柔道トピックス

「危険か武道必修化の柔道」の新聞記事(中国新聞)紹介

「危険か武道必修化の柔道」の新聞記事(中国新聞)紹介

6月6日(水)の中国新聞に「危険か 武道必修化の柔道」のタイトルで記事が掲載された。

中学校の武道必修化が本年度から実施されることとなったが、「柔道は事故が多く危険だ」というマスコミ等の報道によって、これを危惧する意見も多い。

しかし中学校の授業において、報道されているような多数の死亡事故が発生しているのであろうか? 本当に事実なのか。①試合を前提としたクラブ活動の柔道と、②柔道の基本を習得する学校授業の柔道とでは、練習(学習)の内容も危険度も大きく異なる。

この中国新聞の記事は、柔道における上記の違いを正しく評価(分析)し、報道している。

また、文部科学省の「事故調査データ」も添付され、解りやすい内容なので記事の一部を抜粋して紹介したい。

「危険か武道必修化の柔道」中国新聞 掲載記事(2012年6月6日)

本年度から中学校の授業で武道が必修化された。学校が柔道や剣道、相撲などを選び、教えるが「柔道はけがの危険がある」などの声が上がり、文部科学省は3月、安全が確認されるまでは柔道の授業を実施しないよう通知した。

多くの学校では秋スタートを予定しており、対応に追われている。危険だとすれば学校で教える必要はあるのか、安全な方法はあるのか。

柔道の五輪代表コーチを務め、中学校教員向けの指導者講習も重ねる出口達也広島大准教授(50)に聞いた。

−武道必修化がスタートしました。武道を中学生が学ぶことについて、どう感じますか。

必要性が認識された。しつけや礼儀作法などを教えれられる、との評価なのだろう。武道家としてはうれしく思う。

−ただ、柔道は危険性が指摘され、文科省は指導体制を含めた安全確認を求めています。

武道教育の意義が理解される前に、事故や危険性がクローズアップされたのは残念だ。他のスポーツに比べれば危険性が高いのは事実。ただ文科省のデータによると、事故の多くは部活動中の発生で、授業中の事故は多くはない。

言いたいのは「競技柔道」と「教材柔道(学校柔道)」の違いだ。一般の方々の柔道のイメージは五輪などの競技柔道。それが「うちの息子が娘が、大きな人に投げられる」「なんだか危なそう」とのイメージになっている。説明が足りない。

−授業での危険回避に向け、改善の余地はありそうですね。

畳ではなくマットでもいいと思う。最初に怖さ痛さを拭い去り、技術を身に付ければ畳でも痛くない。暖かい時期にやればさらにいい。教材柔道は年10時間程度しかなく、例えばヘッドギアが必要なほどの「投げの打ち合い」などまで進むか疑問だ。

中学校での体育の授業等における死亡・重度の障害事故

1998〜2009年度の種目別学年別発生件数を表示しています。(文部科学省提供)

競技 1年 2年 3年
陸上競技 10 12 15 37
水泳 4 4 4 12
器械体操等 2 0 3 5
バレーボール 1 4 0 5
バスケットボール 0 0 3 3
サッカー 0 0 2 2
柔道 2 0 0 2
その他 2 3 8 13
合計 21 23 35 79

出口達也:プロフィール

  • 富山県小杉町(現射水市)生まれ。
  • 1988年筑波大大学院修了
  • 1990年広島大助手

1996年から全日本柔道連盟女子コーチ。2004年アテネ五輪で48kg級優勝の谷亮子選手を担当。2003年から現職。専門はコーチ学。

60kg級選手として講道館杯全日本柔道体重別選手権大会の他、フランス国際柔道大会など海外の諸大会でも優勝経験を持つ。

中学校においては、以前から「保健体育の選択科目」として、柔道が授業に取り入れられ、実施されてきた。

文部科学省提供の「中学校での体育の授業等における死亡・重度の障害事故(1998年〜2009年度)」における12ヵ年間のデータでも解るように「柔道授業」の障害事故は他のスポーツよりも少ないのが事実である。

だが偏った報道や柔道関係者の説明不足によって、柔道授業の死亡事故が多いという社会一般に誤解を受けている実態は払拭しなければならない。

ただし、「クラブ活動」であれ、「学校授業」であれ、より安全な学校柔道を追及することは、柔道関係者の重大な責務であることに変わりはない。

柔道事故は、投げられた時に受身が十分できない場合など、初心者の事故が多いのが特徴で、これを防止する対策が必要である。

柔道には、その技術の習熟度と実力を評価する段級位の資格制度があるが、これに準じて中学校の柔道授業においては、「受身」を資格制度にすることも考えられる。

例えば、指導者(教職者)が生徒の「受身」の練習時間や習熟度を第三者の立場で審査する。これによって受身の資格を取らなければ、危険を伴なう「乱取り」や「試合」はできないように制度化して安全性を高めることもできるのではないか。

生徒本人はもとより、父兄や指導者(教職者)も安心できる「安全を確保する制度」が、今こそ必要ではないかと考える。

文部科学省の関連データ「柔道の授業の安全な実施に向けて」は、ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/judo/1318541.htm)から入手し、印刷することも可能です。

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