高藤直寿 強さの秘密

2016年のリオデジャネイロ柔道競技(五輪)で銅メダルを獲った男子60kg級の高藤直寿。金メダル候補と言われていただけに、3位で終わったことは悔しかったと言う。その悔しさをバネにして、高藤は猛練習を積んできた。2017年のブダペスト世界柔道選手権大会、2018年バクー世界柔道選手権大会を優勝するなど、結果はついてきている。高藤が五輪(柔道)で金メダルを手にする日も近い。

※2019年11月22日現在

高藤 たかとう  直寿  なおひさ

高藤直寿
生年月日
1993年5月30日
所 属
パーク24
出身道場
野木町柔道クラブ・大宮少年柔道同好会
出身大学
東海大学
2017年
  • 柔道グランドスラム・パリ 60kg級 優勝
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 60kg級 2位
  • アジア柔道選手権大会 60kg級 優勝
  • ブダペスト世界柔道選手権大会 60kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム東京 60kg級 優勝
2018年
  • 柔道グランプリ・ザグレブ 60kg級 優勝
  • バクー世界柔道選手権大会 60kg級 優勝
2019年
  • 柔道グランドスラム・パリ 60kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム大阪 60kg級 優勝

高藤直寿 とは

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柔道グランドスラム東京2017 表彰式

柔道男子60kg級の高藤直寿が一番欲しい物と言ったら「五輪(柔道)の金メダル」だろう。世界柔道選手権大会やグランドスラムを何度も獲っているので実績十分の選手だ。しかし、五輪(柔道)の金メダルを獲らない限り、柔道家として頂点に立ったとは言えない。

過去にチャンスはあった。2016年のリオデジャネイロ柔道競技(五輪)で優勝候補筆頭と言われながら、高藤はアミラン・パピナシビリ(ジョージア)に準々決勝で敗北。パピナシビリの繰り出した内股から変化した隅落で一本負け。なんとか3位決定戦に勝ち銅メダルは確保したものの、当然、満足とはほど遠い結果だった。

それから3年、やっと自身のプライドをかけたリベンジのチャンスがやってくる。それも地元日本で。2019世界柔道選手権東京大会に勝ち、11月の柔道グランドスラム大阪を制覇すれば、規定によって東京五輪(柔道)代表選手に内定する可能性は高い(強化委員の3分の2以上の賛成が必要)。東京五輪(柔道)で優勝すれば、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)のリベンジとともに、渇望する金メダルを獲得することができるのだ。

柔道グランドスラム東京2017

2013年、東海大学の2年生だった高藤は、リオデジャネイロ世界柔道選手権大会で優勝を果たす。大学1年の頃から柔道グランドスラム東京柔道グランドスラム・モスクワを制覇し、「日本に高藤あり」と国内外にその名を知らしめた。国内大会よりも国際大会で力を発揮することができたのだ。スピードと腕力があるのに加えて、技も切れて多彩である。そんな特長を高藤は国際大会で活かした。

小学生時代には、小学生学年別柔道大会で、5・6年生とも連続優勝。勝ったあと、両手を腰に当て仁王立ちになり、「どうだ」と言わんばかりの勝ち気な表情が印象的だった。

相手の内股、背負投を掬投で返して一本を取る、後の先の柔道が得意だった高藤。小学生の頃から技術の高さが際立っていた。

高藤の柔道スタイルを言葉で表すとしたら、「異能の業師」と言えるだろう。異能とは「他人にはない才能」のことである。なぜ高藤が異能なのかと言うと、独自の技を編み出して、その技を実戦レベルまで磨いてきたからだ。独自の技とは、肩車ややぐら投と大腰をミックスしたような、いわゆる「高藤スペシャル」や片襟から潜って担ぐ肩車(本人は直車と言う)、相手の胴を抱えて投げる変則の大腰など。高藤は優れた独創性を持っているのだ。

ただし、近年の高藤は異能な面だけではなく、オーソドックスな柔道も磨き上げた。また、かつては嫌いと言っていた寝技も猛練習している。

柔道グランドスラム東京2017

2017年の柔道グランドスラム・パリでは5試合中3試合を寝技で勝利。2018年のバクー世界柔道選手権大会でも6試合中4試合が寝技による勝利だった。異能の技術を下地にして、そこにオーソドックスな技と寝技を加えたことにより、高藤の柔道はオールラウンダー型に進化を遂げたのだ。

とは言え、高藤が今の強さにたどり着くまでには紆余曲折があった。高藤にとって苦い経験となったのが、2014年のチェリャビンスク世界柔道選手権大会だ。

この大会に高藤は絶対の自信を持って臨んだのだが、思わぬ結果となった。準決勝でベスラン・ムドラノフ(ロシア)に肩車で「有効」を奪われる。それでも、高藤は「高藤スペシャル」で「有効」を取り返し、なおも浮落で「有効」を奪うと逆転した。はずだったのだが、ジュリー制度(審判のジャッジが正しいかを監督する制度)によって2回目の有効が取り消されてしまう。さらに、高藤は2回目の有効が取り消されたことに気付かないという痛恨のミスを犯す。

そのあと、高藤は場外で「指導」を取られるが、有効を2回取ったと思いこんでいることから、まだ自分がリードしていると勘違いする。実際は、高藤が有効ひとつに対してムドラノフが有効ひとつと指導をひとつ取っているので、高藤はリードされていたのだ。そのまま試合が終了して、高藤は自らの勘違いにより負けてしまう。

柔道グランドスラム東京2017

大会後、高藤はA強化選手を外されB強化選手に降格。大会期間中の練習に度々、遅刻していたことが原因である。

2015年は全日本選抜柔道体重別選手権大会を初戦敗退してしまい、同年のアスタナ世界柔道選手権大会代表の座を志々目徹了徳寺大学職員)に奪われてしまう。

しかし、志々目はアスタナ世界柔道選手権大会で3位と振るわなかったため、「やはり高藤でないと勝てない」という関係者の声が出る。そして迎えたリオデジャネイロ柔道競技(五輪)最終選考会となる、全日本選抜柔道体重別選手権大会。高藤は優勝を逃したものの、これまでの国際大会での実績を買われて代表選手に選ばれた。

前述したように、リオデジャネイロ柔道競技(五輪)で高藤はパピナシビリに敗れて銅メダルに終わる。だが、この悔しさを糧にして次こそは金メダルを獲るために、高藤はより真剣に柔道に打ちこんでいったのだ。

柔道グランドスラム東京2017

金メダルを獲るために、高藤はまずは五輪(柔道)代表にならなければならない。ところが、高藤の国内大会での実績は、国際大会での目覚ましい実績と比べるとやや控えめである。国内大会では、他の選手から研究されていることや相手が高藤の嫌がる組み手で押してくることもあり、簡単には勝てないのかもしれない。

特に東海大学の後輩、永山竜樹(了徳寺大学職員)を苦手としている。2016年柔道グランドスラム東京、2017年全日本選抜柔道体重別選手権大会で、永山に負けているのだ。2019世界柔道選手権東京大会には永山も出場する。

もちろん、永山だけでなく海外選手にも警戒が必要だ。パピナシビリ、キム・ウォンジン(韓国)、ムドラノフは、高藤を破ったことがある。

この他には、エルドス・スメトフ(カザフスタン)、シャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン)、ロベルト・ムシビドバゼ(ロシア)らも強敵だ。

高藤が東京五輪(柔道)代表になれるかどうか、それは2019世界柔道選手権東京大会にかかっている。高藤か永山か、良い成績を残した方が東京五輪(柔道)代表選手に大きく近付く。2020年東京五輪(柔道)でリオデジャネイロ柔道競技(五輪)の雪辱を果たすため、まずは2019世界柔道選手権東京大会で結果を出したい。

※ 掲載内容は2019年6月30日までの実績とインタビューからの情報になります。

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