予想される。まず梅木と髙山の一戦は、今までの実績で考えれば梅木優位と思われるが、髙山は一昨年の選抜体重別では、梅木、佐藤、濵田にオール一本勝ちで優勝しており、波に乗ると思わぬ力を発揮する。初戦の佐々木戦の勝ち方次第では、2年前の再現もありえる。泉対和田は、昨年の柔道グランドスラム大阪の3位決定戦と同カード。そのときは隅落「技あり」で泉が勝っている。この試合も接戦が予想される。

シード順通りであれば、梅木対泉の決勝となるが、この階級は、それほど実力差がないため、全体的に混戦が予想される。すんなり梅木が優勝するのか、それとも中堅選手が抜け出すのか。

女子78kg超級

2019年度
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
決勝戦
冨田若春 vs 山部佳苗

この階級は、昨年の世界柔道選手権2019東京大会でチャンピオンに輝き、11月の柔道グランドスラム大阪でも優勝を遂げた素根輝(環太平洋大学1年)が早々に東京五輪(柔道)代表に内定している。

今大会の優勝候補は第1シードの朝比奈沙羅(パーク24)。実力的には頭ひとつ抜けた存在と言える。2018年バクー世界柔道選手権大会で優勝した朝比奈も東京五輪(柔道)を目指した一人ではあるが、すでに11月に決定してしまったため、気持ちは切り替えられていると思われ、医者を目指し「学業との両立」という新たな目標を持って今大会に臨むことになる。

朝比奈の初戦の相手は、粂田晴乃(筑波大学3年)。講道館杯では3位入賞を果たしている。受けは強いものの、攻撃力があるというわけではなく、朝比奈とは少し力の差があるため、朝比奈が順当に勝ち上がると思われる。準決勝で朝比奈と対戦するのは、秋場麻優(環太平洋大学4年)対山部佳苗(ミキハウス)の勝者。リオデジャネイロ柔道競技(五輪)銅メダリストの山部は講道館杯後にヒザのケガの手術をしたが、3月初旬にあった皇后盃全日本女子柔道選手権大会の近畿予選では優勝しており、回復は順調な様子。足技と払腰、内股など抜群の技の切れを誇る選手だけに、完全復活を期待したい。

秋場は2018年の講道館杯で優勝したものの、コンスタントに実績を残せるまでにはなっていない。78kg超級としては小さめの体を活かした、フットワークの良い攻撃が持ち味だが、復活した山部を切り崩すことができるか。山部の復調具合次第ではあるが、準決勝は、朝比奈対山部となる可能性が高い。

朝比奈と山部は昨年の選抜体重別の1回戦で対戦しており、そのときは朝比奈が延長戦の末、払腰「技あり」で優勢勝ちしている。順当であれば、朝比奈がやや優位。しかし、足技の切れが戻っていれば、ベテラン山部の復活もあり得る。

反対側は若手中心のブロックとなった。この中で最有力なのは、昨年の講道館杯を制した冨田若春(コマツ)で第2シードとなっている。冨田は165cmとこの階級では小柄ながら、体落や背負投に切れがあり、大きな相手をそれほど苦にしない。初戦で井上あかり(JR東日本)、勝てば児玉ひかる(東海大学1年)対高橋瑠璃(山梨学院大学1年)の勝者と戦うことになる。両者は昨年の全日本学生体重別の決勝で対戦し、児玉が大外刈で一本勝ちしており、この対戦においても児玉優位と思われる。児玉は、ジュニア時代は素根と良い勝負をしていたが、すっかり水をあけられている。新天地・東海大学で2年目となる今年、この大会から新生・児玉を見せることができるか。恵まれた体を活かした豪快な技に期待したいところだ。

冨田と児玉は、昨年の皇后盃全日本女子柔道選手権大会の準々決勝で対戦し、冨田が内股透で勝っているが、出会い頭の印象は否めず、両者の力の差はそれほどないので、接戦となりそうだ。

決勝は、朝比奈対冨田か児玉のどちらかだと思われるが、どちらが上がってきたとしても朝比奈優位は動かない。素根の出ていないトーナメントで、朝比奈が負けるわけにはいかない。

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柔道チャンネル「全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)」について
2020年(令和2年)4月4日(土)〜5日(日)、福岡県の福岡国際センターにて開催の「2020年全日本選抜柔道体重別選手権大会」。本大会は、公益財団法人全日本柔道連盟が主催する大会で、東京五輪(柔道)代表選手の最終選考となる重要な大会です。「2020年全日本選抜柔道体重別選手権大会」では、まだ代表選手が決定していない男子66kg級の選手たちが、代表の座を賭けて戦いを繰り広げます。柔道選手たちによる激戦はもちろん、柔道チャンネルでは試合の様子や結果を随時掲載して参りますので、合わせてご覧下さい。 柔道チャンネルは、全日本選抜柔道体重別選手権大会(2020年)に出場される選手の方々を応援しています!
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