著名な柔道家インタビュー

  

金野潤2/2

2020年東京柔道競技(五輪)に向けての新体制で、その中心となる強化委員長に大抜擢された金野潤氏。
母校・日本大学で監督を務めて約10年、競技力の強化もさることながら、人間教育に重きを置く指導に定評があります。自身の選手時代から、東京柔道競技(五輪)への思いなどを伺いました。

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勝つことに執念を持てたのは、自分に能力がなかったから

勝つことに執念を持てたのは、自分に能力がなかったから

小川選手に勝つことにそこまで執念を持てたのは、おそらく自分に能力がなかったからだと思います。身体能力が秀でている訳じゃないし、勘が良い訳でもない。環境に恵まれていた訳でもないですからね。

ない尽くしだったので、逆に「何とかしなければ」という気持ちが湧きましたし、それは今でもあります。

日本大学の指導をするようになって、正直そんなに強い選手のいない中で何とかしなければならない。それでも、自分自身の柔道人生が何もないところからスタートしているから、諦めないで色々なことを考えながら、一歩一歩進んでいけば、必ずチャンスは回ってくる。それは学生たちにも繰り返し話しています。

まずは勝たなければならない、そして「何故勝たなければならないのか」という説明をします。言いたいことは、「努力に逃げてはいけない」ということです。

結果をとことん追求しないと、結局「頑張っているから良いでしょう」となってしまう。それでは勝つ方法は見つからない。「勝つ」と決めたら、そのための方法を考える。それは必ず社会に出て役に立つ。

変な話ですけど、内股がうまくなっても、社会で内股は役に立ちません。でも内股を覚えるために考えたこと、努力したこと、そのプロセスは必ず役に立つと思います。だから、「勝つ」ということを決めて、そこから過程を考える。

頑張っているうちに辿り着くのではないかという考え方では、一生勝てないと思いますね。

一生懸命やって失敗したときは、考えるチャンス

一生懸命やって失敗したときは、考えるチャンス

嘉納治五郎師範は、柔道の修行は「形」「乱取り」「講義」「問答」だとおっしゃっています。その中のひとつ、「問答」というものは、今でいう「コーチングカンバセーション」ですよね。

つまり、「問答」をすることによって、自分の中にあるものに気が付ける、自分の目標に気が付ける、ということ。その「問答」の大切さというのを分かっていない指導者が多いように思います。

もちろん、素晴らしい指導者もたくさんいらっしゃいます。しかし残念なことに少年柔道の指導の現場では「問答」にそぐわない指導の仕方をしている光景を目にすることがよくあります。「何故失敗したのか、考えてみろ」と自分で考えさせるのではなく、「何回言えば分かる、何故そんなことをするんだ、あれほど言っただろう」と叱責するだけの指導者が多い。

一生懸命やって失敗したときというのは、考えるチャンスなのです。でもそこで親や指導者が叱責し、答えだけを与えようとしてしまうケースが多い。

答えだけを与えるのではなく、自分で考えさせるようにしなければ成長しない。それは学生を指導するうえでも常に考えていますね。

東京柔道競技(五輪)を、日本柔道がさらに発展する分岐点にしたい

東京柔道競技(五輪)を、日本柔道がさらに発展する分岐点にしたい

今回、強化委員長のお話を頂いた際、私が強化委員長になって、監督を務める「日本大学柔道部の生徒たちは大丈夫だろうか」という心配もありました。ですが、私は自分の生徒たちに自信を持っているのでそれは大丈夫だろうと思い直し、強化委員長を引き受けました。また指導者として「私自身がもっと成長しなくてはならない」という気持ちもありましたね。

強化委員長をやっていくうえで、様々な視点からのアプローチの仕方を学ぶ必要がある、それをやりきるためにも自分自身を追い込むことで成長することができる。 それが生徒たちのためになる、という考えもあるのです。そのためには、本当にガムシャラにやらなければならないと思っています。 東京柔道競技(五輪)で日本柔道が期待されていることは、金メダルをいくつ獲るか、そして銀メダルや銅メダルをどれだけ獲るかということだと思います。

そのためには4年後を大きな分岐点にしなくてはいけないということ。分岐点に必要な要素は色々あって、もちろん結果もそうですし、ドラマチックさも必要でしょうね。そして、選手たちの持っているキャラクターであったり、考え方であったり、立ち居振る舞いであったり、色々なものが様々な人に大きな影響を与えると思います。

それはやはり強さとともに、周りからリスペクトされるような柔道界をアピールできるよう、柔道競技(五輪)で結果と内容をしっかり示して「日本柔道がこれから発展する大きな分岐点にしたい、しなければならない」と考えています。

インタビュー:2016年11月

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柔道大会情報や柔道家・選手紹介など、柔道に関する様々なコンテンツを発信する「柔道チャンネル」。「著名な柔道家インタビュー」では、日本の柔道界を支える柔道家達の貴重なインタビューをお届け致します。今回お話を伺ったのは、2020年東京柔道競技(五輪)に向けての新体制で、その中心となる強化委員長に大抜擢された金野潤氏。 母校・日本大学で監督を務めて約10年、競技力の強化もさることながら、人間教育に重きを置く指導に定評があります。自身の選手時代から、東京柔道競技(五輪)への思いなどを伺いました。
柔道好き必見の、金野潤強化委員長のインタビュー。ぜひご覧下さい。

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