阿部一二三 強さの秘密

2019年4月の全日本選抜柔道体重別選手権大会準優勝や、2018年バクー世界柔道選手権大会/国別団体戦男子66kg級での大会連覇達成、同年3月の柔道グランドスラム・エカテリンブルグ優勝、11月のグランドスラム大阪準優勝など数々の好成績を残している阿部一二三。幼い頃から次世代の中心選手として注目され、国内外での実力は折り紙つき。五輪初出場を目指す日本男子柔道注目の若手選手の一人だ。

※2019年9月2日現在

阿部あべ 一二三 ひふみ

阿部 一二三
生年月日
1997年8月9日
所 属
日本体育大学4年
出身道場
兵庫少年こだま会
出身校
神港学園高校
2014年
  • 講道館杯全日本体重別選手権大会 66kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム東京 66kg級 優勝
2015年
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 66kg級 3位
  • 講道館杯全日本体重別選手権大会 66kg級 3位
2016年
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 66kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム・チュメニ 66kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム東京 66kg級 優勝
2017年
  • 柔道グランドスラム・パリ 66kg級 優勝
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 66kg級 優勝
  • ブダペスト世界柔道選手権大会 66kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム東京 66kg級 優勝
2018年
  • 柔道グランドスラム・エカテリンブルグ 66kg級 優勝
  • バクー世界柔道選手権大会 66kg級 優勝
  • 柔道グランドスラム大阪 66kg級 2位
2019年
  • 全日本選抜柔道体重別選手権大会 66kg級 2位
  • 東京世界柔道選手権大会 66kg級 3位

阿部一二三 とは

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2017年ブダペスト世界柔道選手権大会 表彰式

2017年にハンガリー・ブダペストで行なわれた世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)66kg級で初出場で初優勝を果たした、阿部一二三。続く同年12月の柔道グランドスラム東京2017では、2大会連続3度目の優勝を飾った注目の実力選手だ。今でこそ世界選手権で優勝するほどの実力だが、それは決して才能によるものだけではなく、多くの努力と周りからの支えがあったからこそ、今の阿部がある。

阿部は、1997年8月9日生まれの兵庫県神戸市出身。柔道を始めたのは、たまたま柔道の試合をテレビで観て、「面白そう」、「やってみたい」と感じたのがきっかけだ。柔道を始めたのは6歳。「兵庫少年こだま会柔道部」に入部し、阿部の柔道人生が始まる。始めたばかりの頃は、身体の大きな子が多い環境が怖く、よく泣いてしまう場面も。そんな弱小なイメージから一変、現在の阿部の実力の原点となるきっかけがある。小学2年生時に出場した大会で女の子に敗戦。このことが悔しくて、練習以外の時間にも体幹や柔道にかかわる動きを鍛えるトレーニングを中心にするようになった。そこからトレーニングを続けるものの、小学生のときは全国大会には出場することはできなかった。

阿部が頭角を現し始めたのは、中学に入ってからだ。中学2年生のときに、全国中学校柔道大会男子55kg級で優勝。身体も徐々に成長し、中学時代は柔道においても成長期だったと阿部は言う。

柔道グランドスラム東京2014

中学卒業後は、神港学園神港高校(兵庫県)に進学。階級も身体の成長に伴い現在の66kg級に変更している。進学する際、当時の神港学園神港高校は強豪校でないため才能が潰れてしまうとの声が上がったが、阿部は「知っている先生から学びたかったので、神港学園神港高校に進学して良かった」と語っている。実際に阿部は、高校入学後も練習と試合を重ねて実力を付け、世界に通用する選手へと成長していった。

高校時代は、2014年の第36回全国高等学校柔道選手権大会男子73kg級、平成26年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)柔道競技大会男子66kg級、第2回ユースオリンピック競技大会男子66kg級で、いずれも頂点に輝く。なかでもこの第2回ユースオリンピックでの優勝が日本、そして世界から「阿部一二三」の名が注目されるきっかけとなったのだ。阿部は、年齢的に2020年の東京五輪(柔道)の有力候補と考えられていたが、この優勝で2016年のリオデジャネイロ五輪(柔道)も狙える選手だと世間に知らしめた。

その後も勢いは留まらず、平成26年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会(以下、講道館杯)男子66kg級で優勝。柔道グランドスラム東京2014男子66kg級では、ロンドン五輪銅メダリストで世界選手権3連覇の海老沼匡(パーク24)を準決勝で破り、男子初の高校生優勝を飾った。しかしその快進撃も高校3年生で迎えた平成27年度講道館杯で止まる。負けられないプレッシャーから結果は3位。その敗戦でリオデジャネイロ五輪(柔道)の代表の座を逃した。「この負けをどうやってプラスに活かしていくか」、「どうしたらもっと強くなれるのだろうか」監督やコーチ、周りの応援もあり、この経験が阿部をさらに強くした。

柔道グランドスラム東京2016

高校卒業後は、東京に出てゼロからのスタートを希望。最適な環境で「ここならさらに強くなれる」という思いから日本体育大学に進学した。

大学進学後の平成28年全日本選抜柔道体重別選手権大会(以下、全日本選抜)では、準決勝でのちにリオデジャネイロ五輪(柔道)で代表に選出される海老沼に勝利し、決勝では快進撃を止められた丸山城士郎(ミキハウス)を破り初優勝。ここから再び阿部の快進撃が始まる。柔道グランドスラム東京2016優勝、柔道グランドスラム・パリ2017優勝、平成29年全日本選抜でも大会連覇を達成し、目標のひとつでもあった世界選手権の出場を決める。初出場で臨んだ世界選手権は6試合中5試合が一本勝ちという圧巻の内容で優勝。クリソストモ選手(ポルトガル)との4回戦が唯一技ありの勝利だったが、この対戦について「阿部の一本勝ちだったのではないか」と言う人も多い。しかし阿部は、「誰が見ても一本!と言ってもらえるような技を決めなければいけません」と、自分にストイックな性格も見せている。

ストイックと言えば、阿部は消防士である父親が考えた体幹を鍛えるトレーニングを小学生の頃からこなしてきた。一番多くトレーニングをしていたという中学時代のトレーニング量は、一日6時間。体幹の強さに自信がある阿部が得意とするのは、背負投げや袖釣込腰など。体幹が強い阿部だからこそ、多少無理な姿勢からでも担ぎ技などを仕掛けることができるのだ。

阿部兄妹試合後インタビュー

そして、そんな阿部一二三と共に今大注目なのが、一二三の3歳年下の妹・阿部詩夙川学院高校3年)だ。柔道グランドスラム東京2017では、一二三、詩が共に優勝し、阿部兄妹の強さを見せつけた。一二三が優勝した2017年の世界選手権に詩は出場することができなかったが、今後兄妹揃っての世界選手権出場は二人の目標でもある。

阿部一二三、詩、兄妹は共に海外でも注目されている。YouTubeなどの動画サイトにはたくさんの「Hifumi Abe」、「Uta Abe」の動画が上げられ、英語・フランス語・ロシア語など多言語で阿部兄妹についてのコメントが投稿されている。また、海外のニュースサイトや柔道関連サイトにも阿部一二三、詩の試合は取り上げられることも多く、「Rising Star−期待の星」、「New Star−新星」と言われ、日本だけでなく世界でも今後の活躍が期待され、注目度の高さが窺える。

一二三の一番の目標は、2020年に日本で行なわれる東京五輪(柔道)に兄妹揃って出場し、優勝することだ。「自国開催というのは自分の人生で2度目はないと考えている。自分の人生をすべて捧げるくらいの気持ちで、2020年の東京を目指したいと思います。」

柔道グランドスラム東京2017

さらに、「2017年の世界選手権で優勝したことにより、これからは徹底的にマークされ、研究されるだろうが、そのような相手に負けていたら東京五輪(柔道)で優勝はできないと思っている。研究してくる相手の上をいく強さを身に付け、東京五輪(柔道)に挑みたい。」と決意は固い。

数々の素晴らしい戦いを我々に見せてくれると共に、数々の功績を残す阿部一二三。2017年は、冬のヨーロッパ大会からはじまり、1年間負けなしの充実の1年。快進撃は一体どこまで続くのだろうか。東京五輪(柔道)まで約2年半。さらなる活躍に今後も目を離すことができない。

※ 掲載内容は、2019年7月22日までの実績とインタビューからの情報になります。

阿部一二三 特集記事

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    男子66kg級決勝 柔道グランドスラム東京

    [再生時間]1:50

  • 阿部一二三 激闘の記録

    激闘の記録

    [再生時間]2:11

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東建コーポレーションが運営する柔道ポータルサイト「柔道チャンネル」では、全日本柔道連盟オフィシャルパートナーとして、柔道にかかわる様々な情報を発信しています。こちらでご紹介するのは阿部一二三選手特集です。阿部一二三選手は1997年8月9日生まれ。6歳のとき、兵庫少年こだま会柔道部で柔道を始め、中学2年生のときには日本一を経験。それ以降も様々な大会で好成績を収め、現在に至ります。阿部詩選手と合わせて兄妹でも注目される阿部一二三選手。ここではプロフィールや主な大会戦績、大会における写真集、名場面を集めた動画を掲載しました。どうぞお楽しみ下さい。
柔道チャンネルがご紹介する阿部一二三選手特集。こちらのページで阿部一二三選手についてさらに詳しくなってみてはいかがでしょうか?

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