オリンピックメダリスト対談

谷本歩実×塚田真希1/3

   

2004年のアテネ柔道競技(五輪)と、2008年の北京柔道競技(五輪)において、史上初のオール一本勝ちで大会2連覇を達成した谷本歩実さんと、アテネ柔道競技(五輪)金メダリストの塚田真希さんによる夢の対談。
そんなお二人の出会った頃の思い出、一緒に出場した国際試合でのエピソードなどをお伺い致しました。

初遠征で買ったひまわりオイル

谷本歩実

谷本:
マキティ(塚田選手のあだ名)と仲良くなったのって、確かハンガリーだよね。
塚田:
そう、高校3年生のときの遠征。
谷本:
高校3年生の2月にハンガリー国際柔道大会に出させてもらって、初めて一緒に行った海外遠征だったんだよね。
塚田:
歩実ちゃんは成績が良くて、たしか2位。でも私は負けてしまって。
谷本:
マキティはその大会で足首をケガしちゃったんだよね。それでも敗者復活戦まで戦い続けて、ゴールデンスコアになったんだよね。
塚田:
そう、でもケガをして立てなくて。それで結局、私は次の試合を棄権したんだよ。
谷本:
でも、敗者復活戦では、痛みに耐えて頑張ったよ。相手もバテバテだったよね。
塚田:
そうそう。
谷本:
最後は旗判定だったんだけど、マキティは足が痛くて立てないわ、相手は息が上がって立てないわ。観客席のところから山口先生が「立て〜!」って(笑)。
それでマキティが先に立って、判定で勝ったんだよね。山口先生が「もし立ち上がるのが遅かったら、判定が逆に上がっていた」って言ってたよね。
その後マキティが這いつくばってなんとか試合場を出たら担架が待っていて、そしたら「ぜったい無理です、担架を持ち上げるの」って、ずっと断って。結局、松葉杖で帰ってきたんだよね。
塚田:
そうそう。
谷本:
必死で断っているのがおかしくて(笑)。…懐かしいね。
塚田:
そう、そんな出会いだったね(笑)。

塚田真希

谷本:
その遠征では、もっと強烈なことがいっぱいあったよね。
足首が痛くて松葉杖で歩くのもやっとなのに、1日だけあった休みの日に街に出かけて。
そしたらそこに「ひまわりオイル」っていうのが売られていて、それが約1ユーロぐらい。
そしたら「歩実ちゃん、ひまわりオイルは植物性だから、体にいいんだよ。太らないんだよ。日本で買ったらすごく高いんだよ。」って言うから、じゃあ、買おうということになってね。
松葉杖で足首痛いのに、デカイのを3本も買って、リュックサックに詰めてさ(笑)。覚えてる?
塚田:
覚えてる覚えてる。歩実ちゃんも買ったんだよね。
谷本:
「じゃあ私も」って1本買った。
塚田:
でもそのあと、「やっぱりあげる」って私にくれて。結局、私4本も持って帰ったんだよね。
谷本:
で、それから数ヵ月後に2人とも大学生になって、一緒に遊んだんだよね。
そのときにマキティの家に遊びに行ったら、マキティも私も春巻きが大好きで、得意だってことで、買出しに行って家で作ったんだよね。
塚田:
そうそう。
谷本:
そうしたら、ひとつはコーンをマヨネーズで和えたやつを春巻きの皮のなかに入れて、もうひとつはあんこと白玉を入れて、春巻きで閉じて。
塚田:
美味しいんだよね、あんこは。
谷本:
それで「歩実ちゃん、これ覚えてる?この油!」「太らないやつ!」とかって言って。それでジャーッて揚げて、食べたんだよね。
でもどう考えても、コーンとマヨネーズと、あんこと白玉じゃ意味がないんだよね、そのひまわりオイル。
塚田:
そうだね。
谷本:
私は矛盾を感じながらも、しっかりと食べちゃって…。
塚田:
美味しかったよね(笑)。
谷本:
うん。それが仲良くなったころの懐かしい思い出だね。

高校3年の国体で初対戦

谷本歩実

谷本:
初めて私たちが試合で当たったのは、高校3年生の国体だったよね?
塚田:
そう、神奈川国体。
谷本:
代表戦だったよね。マキティが大将で、私が中堅で、1-1の代表戦。先鋒が勝って私が引き分け。
塚田:
歩実ちゃんが取ったんだよ。
谷本:
そうだっけ?
塚田:
先鋒戦が引き分けで、中堅戦で歩実ちゃんが取って、大将戦で私が取って。それで代表戦になったんだよ。
谷本:
そのときに、マキティが普通に組ませてくれて。(組み手を)切るとか嫌がらせをするとか、一切なくて。さっと持たせてくれたんだよね、堂々と。
それがすごくやりやすくて。でも、それが大きな間違いだった。そのあと、スパーンと見事に投げられた(笑)。懐かしいね。

塚田真希

塚田:
懐かしいね。そのときの印象がすごく残ってる。楽しそうに柔道する子だなって。
谷本:
楽しかったよ、マキティとの試合はすごく。わぁ〜、すごいやりやすいなぁと思って。
塚田:
でも、こっちはそれどころじゃなかったよ、負けたらどうなるかと…。
谷本:
ああ、そうだよね。でも、楽しかった(笑)。

お互いの存在について

谷本歩実・塚田真希

塚田:
歩実ちゃんは、私よりも先に全日本の代表に入っていたので、何かあったときに相談すると、いろいろ分かりやすく教えてくれて。
同級生ということもあって、なんでも相談できるし、いつも二人でたらたら話をして、時間をつぶすのには最高の存在(笑)。とくに柔道のことに関しては良き相談相手だった。
谷本:
高校3年生のハンガリー国際柔道大会から、一緒に出る大会が続いて、同級生ということもあって、マキティは私にとっても、一番の相談相手であり理解者だった。
今まで柔道をやってきて、なかなか私の言うことを否定したり、アドバイスしてくれる人はいなかったけど、マキティは「私がこう思うんだけど」と言うと、「いや、それは違うよ、歩実ちゃん」って、間違いを直してくれたので、一番相談できたし、それがすごく嬉しかった。
そういう意味で、マキティは大切な存在だね。

北京柔道競技(五輪)でのお菓子事件

塚田真希

塚田:
アテネ柔道競技(五輪)のときは、私と歩実ちゃんが一番下っ端だったから、いろいろ上の人たちのフォローというか、雑用とかは率先してやっていて。しょっちゅう食堂にいたよね。
谷本:
食堂にいたね。コンコンって部屋に来て、「歩実ちゃん、ちょっとお茶しない?」とかって食堂に行って。お互いに悩みを相談したね。
塚田:
そうそう。
谷本:
何かあったら「すぐ食堂へ」だったよね。
塚田:
食堂集合(笑)。
谷本:
懐かしいなぁ。
塚田:
北京柔道競技(五輪)のときは私が一人部屋だったんで、ずっとね(笑)。
谷本:
ずっとマキティの部屋にいたね。どんな話をしてたんだっけ?
塚田:
どうだっけ?あと、中澤さえもいたけどね(笑)。

谷本歩実

谷本:
柔道の話じゃなくて、柔道やめたらどうするかとか、柔道の話じゃないことをけっこういろいろ話していたよね。
塚田:
うん、柔道の話ってあまりしなかった。
谷本:
海外遠征で同じ部屋のときも、だいたい恋愛話だったり。
塚田:
歩実ちゃんの話をいろいろと聞いたり。
谷本:
中国に行ったときに、私が読みかけの本を貸したことがあったよね。
マキティはベッドで横になってその本を読みながら、お菓子を食べていて。
マキティが「歩実ちゃんこれってこういうことなの」なんて言いながら、会話してたんだよね。なんだっけ、あれ。『女を磨く50の法則』みたいな本(笑)。
塚田:
そうそう。
谷本:
その後、日本に帰ってから読もうと思ってパッと開いたら、全ページにマキティの食べていたお菓子やチョコレートがついていて(笑)。
ここはマキティが一番悩んだんだろうなってページには、食べカスが挟まっていてさぁ(笑)。
塚田:
歩実ちゃんに聞きながら食べて、落としちゃったんだろうね。
谷本:
ここはマキティにとっては重要なページだったんだろうなとか思いながら、その本を読み返したんだよね(笑)。
塚田:
歩実ちゃん、覚えてる?あのとき、ホテルのメモ帳に、歩実ちゃんがイラストを書いてくれたんだけど。
谷本:
イラスト?
塚田:
そう。鉛筆で「お互い幸せになろうね」って、花嫁姿とイケメンの男の人のイラストを書いてくれたんだよ。
私、それがすごく嬉しくて、ずっと自分の部屋に貼ってあるんだよね。
谷本:
貼ってくれてるの?懐かしいね。

お互いの理想のタイプ

谷本歩実

谷本:
二人で恋の話とかもよくしたよね。
塚田:
恋っていうか。
谷本:
妄想だよね(笑)。
塚田:
厳密に言えばね(笑)。
谷本:
今でも、よくいろいろな話をするよね。
塚田:
話すよね。柔道を引退してからは、特にね。
谷本:
最近は、今後のことについてのほうがメインだね。すごいまじめな話が多い。
塚田:
今の悩みは一緒だから。
谷本:
恋の話と言えば、この間テレビでしゃべったときも、全部カットされていた(笑)。私たちの理想のタイプとか、必要ないんだろうね(笑)。
塚田:
その収録の帰りも「誰が興味持つんだろうね」って(笑)。
谷本:
私たちの理想のタイプにね(笑)。
嵐の中で誰がいいとか、私たちのそんな会話を聞いて、「誰が面白いんだろう」なんて言ってさ。
結局、全部カットだったけど(笑)。芸能人でどんな人がタイプ?って言われてもね(笑)。
塚田:
芸能人はみんなタイプだよね(笑)。
谷本:
私たちに「選ぶ資格があるのだろうか」っていうことに、最終的にはいつもなるんだよね。
塚田:
そうそう。
谷本:
でも、最後は人間性だよって。
塚田:
そうそう。
谷本:
マキティは社会的な問題の話が大好きじゃない。本とか新聞を読んで、それをテーマに話し合ったり。あれは熱いよね。一番熱いかなぁ、二人で話しているなかで。
塚田:
そうだね。
谷本:
こういう問題に対して、私はこう思うんだけど、歩実ちゃんはどう思う?とかって。
私はこう思うって、自分の考えと違うことを言ったとしたら、そこからものすごい議論が始まるんだよね、国際問題とか。
先輩にそんなこと言われたら「ああ、そうですか」になっちゃうけど、私たちは同級生だからね。
塚田:
同級生のなかでも、お互いに好き勝手言える仲だからね。

塚田真希

谷本:
最近話したことは、自転車について(笑)。
塚田:
自転車は社会的じゃないけどね(笑)。
谷本:
たしかに社会的ではないんだけど。自転車について熱く語り合ったよね。
塚田:
私が自転車を買うにあたって、カゴがついているほうがいいかどうかで、熱くね。
私は体重が重いから、タイヤが太いやつがいいだろうと。けっこう気に入ったやつがあったんだよね。
谷本:
で、一緒に買いに行って。
塚田:
その自転車には、泥よけもカゴもなかったんだけど、カゴはあったほうがいいということで。
谷本:
最終的にお店で「これ下さい」ということになって。
でも私、「体重があるんでメンテナンスが必要ですよね?」って聞いたら、お店の人が、「自転車というのは一般的に80キロまでが限度として作られているんです」とかって言われちゃって。
そしたら「あ〜あ、塚田アウト」とかって言ってね(笑)。そしたら「いやいや、でも大丈夫です。それ以上の人用に、ちゃんと乗り方があるんです」って言ってね。ちゃんと指導してもらったんだよね。
塚田:
そうそう。段差は基本的にゆっくりお尻を上げて。
谷本:
全然、社会問題とは違うんだけど、最近盛り上がった話としてはこんな感じ。自転車の話でも熱く語り合っちゃうのが、私たちなんだよね(笑)。

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