接骨院(整骨院)の基礎知識をはじめ接骨院情報などをご紹介します。
ツボ押しマッサージ
ツボ押しマッサージは、本来人間が持っている自然治癒力を活かして、体に起きた異常や様々な症状を改善するために効果的です。人の体のあちこちにはツボが多く点在し、疾患や症状に合わせて的確なツボを刺激することで、痛みやだるさなどを解消します。
ここでは、症状に合わせたツボとその刺激方法をご紹介します。
肩こり

パソコンの普及や運動不足などで、多くの人が肩こりを経験していると思われます。さらに日頃の姿勢や生活習慣などで、慢性的な肩こりで悩んでいる人も少なくありません。こうした肩こりに効果的なのは、「肩井(けんせい)」というツボです。首から肩先までのラインのちょうど真ん中にあるため、普段から意識することなく自然に揉みほぐしているツボです。
ツボを押すときは、中指をツボの真ん中に当て、人差し指と薬指を添えて、少し痛みがある程度まで押します。軽く揉みほぐすようにすることで、ツボが刺激されます。ツボ押し用のグッズも様々な種類が販売されているため、グッズを使って試してみるのも良いでしょう。
また、ツボを押したまま肩を回すことで、血行が促され、より効果的です。最初に左手で右肩の「肩井」を押し、右肩を前後に回します。前後で1セットとして20〜30セット行なったらもう一方の肩も同様に行ないます。
こうしたエクササイズを採り入れながら、肩こりを解消しましょう。
腰痛

腰痛は、骨盤が歪んでいたりずれていたりする人に発症することが多く、一度痛めるとなかなか治りにくく慢性化する恐れもあります。また、このような腰痛の原因は、専門医にかかるまではっきり分からないというのが現実です。
こうした腰の痛みに効果的なのが、背中の腰の辺りで横一列に並ぶ「命門(めいもん)」「腎兪(じんゆ)」「志室(ししつ)」という3つのツボです。「命門」はおへそのちょうど裏側にあり、その指2本分外側に「腎兪」、さらに指2本分外側に「志室」が左右2つあります。
押し方は腰に手を当てて、「志室」「腎兪」を親指で軽く押して揉むようにします。「命門」は左右の人差し指と中指を背中で重ね、軽く押して揉みます。押し方のポイントは、同時でなくても必ず3つのツボを押すことです。
また「腎兪」と「志室」は、腎臓機能を活性化するツボで、腎機能の低下がある場合に押しても効果的です。ツボへの刺激は効果的ですが、正しい姿勢を意識したり、運動によって腹筋と背筋のバランスを整えたりすることも大切です。
冷え性

多くの女性が悩みのひとつに挙げている冷え性は、手足の指先など末端部の血行不良から起こるとされています。最近は夏場でも冷房によって冷え性が現れることも多くあり、慢性化傾向にある人も多くなっています。
冷え性に効果的なツボは、手では親指を除く4本の指先側面にある「井穴(せいけつ)」と、手の甲側、指と指の間にある「指間穴(しかんけつ)」です。「井穴」は、指でつまむように押さえ、少し指先の方へ引っ張るように刺激します。「指間穴」は、親指と人差し指で挟むようにして、少し強めに指先の方へ引っ張りながら離すことを繰り返します。
また、足では土踏まずのやや上にある「湧泉(ゆうせん)」と、足の甲側の指の付け根にある「八風(はっぷう)」が冷え性に有効です。「湧泉」は両手の親指で強めに押すのがポイントです。「八風」は、手の親指と人差し指で挟み、少し強く押し当てます。そして、足の指先の方へ引っ張りながら刺激します。
お風呂や布団の中でもできるので、習慣づけて健康維持を図りましょう。
胃痛・胃もたれ

胃の痛みは、ズキズキ痛むものや針で突いたようなチクチク痛むものなど、様々な痛みがあります。原因も食べ過ぎや食あたりから、ストレスによるものまで幅広く、胃のトラブルは、全身への影響も大きくなります。
胃痛に対する効果的なツボは、みぞおちのやや上にある「中かん(ちゅうかん)」と、手のひらの手首よりやや上側にある「胃腸点(いちょうてん)」です。いずれも胃腸の乱れを抑え、正常な活動に調整するツボです。
「中かん」は、ツボを押さえるのではなく、ツボを両手で覆うように置き、ゆっくりと時計回りに回しながら、軽く押さえて温めていきます。「胃腸点」は、手首付近にあり、反対の手の親指をツボに当てて、残りの指で手首を掴むように押し揉みます。
また、食べたあとに胃がもたれたりむかついたりする場合は、「中かん」と耳たぶにある「胃点」(いてん)」を刺激します。「胃点」は消化活動を活発にするツボで、刺激を繰り返すことで、だんだん胃がスッキリしてきます。「胃点」は大変小さなツボなので、指の腹では上手く刺激できません。米粒や小石など何か硬い物を人差し指に固定して、ピンポイントで刺激するようにします。
頭痛

頭痛も現代人に多い病気で、風邪によるものや二日酔い、日頃のストレスや脳の病気など、その原因は多様化しており、症状もズキズキ痛んだり、ガンガンしたり、鈍痛が続いたりと様々です。
こうした中で、風邪や二日酔いによる一時的な頭痛は、頭部の血管の拡張によるもので、痛みが来る周期が脈拍と一致します。さらに、頭がぎゅっと締め付けられる痛みは、脳の筋肉の緊張から起こります。これらの痛みを緩和するツボは「百会(ひゃくえ)」、「天柱(てんちゅう)」「風池(ふうち)」です。
「百会」は、頭頂部にあり、体の中の気の経路が多く合流しているツボで、あらゆる病気に効く万能のツボです。両手の中指を重ねて、2〜3分押さえるように揉みます。
「天柱」は、首の後ろやや上に2ヵ所あり、その斜め上に「風池」があります。「天柱」も「風池」も後頭部を抱え込むように手を後ろに回し、親指で押しながら揉みます。痛くて気持ちいい程度の力で押すことで、気分が快方に向かいます。
便秘

1週間もお通じがないと、薬に頼っている人が多く居ると思われます。ですが、大腸に異常があったり、精神的ストレスで腸が痙攣を起こしていたりなど、体がSOSを訴えかけている場合もありますので、薬を飲む前に、自然な解消法にトライしてみましょう。
便秘の解消に有効的なツボは、腕の内側にある「間使(かんし)」です。手首の関節と肘の関節の間くらいにある「間使」は、腸の働きを活発にし、便秘の人がこのツボを押すと少し痛みがあります。押し方は、親指をツボに当てて残りの指で腕を掴むようにして、押し揉みます。片方だけでなく交互に両方の腕を刺激します。
そして、膝頭のやや下にある「足の三里(あしのさんり)」も、便秘に効果的なツボと言われています。膝を曲げてイスなどに座り、親指でツボを押さえ、残りの4本の指でふくらはぎ側から支えます。少し強めに押して刺激を与えます。トイレの便座に腰かけて行なうと、ツボの刺激が体感できる場合があります。
生理痛

女性特有の痛みで、個人差はありますが、痛みがひどかったり体調を崩したりと、多くの女性が悩みを抱えているようです。一般的には、薬によって痛みを緩和することが多いようですが、ツボ押しによる効果も見逃せません。
生理痛を緩和するツボは「血海(けっかい)」、「三陰交(さんいんこう)」、「志室(ししつ)」、「だん中(だんちゅう)」の4ヵ所があります。特に「血海」「三陰交」はホルモンの分泌をコントロールし、婦人科系の疾患に効果があるとされています。
「血海」は膝頭のやや上内側にあり、「三陰交」は脛(すね)の内側にあり、ツボを刺激するときは、床に肩膝を曲げて座り、両方のツボを同時に押して揉みます。「志室」は腰痛に効果的なツボですが、生理中での腰のだるさに効果があり、腰に手を当てて、親指でウエストを掴むように押して揉みます。
また、バストの中央にある「だん中」は、任脈(にんみゃく)の経路にあり、婦人科系の疾患に効果的とされています。刺激方法は、両手の人差し指と中指を重ねて、軽く押すようにします。「志室」と「だん中」は生理前から刺激すると、生理が来たときの不快感が和らぐとされています。
不眠症

睡眠は、体内機能を休ませるためにも重要な行動ですが、現代では不眠症に悩んでいる人が増えています。ストレスなどで眠れない、夜中や朝早くに目が覚める、充分な睡眠感がない、日中猛烈に眠くなるといった症状が続くと疲労感が取れず、肌荒れや食欲不振などを招いて、体調不良を起こしますので、ツボの刺激で不眠症を解消しましょう。
不眠症に効果的なツボは「失眠穴(しつみんけつ)」と「百会(ひゃくえ)」です。両方とも心を静める働きがあり、リラックス状態へと導きます。「失眠穴」は、足の裏のかかとの中央にあります。手の指で押さえたり、拳などで叩いたり、足同士を擦り合わせたりして刺激すると、不眠症の改善に効果があります。左右両方のツボを交互に刺激しましょう。
頭頂部にある「百会」は、頭痛をはじめ、万病に効果があるとされる万能のツボです。両手の人差し指と中指で、やや強めにゆっくり押すように揉みます。興奮気味の神経も刺激によって穏やかになり、快眠へと誘います。