著名な柔道家インタビュー

  

西田優香2/2

長年女子52kg級を中村美里選手とともに牽引し、2016年11月講道館杯全日本柔道体重別選手権大会を最後に現役を引退。今は指導者として柔道にかかわっている西田優香氏に、これまでの柔道人生と今後の目標について伺いました。

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北京五輪(柔道)落選とライバルの出現

北京五輪(柔道)落選とライバルの出現

大学時代に出してきた結果から2008年北京五輪(柔道)女子52kg級日本代表の最有力候補と言われることもありましたが、結果は落選。

一度もその舞台に立つことなく引退した今から振り返ると、やはりこの北京のときに代表の座をものにすべきだったとは思いますが、大舞台に立つ資格が私になかったからこういう結果になったと考える部分もあります。あのとき私が出場していても金メダルを獲ることはできなかったでしょうね。

このときに女子52kg級日本代表に選ばれたのは中村美里選手でした。彼女とはその後何度も優勝を争うことになり、ライバルと言われるようになっていきます。私の柔道人生の中でライバルは中村選手だけでした。本当にたくさんの方に彼女との関係を聞かれるのですが、一言では言い表せないような、お互いに認め合って高め合ってきたライバルでもあり、仲間でもあるといった感じですね。

多くの人に支えられて歩んできた現役生活

多くの人に支えられて歩んできた現役生活

2012年ロンドン五輪(柔道)でも女子52kg級日本代表の座を逃し、ずっと悩みのタネだった左肘の手術を受ける決意をします。もしこの先の4年、2016年リオデジャネイロ五輪(柔道)まで現役を続けるのであれば、手術を受けるか背負投をやめるかしかないと医師からの診断を受けたからです。

その頃は左肘が月に1度くらいの頻度で脱臼していました。骨を止めている靱帯が切れてしまっていたので、組手をするだけで外れてしまうような状態でしたね。

無事手術が終わり、約1年後に復帰。リハビリ中は軽い練習ではカバーできない部分をウェイトトレーニングで補うと同時に、メンタルトレーニング、減量などにも取り組みました。この時期は様々な角度から柔道を見つめようとした時期でもあったので、自分の柔道の幅に広がりができたときだったと感じています。

復帰後は2014年全日本選抜柔道体重別選手権大会女子52kg級で優勝。その後、いくつかの大会で良い結果を残すことができました。そして、2016年11月講道館杯全日本柔道体重別選手権大会で畳を降りる決断をします。

実はその日、試合場の畳に上がるまで私自身引退するかどうかを決めていませんでした。しかし、いざ試合に臨むと戦いたくないと感じている自分がいました。その瞬間に私は投げられ、初戦で敗退してしまいます。

柔道という競技はやはり心技体が揃わないと勝てない競技なのだと痛感し、今の自分に畳に上がる資格はもうないと感じました。戦いたくないというところまで柔道に打ち込めたことは選手として最高に幸せなことだったと思います。

指導者の目で見る柔道と、柔道に志す人たちへのメッセージ

指導者の目で見る柔道と、柔道に志す人たちへのメッセージ

引退後、日本大学柔道部(女子部門)のコーチをさせて頂くことになり、柔道をする側から指導する側へと立場が変わり、柔道に対する考え方も変わりました。

選手だった頃はいかに早く強くなるかをいつも考え、無駄をできる限り省いていましたが、自分が無駄だと思っていたことが指導している学生にも当てはまるとは限りません。学生にとって必要なことと、無駄なことのバランスに気を付けて柔道と向き合うようになりましたね。

将来は、中学時代に柔道を教えて頂いた北爪弘子先生のような指導者になりたいです。人として当たり前のことを当たり前にする。それができて初めて柔道をする資格があるのだということを北爪先生からは教わりました。そのことを大切にして私も学生に指導していきたいと考えています。指導した学生が卒業するときに「柔道をやっていて良かったです」と言ってもらえるような環境づくりをすることも目標のひとつです。

3年後には東京五輪(柔道)が開催されます。日本の東京で行なわれる国際五輪(柔道)はまたとない特別な舞台です。今まさに柔道を始めようとしている、または柔道を頑張っているお子さんや学生、東京五輪(柔道)をピークで迎えられそうな選手、さらには私が現役で一緒に戦ってきた仲間など、みんなが1日1日を悔いなく過ごして、大舞台に立つ夢を実現してほしいです。

インタビュー:2017年6月

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今回は著名な柔道家インタビューとして西田優香氏にお話を伺いました。父は全日本柔道連盟の強化コーチ、母も柔道経験者という柔道一家に生まれた西田氏。気付けば柔道の道に進んでいたと語ります。中学・高校時代には合わせて4度の全国大会制覇を経験。次第に柔道の世界へと没頭していきます。順風満帆のように見えた西田氏の柔道人生ですが、それは左肘の怪我との戦いでもありました。2013年にはその左肘の手術を受け、約1年間のリハビリを余儀なくされます。それでも復帰初戦、2014年の全日本選抜柔道体重別選手権大会女子52kg級で中村美里選手との決勝を制し、復活優勝。現役生活を通じて輝かしい成績を収め続けました。インタビューでは今後の目標についても伺っています。決して平坦ではなかった西田優香氏の柔道人生を柔道チャンネルでお楽しみ下さい。

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