柔道日本代表 直前インタビュー

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山下泰裕 強化委員長

全日本柔道連盟で強化委員長を務める山下泰裕氏。
1984年のロサンゼルス五輪で金メダルを獲得した山下氏が思う「五輪」、そしてリオデジャネイロ五輪に挑む選手たちへの想いをインタビューしました。ぜひ、山下氏の想いをインタビュー動画も併せてご覧下さい。

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五輪を迎えるにあたり

五輪を迎えるにあたり

5月中旬に、男女五輪日本代表が決定したことの報告と、「斉藤仁先生のあとを引き継いで、喜んでもらえるよう精一杯頑張ってくるから」ということを伝えるため、斉藤先生のご自宅を訪問しました。

そのときに、斉藤先生の奥さんから「これ主人が着けていたものですけど、よろしかったらリオデジャネイロに一緒に持って行って下さいますか?」と、素敵なネクタイを2本頂いたんです。だから、5月末の柔道ワールドマスターズ・グアダラハラでもそのネクタイを締めて行ったのですが、なんだか斉藤先生と一緒に戦っているような気がしましたね。

今回の日本代表選手について

今回の日本代表選手について

男子は66kg級の海老沼匡、女子は52kg級の中村美里、57kg級の松本薫、70kg級の田知本遥に五輪の経験がある訳ですが、リオデジャネイロ五輪日本代表の特徴をひとつ言いますと、その4名だけでなく、「どの階級でも金メダルを狙える」ということでしょうか。これは今までではそうそうなかったことだと思うんです。

ただもうひとつ言うと、安心できると言うか、確実に金を獲れるであろう階級はひとつもない。だから、きっと初日から最終日までハラハラドキドキしながら観ることになるんでしょうね。しかし、期待の持てる試合を見せてくれることが楽しみでもあります。

五輪まで残り2ヵ月を切りました。選手たちは自分でやるべきことをやり尽くして、やり残しなくリオデジャネイロに向かってほしい。そして、あの大舞台で、夢や可能性に思い切りチャレンジし、持てる力を出し尽くして、その夢を自分の力で掴んでほしいという気持ちですね。

2016強化委員長としてできることは限られていますが、監督、コーチたちが、よりやりやすい環境を作ってあげて、側面から応援していく。それが私の役割だと思っています。

自身にとっての「五輪」

自身にとっての「五輪」

選手時代の話をすると、おそらく日本代表の柔道選手の中で、私が一番周りの期待を背負っていたと思うんです。「山下なら必ず勝ってくれるだろう」そういった思いが強い中で臨んだ五輪だったと思うんですね。

私にとって一番緊張した大会でしたが、それでも自分自身のために戦えた。私が戦ったのは日の丸のためでもなく、日本柔道のためでもない。自分自身のためだったんです。

なんとしても、自分のやってきたことが正しかったという証明をし、自分の夢を自分自身で掴みたいと思い、それを実現することができた。それが、自分にとって誇りになっています。

今回の日本代表選手たちも、これから大会までの間に周りの人に期待され、結果を求められる。「勝って下さいね」「メダル獲って下さいね」と言われると思います。でも、これは柔道の選手だけじゃない、リオデジャネイロで戦うすべての選手たちに言いたい。「君たちが戦うのは、君たち自身のためだ」と。

ただ、もちろん相手も死に物狂いでかかってくるので、腹をくくって、最高の舞台で最高のものを出し切れるように準備してほしいと思います。

「己の夢を己の力で掴め」、「チャレンジしない者に、チャンスは来ない」。まさにこれからが夢への挑戦です。もうひとつ言うと、「失うものなんて何もない。結果なんて恐れるな、己を信じて思い切って行け」と言いたいですね。

この思いは監督として臨んだ、1996年のアトランタや2000年のシドニーでも同様でした。

選手たちへの想い

選手たちへの想い

監督やコーチとして我々にできることは、選手が「よしやるぞ、いくぞ!」という気持ちになって畳に上がることができるよう、送り出してやることです。

どうやってその雰囲気を作っていくか、それを一番大事にしました。もちろん、そこに行き着くまでには考えられるあらゆる準備をしてきましたし、選手に求めてきました。

でも、どんなに持っているものが素晴らしくても、気の持ち方というのが非常に大きい。これは、柔道の勝負だけでなく、我々の普段の仕事にも言えることだと思います。前向きに「いける」「やれる」と思うのか、「大丈夫かな…」と思うのかは大きな違いだと思うのです。

だから、気持ちの盛り上げを大事にしていきたい。もしも、すごく重い荷物を背負っているような気持ちになっている選手がいたら、「今、お前が日本の柔道家の中で一番輝かなきゃいけないんじゃないのか」と。「たったひとり、その階級で自分の夢に挑戦できる権利を自分の力で掴んだのだから、そこに向けて日々心を燃やして、活き活きとやらないでどうするんだ」と。

そして、「人のためにやるんじゃない。自分の夢に挑戦するんだよ。今輝かなくていつ輝くのか」と言いたい。

重い荷物を背負っていると思うのであれば、今すぐに補欠の選手と替わった方が良い。一番かわいそうなのは補欠ですよ。紙一重の差で代表になれなかった選手のため、そして自分自身のためにも、最善の準備をしてほしいと思います。周りは一切関係ない、やるのは自分自身です。

強化委員長としては、斉藤先生が微笑んでくれるような活躍を選手がしてくれたら、先生の代行を務めた私の役割が果たせるのかな、という気持ちですね。それを信じて、それだけを求めて、五輪までの残りの日々を過ごしたいと思います。

日本から応援をする人へのメッセージ

日本から応援をする人へのメッセージ

井上康生、南條充寿両監督、そして今は亡き斉藤先生のもと、「ロンドンでの金メダルが1個」という厳しいスタートからここまでやってきました。

私は、ここまで世界柔道選手権大会などの結果を見ていて、順調に進んできていると思っていますし、斉藤強化委員長のもとでやってきたことも間違いなかったと確信しています。しかし、勝負は水ものですから何があるか分かりません。

これから五輪までの期間、もしいるとしたら、勝負の女神が我々の頑張りに応えて微笑んでくれるような、そんな日々を過ごしながら戦いの当日を迎えたいと思っています。

日本柔道は必ず力強く復活します。ハラハラドキドキさせられる部分もあるかと思いますが、皆さんの応援が選手たちの力となりますので、最後まで日本代表選手たちを信じて、応援して頂きたい。そして、日本選手が世界の頂点に立ったときには、一緒に喜んで頂ければありがたいと思っております。

インタビュー:2016年6月

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かつて、203連勝や対外国人選手戦生涯無敗という大記録を打ち立て、全日本柔道連盟副会長兼強化委員長に就任されている山下泰裕強化委員長。こちらのページには、山下氏へのリオデジャネイロ五輪直前インタビューを掲載しています。全日本柔道連盟強化委員長として日本柔道の発展に尽力してきた山下氏に、五輪を迎えるにあたり思うことや柔道日本代表選手たちに伝えたいこと、日本から選手を応援する人へのメッセージ等についてインタビューしました。選手や監督、コーチがやりやすい環境を作り、側面から応援していくのが役割だと語る山下氏の想いをぜひご覧下さい。また、インタビューは動画でも見ることができます。ぜひ、インタビュー記事と併せてご覧下さい。

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