永山竜樹 強さの秘密

2018年の柔道グランドスラム大阪での優勝や、2019年の柔道グランドスラム・デュッセルドルフ、全日本選抜柔道体重別選手権大会での優勝など、数々の強敵を倒して好成績を残す60kg級の永山竜樹。世界選手権に3度目の出場となる永山だが、ライバルであり、東海大学の先輩である高藤直寿との東京五輪(柔道)代表争いにも注目が集まっている。相手の柔道スタイルに冷静に対応しながらも、豪快な投げ技を武器に東京五輪(柔道)で世界の頂点を狙う。

※2019年11月22日現在

永山 ながやま  竜樹  りゅうじゅ

永山竜樹
生年月日
1996年4月15日
所 属
了徳寺大学職員
出身道場
岩見沢柔道少年団
出身大学
東海大学
2017年
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 60kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム・エカテリンブルグ 60kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム東京 60kg級 3位
  • 柔道ワールドマスターズ・サンクトペテルブルク 60kg級 優勝
2018年
  • 柔道グランドスラム・デュッセルドルフ 60kg級 優勝
  • 柔道グランプリ・ブダペスト 60kg級 優勝
  • バクー世界柔道選手権大会 60kg級 3位
  • 柔道グランドスラム大阪 60kg級 優勝
2019年
  • 柔道グランドスラム・デュッセルドルフ 60kg級 優勝
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 60kg級 優勝
  • 東京世界柔道選手権大会 60kg級 3位
  • 柔道グランドスラム大阪 60kg級 2位

永山竜樹 とは

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2019年全日本選抜柔道体重別選手権大会 表彰式

2019世界柔道選手権東京大会で、永山竜樹は絶対に負けるわけにはいかない。2017年のブダペスト世界柔道選手権大会、2018年のバクー世界柔道選手権大会にも出場しているので、世界選手権は今回で3度目の出場。

この3回とも、60kg級は永山と高藤直寿パーク24)が代表選手として出場している。東京五輪(柔道)の代表選手枠をめぐって、これまでふたりは鎬を削ってきたのだ。

1回目のブダペスト世界柔道選手権大会に挑戦したのは、永山がまだ大学2年生のときである。2015年全日本ジュニア柔道体重別選手権大会、2016年講道館杯全日本柔道体重別選手権大会、2017年全日本選抜柔道体重別選手権大会で優勝するなど、永山は大学生のときから目覚しい活躍をしていた。こうした実績が買われて、ブダペスト世界柔道選手権大会の代表枠を獲得したのだ。

当時、全日本柔道男子強化チームの井上康生監督は、永山に関して「非常に楽しみな選手が出てきた。負けん気も強く、向上心も高い。もともと力はあるが、さらに伸びしろもある。身体は小さいけど、それを武器にしているのがすごい。彼にしかできない柔道がある」とコメントしている。

好調の波に乗って挑んだはずのブダペスト世界柔道選手権大会だが、3回戦に思わぬ落とし穴があった。2014年のチェリャビンスク世界柔道選手権大会を制したガンバット・ボルドバータル(モンゴル)に、隅落で「技あり」を奪われ無念の敗退。世界の壁が厚いということを、永山は痛感したことだろう。

柔道グランドスラム大阪2018

2回目となるバクー世界柔道選手権大会に挑む際も、永山は好調を維持していた。

2017年の柔道ワールドマスターズ・サンクトペテルブルク、2018年の柔道グランドスラム・デュッセルドルフ、同年の柔道グランプリ・ブダペストを連戦連勝。

バクー世界柔道選手権大会では順調に準決勝まで駒を進めた。準決勝の相手は、東京五輪(柔道)代表の座を争うライバル・高藤だった。

試合開始から50秒あたりで、永山が背負投で高藤を投げるもポイントにならず、試合は続行。担ぎ技を中心にして積極的に技を仕掛ける永山に対し、高藤は背負投のカウンター技にもなる抱分を狙う。試合は拮抗し、決定打が生まれないままゴールデンスコア(延長戦)に突入する。

鍔迫り合いが続くなか、小内刈を繰り出した高藤に「技あり」を奪われて、永山は悔しい敗けを喫する。

その後、永山は3位決定戦でイ・ハリム(韓国)に内股で一本勝ちして銅メダルを獲得。一方の高藤はこの大会を優勝し、ブダペスト世界柔道選手権大会から連覇を果たす。東京五輪(柔道)の切符争いで、永山はライバルに大きく差を付けられてしまったのだ。

これまで永山と高藤が大会で直接対決したことは4度ある。対戦成績は2勝2敗の五分。ふたりはライバルでもあるが、東海大学の先輩、後輩という関係でもあり、決して険悪な仲ではない。

柔道グランドスラム大阪2018

永山は偉大なる先輩である高藤を超えたいという気持ちが強い。2018年11月の柔道グランドスラム大阪後には「高藤選手と直接できなかったのは残念」と、また2019年4月の全日本選抜柔道体重別選手権大会後には「高藤選手とやりたかったという気持ちもある。直接対戦して勝ちたい」といったコメントを残している。

2019年5月に行なわれた、2019世界柔道選手権東京大会に参加する選手たちの記者会見の場で、永山と高藤はこんなやりとりをした。「永山選手が背中を追いかけてきてくれたので僕も頑張れた。最後にきっちり倒して感謝の気持ちを伝えたい」と高藤。これに対して「高藤先輩とあたるまでは目の前の試合に集中して、あたったら全力で倒しにいく」と、永山は返した。

このやりとりからは、お互いをリスペクトする気持ちが伝わってくる。永山と高藤は切磋琢磨して自己を高めあうライバル関係なのだろう。

2019世界柔道選手権東京大会で永山が勝てるかどうかは、得意とする投げ技の冴えにかかっている。永山のポリシーは「投げ技で一本を取ること」。このポリシーを持っているから、寝技の練習を少なくして、その分の時間を投げ技の練習に使うのだ。

156cmと最軽量カテゴリの中でも小柄な身長ながら、圧倒的なパワーで戦う。体格を活かした切れ味鋭い背負投、一本背負投が武器で、左右どちらも担げる器用さも魅力のひとつだ。

大成高校や東海大学で永山と練習をともにしてきた人たちは、「永山は非常に身体能力が高い。普段の稽古でも感じるが、一緒にトレーニングをしていると同じ量をこなしているはずなのに、つく筋肉量が全然違う。それもひとつの才能だと思う」と評価する。

2019年全日本選抜柔道体重別選手権大会

破壊力抜群の投げ技を生み出すのは、その驚異的な腕力だ。永山は、ウェイトリフティングでは100kgを軽々と持ち上げる。この腕力があるから、何10kgという重量差があっても相手を投げ飛ばすことができるのだ。体の小さい永山が大きな選手を投げる姿は、「柔よく剛を制する」という柔道の真髄を体現しているかのようである。

北海道出身の永山が、柔道のキャリアをスタートさせたのは4歳。小学生になると女子57kgの玉置桃(三井住友海上)の父親でもある玉置新が指導している岩見沢柔道少年団に通うようになった。

当時から身体の小さかった永山に対し、玉置は技に入るタイミングや、足さばきを徹底的に指導。永山は基本的な技術を磨くとともに、小さな身体を活かし、相手の懐にもぐりこむ立ち技や担ぎ技を身に付けた。柔道は体が小さくても、大きな選手を投げ飛ばすことができる。こういった柔道の魅力に夢中になり、永山は小学生のときから投げ技を一生懸命に練習したのだった。

現在、得意としている背負投も、岩見沢柔道少年団で稽古して習得。当時から決め手となる技として使用していたという。

中学生になると、多くの柔道家を輩出している愛知県大成中学校に進学。寮生活を送りながら、膨大な量の練習やトレーニングに黙々と取り組み、強靭な身体を作り上げた。

中学3年生では2011年世界カデ柔道選手権大会の男子50kg級に出場し、世界初タイトルを獲得。現在の階級に上げたのは高校2年のときで、2014年3月の全国高等学校柔道選手権大会で、60kg級では初の全国制覇を成し遂げた。

柔道グランドスラム大阪2018

また、永山は練習の鬼としても知られている。2018年のバクー世界選手権大会で3位に終わったあとは、さらに練習量を増やした。畳の上での乱取りでも、それ以外のトレーニングでも、とにかく練習の質と量にこだわった。

「身体を壊してはいけないが、ケガ(をするかしないか)ギリギリまでの気持ちで練習は継続していく。それくらいやらないと強くなれないと思っているので」という言葉からは、ストイックさが伝わってくる。

そんな永山は外国人選手に強いという特徴を持っている。前述したブダペスト世界柔道選手権大会でガンバット・ボルドバータルに負けたのを最後に、外国人選手には連勝中なのだ。

なぜ外国人選手に強いのか、その秘密は対応力の高さにある。日本人とは一味違う外国人選手の柔道スタイルに対して、永山はとまどうことなく冷静に対応して見せるのだ。

2019世界柔道選手権東京大会で外国人選手に負けないとしたら、最大のライバルとなるのはやはり高藤だろう。高藤という高い壁さえ乗り越えることができれば、東京五輪(柔道)の舞台へ大きく近付いたことになる。

豪快な投げ技でドラマティックな一本勝ちを生み出す永山。2019世界柔道選手権東京大会は三度目の正直となるか、注目である。

※ 掲載内容は2019年6月30日までの実績とインタビューからの情報になります。

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東建コーポレーションが運営する柔道ポータルサイト「柔道チャンネル」では、全日本柔道連盟オフィシャルパートナーとして、柔道にかかわる様々な情報を発信しています。東京五輪(柔道)に向けての注目選手として、男子60kg級の永山竜樹選手を特集。「投げ技で一本を取ること」をモットーに、多くの外国人選手を倒してきた姿が印象的です。また、ライバルであり同じ大学の先輩でもある、高藤直寿選手との直接対決が実現するか注目が集まります。2020年の東京五輪(柔道)出場の座を巡る、永山竜樹選手の勇姿に期待しましょう。

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