著名な柔道家インタビュー

  

穴井隆将2/2

現役時代は数々のタイトルを獲得し、現役引退後は、副監督を経て、天理大学柔道部の監督に就任した穴井隆将氏。
指導者としての目線で気付いたこと、現役時代のエピソードや、これからの柔道界についてお話を伺いました。

これからの日本の課題

これからの日本の課題

日本の課題のひとつに「重量級」の再建というものがあります。
これからを期待するという点で言いますと、今回の世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)で優勝した100kg級の羽賀龍之介選手。
彼は、私がまだ現役で代表をしていた頃に、私を追いかけてくれていた選手の一人なので、早く出てきて欲しいという思いもありました。
世界選手権を優勝したことによって、世界中のマークも厳しくなると思うのですが、彼にはそれを切り抜けるセンスと強さが十分にあると思っています。
また、100kg超級に関しては、七戸龍選手を中心に王子谷剛志選手、原沢久喜選手と、選手が揃っていて、近年まれにみる競争心ができている状況です。
練習を重ね、選手同士が切磋琢磨しながら、全員が成長することで、「対世界」という目線で力を向上させることができるので、内々で「こいつには負けたくない」という泥臭さも必要ですね。
なので、これまで柔道を背負ってきた先輩方をはじめ、若い選手が育ってきた今は、強くなるチャンスであると思います。
今挙げた三選手が、テディ・リネール選手をはじめとする、世界中の100kg超級選手のことを視野に入れていくことで、さらに強くなるために手っ取り早いのではないかと感じています。

東京オリンピック アスリート委員会に参加して

東京オリンピック アスリート委員会に参加して

私が属しているアスリート委員会は、アスリートの目線を持って、オリンピックやパラリンピックをどのように盛り上げていくかということを考えるところです。
委員は選手として、オリンピック・パラリンピックに出場した方ばかりなので、経験者だからこそ感じることが、話し合いの中でたくさん出てきますね。
試合においてベストを尽くすということは、もちろん第一にあるのですが、それ以外にオリンピック、パラリンピックならではの、国際的な友好を深めるのも重要なことだと考えています。
また選手村で生活をするにあたっても、過ごしやすい環境を整えるなど、総合的な視野を持って、大会を盛り上げられたら良いなと思いますね。
私は、柔道の代表として会議に参加させて頂いていて、柔道選手の目線で話をしつつ、他の競技のオリンピアン、パラリンピアンの意見を聞いて、「あ、なるほど」と勉強させて頂くことも多く、とても良い機会だなと思います。
オリンピックにこういった形で参加させて頂くことができ、とても光栄です。

若き柔道家や世の中に向けてのメッセージ

若き柔道家や世の中に向けてのメッセージ

最近は、柔道人口が非常に減少しているとか、子どもたちの柔道離れが進んでいるなどというあまり良くないニュースばかりが伝わってくるのですが、表に出ないだけで、いろんな地方で、夢や目標に向かって努力している子どもたちが、たくさんいると思います。
彼らには、自分の夢や目標をきちんと明確にして、「そのために必要なことは何なのか」、「今の自分に足りないものは何なのか」といった一歩先を考えられる人間になっていって欲しいです。
努力を続けていった先に、結果が出るときもあれば、出ないときもあるので、必ずしも努力は報われるとは言えません。
しかし、「努力は無駄ではなかった」と思うことのできる日がきっと来ます。ですので、結果が出ようと出まいが、一生懸命努力し続けて欲しいと思います。

また、オリンピックで金メダルを取るというのは、いろんな選手の夢であり目標であると思います。
ただ、そのことを公言すると、とても大きなプレッシャーがかかります。
自分自身へのプレッシャーはもちろん、世の中の雰囲気からかかってくるプレッシャーもあります。
ですから、「あまり公言したくない」とか、「積極的に外に出していきたくない」とか、「できるだけそっとしておいて欲しい」というような傾向にあるのです。
しかし私は、選手に堂々と胸を張って、目標や夢というものを、多くの人に伝えて欲しいと考えています。

私たち大人は、子どもたちが、これからも柔道を続けて行ける環境を整えていかなければなりません。
例えば、「オリンピック」への夢や目標を公言した選手に対して、強いプレッシャーをかけるのではなく、日本国民全体で暖かい目線で見守って頂きたいです。
私自身、もっと努力をして、子どもたちが「柔道をやってきて良かった」と思えるように、今までの経験を活かした指導をしていきたいと考えております。

これからの柔道界について

これからの柔道界について

柔道人口が減っているということは、やはり人事ではないので、頭の片隅に常にあります。
柔道に関するニュースには、事故であったり、怪我の問題であったりというものが多く、「柔道=怖い・痛い」というイメージが付いてしまっていますよね。ですので、それ以上に柔道は、「感動や勇気を与えるものである」ということを前面に出していくことが大切だと思います。
もちろんそのためには、現実を直視して、事故へのきちんとした対応や、指導者の育成が必要になります。
これは嘉納治五郎先生が柔道を始められた当初に考えられたことですが、小学校の町道場の先生だけでなく、中学校、高校と進んでいく中で、教員として柔道家を育成するシステムというものができたら、子どもたちも一生懸命続けていけると思います。

私は指導者として、自分自身が現役時代でできなかったことも含めて、教え子に夢を託して一生懸命育てていきたいと考えています。
多くの方が苦労してきたことを、恩返しという形で、教員として生徒の育成に励んで行きたいです。
そして、子どもたちが「柔道をやっていて良かったな」と思えるような環境を作ることが、今の私の指導者としての目標ですね。

インタビュー:2015年9月

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