平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会

大会直前特集

東京世界柔道選手権大会代表選手の最終選考会をかねる「平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会」。階級別の見どころについてご紹介します。

平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会の見どころ
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※掲載内容は2019年3月時点のものです。

女子48kg級

2018年バクー世界選手権 決勝 渡名喜風南 vs D.BILODID

2018年バクー世界選手権
決勝
渡名喜風南 vs D.BILODID

48kg級は、2017年ブタペスト世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)優勝の渡名喜風南(パーク24)、2014年アスタナ世界選手権優勝の近藤亜美三井住友海上)、同い年の世界王者2人が優勝候補として、第一、第二シードに配された。

渡名喜は2018年9月のバクー世界選手権後、11月の柔道グランドスラム大阪と2019年2月の柔道グランドスラム・デュッセルドルフに出場し、両大会ともに優勝。148cmと小柄ながら抜群の運動能力の高さで、相手の動きに対応しつつ、切れのある足技を武器に、世界選手権以降は負けなしだ。

一方、近藤は2018年11月の講道館杯全日本体重別選手権大会(以下、講道館杯)で2回戦敗退。さらに11月の柔道グランドスラム大阪で3位、12月の柔道ワールドマスターズ・広州で準優勝となかなか優勝できない状況が続いていたが、2019年2月の柔道グランドスラム・パリではオール一本で優勝。久々の優勝で勢いを付け、今大会を迎えることとなる。

順当であれば、渡名喜と近藤の決勝対決になると予想される。現在、世界の頂点に立つのはダリア・ビロディド(ウクライナ)。2018年以降、国際大会で連戦連勝、バクー世界選手権も圧倒的な内容で優勝しており、日本人選手にとって高い壁となっている。ビロディドと渡名喜の戦績は3戦3敗で、近藤は未対戦。172cmの長身から繰り出す大内刈、長い手足を活かしての寝技など、日本人選手にとっては脅威の的となっている。 打倒・ビロディドを成し遂げられる日本人選手は誰なのか。そのあたりも代表選出のカギとなりそうだ。

若手にも注目したい。第四シードの芳田真(比叡山高校3年)は、57kg級世界女王の芳田司コマツ)の妹で、2018年11月の講道館杯では準々決勝で近藤を破り、その勢いで優勝を遂げている。同じく準優勝に輝いた古賀若菜(南筑高校2年)とともに、今大会での躍進が期待されている。

その他、2018年の全日本選抜柔道体重別選手権大会(以下、選抜体重別)優勝の山崎珠美(自衛隊体育学校)や、2018年の柔道グランプリ・ブタペスト優勝の遠藤宏美(綜合警備保障:ALSOK)もケガなどにより一時低迷していたが、復調の兆しを見せており、2人の戦いぶりも注目される。

女子48kg級トーナメント表

女子52kg級

柔道グランドスラム大阪2018 準々決勝 志々目愛 vs S.LKHAGVASUREN

柔道グランドスラム大阪2018
準々決勝
志々目愛 vs S.LKHAGVASUREN

52kg級は、2018年のバクー世界選手権チャンピオンで、11月の柔道グランドスラム大阪を制した阿部詩夙川学院高校3年)が、すでに東京世界選手権の代表に内定しているため今大会不出場。今大会は、東京世界選手権の2枠目の代表を目指しての戦いとなる。

有力候補としては、バクー世界選手権2位で、2017年ブダペスト世界選手権優勝の志々目愛了コ寺学園職員)と、同大会2位の角田夏実(了コ寺学園職員)の2人。阿部と志々目と角田、どの選手が出場したとしても、世界選手権では優勝を狙える実力を有するだけに、阿部が出ない2枠目争いと言えども、ハイレベルな戦いが予想される。

志々目はバクー世界選手権以降、国内大会でも国際大会でも、阿部以外の選手には負けておらず、とりわけ外国人選手には圧倒的な強さを誇る。この階級に代表の2枠目が与えられるかどうか、現時点では何とも言えないが、ここで遅れを取ることは、東京五輪(柔道)代表レースからの脱落を意味するため、熾烈な戦いとなる。

内股を中心に、立ち技に抜群の切れを持つ志々目と、巴投からの寝技を得意とする角田。全く異なるタイプ2人が最後に対戦したのは2019年2月に行なわれた柔道グランドスラム・パリの決勝戦で、そのときは角田の指導3反則負けにより、志々目に軍配が上がっている。ただ、実力的に大差がないのも事実で、今大会での結果が、代表権獲得への大きなアドバンテージになることは間違いない。

阿部を含め、3強の実力が突出している階級ではあるが、そのあとに続く選手たちの戦いぶりにも期待したい。

女子52kg級トーナメント表

女子57kg級

2018年バクー世界選手権 決勝戦 芳田司 vs N.SMYTHE-DAVIS

2018年バクー世界選手権
決勝戦
芳田司 vs N.SMYTHE-DAVIS

この階級のトップを走るのは、2018年のバクー世界選手権で優勝を果たした芳田司(コマツ)。156cmと、この階級では小柄だが、丁寧な組み手から繰り出す内股の破壊力は抜群で、立ち技から寝技への移行も早く、立ち技で一本を取れなくても、寝技で確実に仕留めるというのが、芳田の勝利の方程式だ。世界選手権後、2018年11月の柔道グランドスラム大阪では入賞を逃すも、12月の柔道ワールドマスターズ・広州、2019年2月の柔道グランドスラム・デュッセルドルフで優勝を果たしており、今大会で優勝候補の筆頭と言って間違いない。

芳田のあとを追うのが、玉置桃(三井住友海上)。2018年は8月のアジア競技大会 柔道競技(以下、アジア大会)で優勝し、バクー世界選手権団体でも優勝に貢献。11月の柔道グランドスラム大阪で2位、柔道ワールドマスターズ・広州で3位、さらに柔道グランドスラム・パリで3位と、出場したほとんどの大会でコンスタントに上位進出を果たしている。一言で言うと曲者で、どんな相手でも独自のリズムで試合を展開し、多様な技で翻弄する。柔道グランドスラム大阪の準決勝でも世界王者の芳田から、隅返で技ありを奪って勝利した。

その他では、第三シードの舟久保遥香(三井住友海上)と第四シードの富沢佳奈(東海大学1年)、若手の二人の活躍が期待される。舟久保は寝技を得意とする選手で、独特の返しから抑え込む変形の崩袈裟固(舟久保固)を使うことでも知られ、柔道グランドスラム大阪では3位に入っている。2018年11月の講道館杯で初優勝を飾った富沢の戦いぶりにも注目したい。

女子57kg級トーナメント表

女子63kg級

柔道グランドスラム大阪2018 3回戦 田代未来 vs J.TANG

柔道グランドスラム大阪2018
3回戦
田代未来 vs J.TANG

この階級、国内でトップに立つのは田代未来(コマツ)。巧みな足技に加え、思い切りの良い大内刈、内股の切れ味も鋭い。立ち技で崩して寝技で仕留める隙のない柔道が最大の魅力と言っても良いだろう。

この階級で世界の頂点に立つのは、クラリス・アグベニュー(フランス)。田代は、このアグベニューから2017年の柔道ワールドマスターズ・サンクトペテルブルクで白星を挙げている他、2016年リオデジャネイロ五輪(柔道)金メダリストのトルステニャク(スロベニア)に幾度となく勝利しており、実績的に最も金メダルの可能性の高い日本人選手として期待は大きい。田代自身もリオでの悔しさを来年の東京五輪(柔道)で晴らしたい、という気持ちも強いだけに、まずはこの大会で勝利し、東京世界選手権代表の座を確実にしておきたいところだ。

田代は、順当に行けば準決勝で能智亜衣美(了コ寺学園職員)と対戦する。能智は、2018年の選抜体重別で優勝するなど地力のある選手だけに、田代にとって厳しい試合となるだろう。

第二シードには2018年8月のアジア大会で優勝した鍋倉那美(三井住友海上)が配された。体力があり、粘り強い柔道が特徴。準決勝では、講道館杯2連覇、柔道グランドスラム大阪優勝、柔道グランドスラム・デュッセルドルフ3位の土井雅子(JR東日本)との対戦が濃厚。土井も着々と力を付けてきており、鍋倉との準決勝は接戦が予想される。

田代−能智、鍋倉−土井戦ともに際どい試合になることが予想されるが、現状では田代と鍋倉の決勝が順当な予想と思われる。技の田代、粘りの鍋倉。異なるタイプの一戦、果たしてどのような試合になるのか注目したい。

女子63kg級トーナメント表

女子70kg級

2018年バクー世界選手権 3位決定戦 大野陽子 vs M.PEREZ

2018年バクー世界選手権
3位決定戦
大野陽子 vs M.PEREZ

2018年のバクー世界選手権で2連覇を果たし、11月の柔道グランドスラム大阪でも優勝したことで、東京世界選手権代表を内定させている第一人者の新井千鶴(三井住友海上)は不出場。

今大会は、2枠目の可能性を狙う第一シードの大野陽子(コマツ)と第ニシードの新添左季(山梨学院大学4年)を中心に試合が展開される。

29歳のベテラン大野の一番の魅力は思い切りの良さ。豪快な内股や大内刈、大外刈など、決まったときは大いに観客を沸かせる。2018年11月の柔道グランドスラム大阪、12月の柔道ワールドマスターズ・広州では表彰台を逃したものの、2019年2月の柔道グランドスラム・パリでは見事優勝を果たし、健在をアピールしており、今大会も優勝候補の筆頭と見て良いだろう。

大野は、初戦で青柳麗美(環太平洋大学3年)、準決勝は順当に行けば朝飛七海(桐蔭横浜大学1年)と対戦。現在の力関係であれば、まだまだ大野が上と見られるが、準決勝の朝飛はここ一番で力を出すタイプだけにアップセットの可能性もある。

一方、新添は8月のアジア大会優勝、11月の柔道グランドスラム大阪3位、12月の柔道ワールドマスターズ・広州優勝、2月の柔道グランドスラム・パリ3位と全試合で表彰台に上がっており、長い手足を生かした内股や大外刈は切れ味鋭く、パワフルな外国人選手でも一発で畳に沈める力を持つ。ただ、若手成長株の田中志歩(環太平洋大学2年)との対戦は、楽な試合ではなさそうだ。2019年の東京世界選手権、そして2020年の東京五輪(柔道)の代表を勝ち取るために、大野、新添ともに負けられない試合となる。

女子70kg級トーナメント表

女子78kg級

柔道グランドスラム大阪2018 準決勝戦 M田尚里 vs 梅木真美

柔道グランドスラム大阪2018
準決勝戦
M田尚里 vs 梅木真美

第一シードは、2018年のバクー世界選手権を制したM田尚里(自衛隊体育学校)、第二シードは2015年アスタナ世界選手権優勝の梅木真美綜合警備保障:ALSOK)、第三シードは4度の世界選手権出場経験を持つ佐藤瑠香(コマツ)、そして第四シードは、2018年の選抜体重別で、梅木、佐藤、M田全員に一本勝ちして優勝を果たした高山莉加(三井住友海上)。

第一シードのM田は女子柔道界きっての寝技師。とりわけ関節技の巧さには定評があり、M田が寝技に入ると、観客が固唾を飲んで見入るシーンもたびたび。体幹が強く、バランスに優れていることも大きな特徴だ。2018年の世界選手権では、得意の寝技ではなく立ち技にこだわった試合をし、オール一本勝ちで優勝。世界選手権の大舞台で、新しい戦い方を見せる強さには度肝を抜かされた。

M田は初戦で鈴木伊織(環太平洋大学3年)を破れば、準決勝は昨年に一本負けした高山との対戦。果たして今年はどんな戦い方を見せるのか。

一方のブロックには梅木と佐藤が配された。2018年11月以降、両者は3度戦っており、11月の柔道グランドスラム大阪では決勝戦で佐藤、12月の柔道ワールドマスターズ・広州では決勝戦で梅木、そして2019年2月の柔道グランドスラム・パリでは3位決定戦で梅木に軍配が上がっている。梅木が3戦2勝1敗で勝ち越してはいるが、実力的に大差はない。両選手とも順当に勝ち上がれば準決勝で対戦することになる。何度も対戦し手の内を知る両者の対決だが、果たして今回はどのような試合となるのか。

決勝のカードは予想しづらいが、このところの実績から梅木−M田の新旧世界チャンピオン対決と予想。寝技の強い選手同士の対戦だけに、寝技の攻防も見応えがありそうだ。一本決着に期待したい。

女子78kg級トーナメント表

女子78kg超級

柔道グランドスラム大阪2018 準決勝 朝比奈沙羅 vs 素根輝

柔道グランドスラム大阪2018
準決勝
朝比奈沙羅 vs 素根輝

女子の最重量級は、選抜体重別と4月21日に行なわれる皇后盃全日本女子柔道選手権大会(以下、皇后杯)の結果を受けて世界選手権の代表が決定する。そのため、今大会は最終選考の第一弾という位置付けとなる。

代表枠を争うのは、2018年バクー世界選手権で悲願の初優勝を果たした朝比奈沙羅(パーク24)とアジア大会優勝の素根輝(南筑高校3年)の2人に絞られていると言って良いだろう。

176cm、135kgの恵まれた体躯を生かし、組み手で圧力をかけて試合を優位に進め、破壊力のある払腰、支釣込足で相手を畳にひねりつぶし、一本を取れなくても、そのまま抑え込み確実に仕留めるのが朝比奈の戦法。

朝比奈は初戦で、リオデジャネイロ五輪(柔道)銅メダリストの山部佳苗(ミキハウス)と対戦する。最近の戦績はパッとしない山部だが、足技や一発の技の切れは女子重量級随一と言われた選手だけに、現世界女王の朝比奈と言えども決して油断はできない。山部に勝てば、秋場麻優(環太平洋大学3年)と粂田晴乃(筑波大学2年)の勝者と対戦だが、どちらが上がってきても、朝比奈優位と見て良いだろう。

一方の素根は162cm、108kgと女子78kg超級においては小柄ながらも低身長ならではの安定感で、受けの強さが最大の武器。最近はパワフルな体落に磨きをかけてきている。初戦は、同じ福岡で凌ぎを削る児玉ひかる(敬愛クラブ)。そして、勝ち上がれば準決勝は、おそらく稲森奈見(三井住友海上)との対戦となる。どちらの選手にしても、いまの素根を崩せる技があるとは思えず、決勝には問題なく素根が進出すると思われる。

順当ならば朝比奈、素根の決勝対決。昨年のこの大会以降の対戦結果を見ると、選抜体重別、皇后盃、柔道グランドスラム大阪、3戦すべてで素根が勝利している。朝比奈に、打倒・素根の秘策はあるのか。それとも、素根が朝比奈を破り、東京世界選手権代表に王手をかけるのか。激闘の行方に注目したい。

女子78kg超級トーナメント表

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柔道チャンネル「全日本選抜柔道体重別選手権大会」について
2019年4月6日(土)〜7日(日)、福岡県の福岡国際センターにて開催の「全日本選抜柔道体重別選手権大会」。本大会は、公益財団法人全日本柔道連盟が主催する大会で、8月に日本で行なわれる東京世界柔道選手権大会の選考判断の対象となる重要な大会。この大会で各階級の出場選手がほぼ決まります。選手たちによる熱い戦いを、ぜひ会場やテレビでご覧下さい。また当サイトでは、大会の様子や結果を随時掲載して参りますので、合わせてご覧頂ければと思います。
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