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柔道の基礎知識

柔道は、単なる格闘技ではなく、「礼に始まり礼に終わる」という精神の鍛錬に重きを置いたスポーツです。

そのため、発祥の地である日本をはじめ、世界各国で男女問わず人気があり、オリンピックの正式種目としても採用されています。

柔道の魅力

柔道と言えば、柔道場で豪快に相手を投げたりすることをイメージしてしまいます。確かにそれも柔道ですが、本来、柔道とは心身の力をもっとも有効に使用する道であるとされています。

つまり柔道において大切なことは、単に柔道の技術を修得するだけでなく、日常生活においても心身を有効に使用すること。また、柔道の技術を修得することにより、身体の小さな人でも、体格や力で勝る人を制することができるとされています(柔能く剛を制す)。

そして、柔道を行なうことにより、相手を尊重し、互いに協力し、助け合って、自分も相手も、ともに向上していくことが、大切だともされています。このような考えを、柔道の創始者であり、柔道の父と呼ばれている嘉納治五郎氏は、「精力善用」「自他共栄」という言葉で表現しております。

柔道の本義と修行の目的

柔道衣

柔道衣とは、上着と下穿きと帯を合わせて言います。色は、上着及び下穿きは白(※)、帯は修行の段階によって異なります。正式には初段から5段までを黒帯、6段から8段までを紅白のだんだら(一段一段で色の違う横縞模様)、9段以上(女子柔道は8段以上)は紅色とされていますが、6段以上でも黒帯を用いても良いことになっています。

段外者は普通白帯を用いますが、規定では成年者の1級から3級までは茶褐色、少年者の1級から3級までは紫色を用いることになっています。

※世界大会などでは青色のカラー柔道衣が採用されることもあります。

各部の名称

柔道衣の各部名称は、技の名前に用いられることが多いので、覚えておくと便利です。

  • 柔道衣の名称 前部
  • 柔道衣の名称 後部

柔道衣の着方と帯の締め方

柔道衣の着方は、以下の順で行ないます。

  • @帯の中心を前に持ってきます。
    1.帯の中心を前にもってきます。
  • Aうしろで交差させます。
    2.うしろで交差させます。
  • B前に持ってきて2本まとめて通します。
    3.前にもってきて2本まとめて通します。
  • C帯の先が横に出るように結びます。
    4.帯の先が横に出るように結びます。
  • Dほどけないように強く結びます。
    5.ほどけないように強く結びます。
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柔道衣のたたみ方

柔道衣のたたみ方は、以下の順で行ないます。

  • @上着、下穿、帯を伸ばします。
    1.上着、下穿、帯を伸ばします。
  • A上着の袖をたたみます。
    2.上着の袖をたたみます。
  • B上着に下穿を重ねます。
    3.上着に下穿を重ねます。
  • C両袖を内側に折り曲げます。
    4.両袖を内側に折り曲げます。
  • D真中から2つ折りに重ねます。
    5.真中から2つ折りに重ねます。
  • Eさらに2つに折り曲げます。
    6.さらに2つに折り曲げます。
  • F帯でしばって体裁良くまとめます。
    7.帯でしばって体裁よくまとめます。
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基本ルール

柔道の試合は、「講道館柔道試合審判規定」に基づいて行なわれます。ここでは、試合場、技の判定、勝負の判定についてご紹介します。

試合場

試合場

  • @正式な試合場は14.55m(8間・畳縦8枚)四方で、その中央に9.1m(5間・畳5枚)四方の場内を設け、畳50枚を敷きます。
  • A場外には周囲2.73m(1間半)にマットか畳を敷き詰めます。
  • B場内と場外の区別するために、その境界線の内側に幅約90cm(半間)の赤い標識をつけます。
  • C試合の始めと終わりに礼をする位置を示すために、試合場の中央約3.64m(2間)離れた場所に、幅約5cm、長さ約30cmの赤及び白のテープ(正面に向かって赤は右、白は左)をつけます。

技の判定

@一本
【投技】
技をかけるか、または相手の技をはずして相手の勢い、またははずみで、おおよそあお向けに倒したとき。
【固技】
相手が「参った」と言うか、手か足で自分・相手・畳を2度以上打って合図したとき。
【抑技】
30秒間抑え込んだとき。
【絞技・関節技】
技の効果が十分あったとき。ただし、中学生以下は三角絞めと関節技、小学生以下は絞技は禁止となっています。
A技あり

2度取ると「一本」になります。

【投技】
もう少しで「一本」となるような技があったとき。
【固技】
25秒以上経過したとき。
B有効

何度取っても、「技あり」・「一本」にはなりません。

【投技】
もう少しで「技あり」となるような効果があったとき。
【固技】
20秒以上経過したとき。

受身

受身とは自分で倒れるときも、相手から投げられたときも、怪我をしないように痛みを軽くして、楽に倒れるようにすることです。これには前後左右に倒れる場合と、前方に転がる場合があります。受身は直接投技の基本となるだけでなく、柔道の技全体の基礎ともなり、極めて重要です。

受身の練習は、最初はその場で穏やかに低い姿勢のものから始めて、次第に早くかつ高い姿勢に移り、次いで移動しながら行なう練習に進みましょう。

後ろ受身

両腕を肩の高さに構えます。しゃがみ込みながら背中を丸めて倒れ、両腕で畳を打ちます。そのとき、帯を見るようにして頭を打たないようにします。

後ろ受身
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横受身

左足を前に一歩踏み出し、右腕を肩の高さに構えます。右足を左斜め前に振り上げ、右腕を顔の前に振り出します、左足を曲げ、右のおしりを落とし、身体を右斜め後ろに倒しながら、右腕で畳を打ちます。

横受身
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前受身

身体を伸ばしたまま前方に倒しながら両手で畳を打ちます。

前受身
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前回り受身

右足と両手を同時に前に出し、両足で強く踏み切って右腕を懐へ回し込むように回転し、足が畳につくと同時に左腕で畳を打ちます。

前回り受身
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「受身」は自分自身の安全を確保するための基本的な柔道技術です。身体をやわらかく丸く使うことで、衝撃を和らげ危険を防止します。
「受身」を習得するまでの間は、「乱取り(お互いが技を掛け合う自由練習)」は避けましょう。それまでは、お互いに相手を投げない「打ち込み(投げる形の反復練習)」等の基本練習を行ないます。

柔道の技術は「投技」、「固技」、「当技(当身技)」の3種類に分けられます。 投技は、相手が維持しようとする姿勢を崩して地床に倒すことで、その種類は数多くあります。

投技

「投技」は、大きく「立技」と「捨身技」に分けられ、「立技」は「手技」「腰技」「足技」に、「捨身技」は「真捨身技」「横捨身技」に分けられます。 いずれの技も「手」「腰」「足」すべてを使いますが、その働きの中心となる部位の名称を用いて分類されています。

以下に、主な「投技」をご紹介します。

@一本背負投(いっぽんせおいなげ)[立技→手技]

相手を前に崩しながら、右足前回りで相手を背後に背負って、肩越しに円を描くようにして投げます。

一本背負い投げ
A払腰(はらいごし)[立技→腰技]

相手を右前に崩し、引きつけながら右足を後方に回して相手を後ろ腰に密着させ、右足で体重の乗っている相手の右足を払い上げつつ回して前方に投げます。

払い腰
B大外刈(おおそとがり)[立技→足技]

相手を後ろに崩し、体重の乗っている相手の右足を斜め後方から刈って投げます。

大外刈り
C大内刈(おおうちがり)[立技→足技]

相手を真後ろ、あるいは左後ろすみに崩し、右足で相手の左足を内側から大きく刈って後方に倒します。

大内刈り
D内股(うちまた)[立技→足技]

相手を真前に崩し、足を相手の股深くに入れ、右腿で相手の左内腿を払い上げて投げます。

内股
E巴投(ともえなげ)[捨身技→真捨身技]

相手を真前に崩し、自分の身体を滑り込ませてあお向けに捨て、片足裏を相手の腹部に当てて頭越しに回転させて投げます。

巴投げ

段級位制

柔道は、レベルに応じて段や級を持つ段級位制を採用しています。囲碁や将棋の世界で使われていたこの段位制を武道で初めて取り入れたのは柔道で、その後、段位・級位を組み合わせて段級位制とされました。剣道や空手、弓道にも採用されています。

段級位

柔道は、レベルに応じて段や級が設定されており、最初は数字の大きな級位で始まり、上達するにつれて級位の数字が小さくなります。逆に、段位は初段から数字が大きくなります。

段級位

帯の色

柔道の帯は段・級によって色分けされており、それぞれのレベルを表します。英語でも通用する黒帯は段位者のみに許されています。

帯の色

このように色分けされておりますが、六段以上でも黒帯をつけることが多いようです。元々柔道の帯は洗濯をせず、汚れたまま使うのが基本でした。稽古を重ねることによって帯が黒くなることが強さの象徴となり、段位者が黒帯を締めることにつながっています。

段外者は普通白帯を用いますが、規定では成年者の1級から3級までは茶褐色、少年者の1級から3級までは紫色を用いることになっています。

昇級・昇段方法

普通は、一番下の10級から始めますが、中学生以上なら3級から挑戦することができます。また、柔道審判員の免許を持っている人の推薦があれば直接1級を受けることができます。昇級試験は必要な試合数を勝てばOKで、1級を取れば柔道協会に登録して、昇段試験を受けることができます。

昇段試験では、実戦形式の試合と形試験、筆記試験が行なわれ、この3つに合格すれば、初段となり黒帯を締めることができます。ただし満14歳以上と年齢制限があります。

試合は規定の回数を勝つ必要があるため、何日も道場へ通わなければならないことがあります。

また段位は強さだけでなく、段に合わせて修業年が設定されているので、年齢が伴わないと昇段できないようになっています。

実戦試験・形試験・筆記試験

柔道を楽しむ

柔道の魅力を知るには、柔道に触れることが一番です。試合を生で観戦したり、柔道に関する情報を集めたりなど、自分なりの楽しみ方を探ってみましょう。

観戦する

観戦する

柔道は、各地でいろいろな大会が開かれます。市民大会や学生大会など、身近な試合から世界大会などプロレベルの試合まで観戦することができます。

客席から実際に観る試合の様子には迫力やスピード感があり、技を繰り出すところも観ることができます。少しでも柔道を経験した人なら、足の裁き方や技へ移る動作などが目の辺りにできます。

日本選手権大会や国際大会など大きな大会以外の大会でも、柔道の魅力が十分伝わってきます。

選手と触れ合う

選手と触れ合う

柔道の選手と触れ合う機会はそれほど多くありませんが、全日本柔道連盟では各地域で柔道の普及発展と活性化を図るため「柔道フェスタ」を開いて、全日本強化コーチや現役の日本代表選手による技の解説やトークなど選手と触れ合う場を設けています。

作品を読む

柔道を題材にした著書や漫画は数多くあります。こうした作品を読んで、柔道に熱い思いを寄せる主人公たちの気持ちに触れてみてはいかがでしょうか。また別の魅力が発見できるでしょう。

作品を読む
  • 【小説・ノンフィクション】
    ◆姿三四郎(富田常雄 著)
    ◆北の海(井上靖 著)
    ◆嘉納治五郎 私の生涯と柔道(嘉納治五郎 著)
    ◆黒帯にかけた青春(山下泰裕 著)
    ◆じょっぱり柔道(斉藤仁 著)
    ◆眠らないウサギ 井上康生の柔道一直線(折山淑美 著)
    【漫画】
    ◆YAWARA!(浦澤直樹 著)
    ◆柔道部物語(小林まこと 著)
    ◆いっぽん!(佐藤タカヒロ 著)
    ◆帯をギュッとね!(河合克敏 著)
    ◆姿三四郎(本宮ひろ志 著)

柔道の始め方

実際に柔道を始めるためにはどこかの道場に所属しなければなりません。きちんと基本を体得して心と身体を鍛えましょう。

道場に通う

道場に通う

柔道は畳の上で行なうスポーツで、どこでも気軽にできるものではありません。また、きちんと指導を受けて基礎的な技などを体得しないと怪我をする恐れがあります。

柔道を始めるには、身近な道場に通うか、公共施設などで定期的に開かれている入門講座を受けることが近道です。指導者も経験者ばかりで、きちんと教えてくれます。

子供でも5歳ぐらいから習うことでき、年齢や性別、体格もあまり気にすることなく、気持ちがあれば誰でも始められます。

道場の練習内容

礼法・受身

柔道は「礼に始まり、礼に終わる」という武道の精神にのっとり、最初に「礼法」を覚えます。

その次に「受身」を覚えます。受身は自分の身体を守るためにしっかり体得しなければならない柔道の基本です。実力のある人でも受身を何度も練習し、基本技術を磨いたり身体の調整をしたりしています。

これができてようやく技の練習になってきます。

礼法

礼法は、相手に対して尊敬の心をあらわす形です。柔道では「礼に始まり、礼に終わる」と言われ、礼の心を重んじています。 柔道の形、試合、乱取りの始めと終わりには必ず礼を行ないます。礼には、立礼と座礼があります。

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準備運動
柔道は運動量が多くはげしい競技ですので、十分な準備運動をし、怪我のないように入念に行ないましょう。準備運動の目安としては、全身が汗ばむ程度に行ない、筋肉を伸ばして、身体をやわらかくしておくことが大切です。
①準備運動(座り姿勢)
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②準備運動(立ち姿勢)
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③寝技練習前の準備運動
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柔道は同じ道場で子供から大人まで同じ内容の練習をしますが、大きく分けると、以下の4つの練習方法があります。

1.かかり練習
かかり練習
打ち込みとも言い、技の形を反復動作で繰り返して習得します。柔道のウォーミングアップ的な練習方法です。
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2.約束練習
約束練習
2人1組で相手とかける技を約束して、実際に投げたり投げられたりする練習です。技の研究やかけ方のチェックをするのに、有効な練習です。
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3.自由練習
自由練習
乱取りとも言って、実際に相手と格闘する練習です。試合を想定して行なったりするなど実戦的な練習として、一番多く行なう練習になります。
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4.寝技練習
寝技の練習
寝技の練習は回数が多ければ多い程上手くなりますので、反復練習などを行ないます。
また、寝技の分析、研究をして練習に活かすことができれば、投技より早く進歩することができます。
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大会に出場するには

大会に出場するには

柔道の大会は各地域で行なわれています。また出場者はジュニア、中学や高校、大学、社会人など年齢で分かれています。

道場や学校から大会に出るには、そこの代表として出場するわけですから実力をつけて選手として選ばれなければなりません。一般的には実力優先となりますが、選ばれれば有段者や上級者など帯の色に関係なく出場することができます。

道場や学校で選ばれた人は、各大会にエントリーされ公式試合に出場できるようになります。

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