著名な柔道家インタビュー

吉田秀彦 バルセロナ五輪(柔道)金メダリスト その2

1992年のバルセロナ五輪(柔道)において、見事金メダルを獲得し、2011年4月に実業団の監督として柔道界に復帰した吉田秀彦さん。 そんな吉田さんに柔道との出会いや五輪でのエピソード、これからの活動などを中心にお話を伺いました。

吉田秀彦氏

監督としての抱負

吉田秀彦氏この度、4月より実業団の監督として、柔道界に復帰することとなりました。

実業団でやるからには、会社の名前を上げていかないといけないし、結果で恩返しをしていきたいと思います。そのためには、選手達をある程度、管理してやりたいと考えています。

まずは、選手達の意識改革からやっていきたいですね。学生時代は、「やらされてる」っていう意識があるけど、いつかは「やらなきゃ」って、そう思うような選手を育てていかないといけない。

もちろん実業団である以上は、会社への貢献は柔道で勝つこと(結果)だという気持ちを選手達に植え付けていきたいですね。

監督というのは、カッコイイ名前だけど、実際にやるのは選手達だからね。選手達に良いアドバイスや良い環境作りをしてあげられるような監督でありたいと思います。

目標としては、実業団でトップになることですかね。まずは、三部から二部、そして一部へと一歩づつ上を目指すと最低3年は掛かるため、僕としての目標は最短5年でなんとか結果を出していきたいと考えています。

しかし、社会人で強くなる選手ってなかなかいないんですよね。要は大学で活躍しているやつが、社会人でも活躍してるケースが多いから、選手達の育成については今後の課題でもあります。

子供達の育成について

僕が「吉田柔道」を始めた目的は、強くなるか、ならないかは別として、柔道を通して人間形成をしっかり培ってもらい、社会に出たときにキッチリとした人間になって欲しいという気持ちからですね。

自分は柔道しかやって来なかったので、柔道の中でそういうものを見つけられるものだと思うから。毎年開催しているスポーツイベントの「VIVA JUDO!」を始めたのも同じきっかけですね。

「VIVA JUDO!」では、無料柔道教室などを通じて柔道をやったこと無い子供達に身近に感じてもらい、一緒に柔道ができる仲間と出会い、大人になっても仲間同士のキズナがずっと続くからね。

柔道だけではないが、礼儀作法とか仲間を大事にするなどスポーツを通して人間形成を培って欲しいと思います。

今後、日本柔道に期待すること

柔道はアマチュアスポーツですけど、柔道自体を夢のあるスポーツにしたいですね。

柔道やってたらこうなるんだとか子供たちに夢のあるところを見せないと柔道人口が増えないと思うし、今後は夢の持てる柔道にしていきたいですね。

柔道を始めるきっかけはやっぱり町道場だから、どんどん町道場をみんなでやってもらいたいですね。そういう体制を全日本柔道連盟やスポンサーをされている東建コーポレーションさんなどもそうですけど、皆の協力が必要じゃないかなと思いますよ。

そうすると、どんどん少なくなってきている柔道人口も、自然と発展していくのではないかと思います。その辺りをこれからどのように変えていくかが課題ですよね。

元首相の小泉さんの言葉を借りて使うなら「柔道界をぶっ壊す」ような感じですよね。いろんな革命をやっていかないといけないんですよ。柔道人気が少しでも出るようにしないと選手達は強くならない。

また、2012年4月から中学校にて「武道必修化」になって、柔道と触れ合う子供達が増えることや、今までと環境が変わることは良いことだと思いますよね。

しかし、必修になっても現状では町道場などの環境が少ないから、なんとか全柔連で環境作りなどのバックアップ体制を整えていって欲しいところですね。

若い世代へのメッセージ

吉田秀彦氏今の若い世代の人達には、自分が一生懸命やれるものを見つけて欲しい。それは親の助言であったり、自分の好きなことだったり、何でも良いので。

ただ、飽きたからやめるとかじゃなくて、なんだかんだ長く続けていけるものを自分で見つけて欲しいと思います。

そのなかでいい仲間と出会えたら最高じゃないですか。それが、僕はたまたま柔道であっただけで、柔道じゃなくてもそういうものを作ってもらいたい。

努力をしても返ってこないと思う子供がいるかもしれないけど、努力はした分だけ自分に返ってくるものなので、努力を惜しまないでやっていってもらいたいですね。

また、僕の座右の銘は「忍耐」です。吉村和郎先生(現、全日本柔道連盟強化委員長)の叱咤激励の言葉攻めにも必死に耐えてきましたよ。

でも、結果が出る、出ないにしろ、ひとつのことをずっと続けていくのって難しいんで、そこを頑張って歯を食い縛ってやると「道」って拓けてくると思うんですよね。

たまたま、僕は社会人まで柔道をやって来れたんですが、僕の仲間は他の世界で活躍しているやつも多いんですね。

やっぱひとつのことをやり通したやつは、社会に出てもうまくコミュニケーションが取れるし、仕事もしっかりできると思いますよ。

もう少し子供たちに歯を食い縛って頑張ってもらい、日本人の心を忘れずにやって欲しいですね。

※2011年3月現在


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