著名な柔道家インタビュー

  

吉田秀彦(2回目)

日本各地で「VIVA JUDO!」を開催するなど、柔道界を盛り上げる活動をしているパーク24柔道部の吉田秀彦監督に、実業団チームをゼロから作った苦労などについてお話を伺いました。

柔道への「本気度」に心打たれ監督就任

柔道への「本気度」に心打たれ監督就任

パーク24の西川社長とは以前からお付き合いがあり、自分が格闘家として現役を引退するときに「うちの会社に柔道部を作ってくれないか」というお話を頂きました。

ただ、実は最初に声を掛けて頂いたときにはお断りをしているんです。そもそも、その時点で自分自身に実業団チームの監督をするという考えもありませんでしたし、これまでも良い選手を集めながら短期間で柔道界から撤退してしまう企業があったので、自分がかかわるチームをそうはしたくなかったのです。

それでも西川社長が「マネージャーでもいいから」と言って下さるので、「それならば東京に道場と寮を作って下さい。自分たちが思い切り柔道に取り組める環境を作って頂けるのであればやります」と条件をお伝えしました。もちろん、冗談のつもりだったのですが、1週間後に「道場の土地が決まったよ」と連絡を頂いたのです。

西川社長ご自身も小学生のときに柔道をされていたこともあり、自分と同じように最近の柔道界が置かれた状況を真剣に気に掛けていることを知り、その「本気度」に心打たれて監督を引き受ける決意をしました。

ゼロからの出発

ゼロからの出発

2011年に監督に就任してから3年が経ち、現在、パーク24柔道部には17名の選手が在籍していますが、文字通りゼロからの出発でしたのでチーム作りには苦労も多かったです。

特に選手のスカウトは一番の悩みでしたね。柔道部としての伝統・歴史があり、大学との繋がりも強い他の実業団チームと競い合いながら、いかに選手を集めていくかが最も苦労をした部分です。

それでも、自分の大学の後輩でもある海老沼匡が「ぜひ一緒にやりたい」と入社してくれたことは大きかったと思います。彼のような「目玉」がチームに加わることで、他の選手も新興チームに入ることへの壁のようなものがなくなりますし、チームの知名度も少しずつ付いてきているなという実感はあります。

恵まれた環境がパーク24柔道部の強み

恵まれた環境がパーク24柔道部の強み

パーク24柔道部の魅力は、なんといっても東京都内に自前の道場と独身寮を持っていること。これは他の実業団チームにはない強みだと思います。

母校の大学に帰って練習することにも良い面がありますし、パーク24柔道部の魅力を伝える上でも出稽古は大切にしていますが、やはり同じ目標のもとに集まった選手がいつも一緒に練習できる環境が整っていることはウチの一番の強みです。

当然、これだけの環境を与えてもらっているわけだから、選手たちも「結果で示さなければ」という良い意味でのプレッシャーを感じますし、自分も監督として「なんとしても強くしなきゃいけないぞ」と心に期するものはありますね。

意識を高く持てる選手を育てたい

意識を高く持てる選手を育てたい

普段の稽古では、選手に対して「こうしろ」とか「あれをしなさい」という技術的な指導はほとんどしていません。実業団チームに入部する選手たちというのは、基本的に自分で練習ができるため、追い込みの手伝いや、足りない部分を補うことが指導の中心です。

一方、選手たちに自覚を持たせることを、監督として何よりも大切にしています。彼らは一般の社員とは違った形でパーク24に入社しているわけですから、「どうしてパーク24に入社して柔道部に入ったのか」、「何が自分たちの仕事の結果となるのか」を常に自覚しながら稽古に臨むことを求めています。

やはり、強くなるためには個々の意識の持ち方が大切で、高校・大学時代までの「やらされる稽古」では決して強くはなれません。私自身が大学を出て新日本製鐵に入社したときも、誰も指導はしてくれませんでしたし、だからこそ「自分でやらなきゃいけない」という気持ちになりました。そうなれば甘えもなくなるし、「自分に妥協しちゃダメだ」という気持ちも自然に身に付いてくるものなのです。

「柔道で結果を残すこと」が自分たちの仕事であり、「強くなるためにはどうすれば良いのか」を自分自身で考える。こうした「意識」の部分を、稽古を通してしっかりと選手たちに伝えていければと思っています。

やるからには世界を目指す!

やるからには世界を目指す!

選手たちにも常々「やるからには世界を目指そう!」と伝えてはいるのですが、まだ柔道部ができたばかりということもあり、選手個々の意識の差は感じています。当然ですが、入部してくる人間すべてが海老沼匡のように世界での実績を持った選手ではないですからね。

「本当に自分が世界を目指せるのか?」と、信じ切れていない選手がいるのが実状です。実際に全日本実業柔道個人選手権大会で優勝や、上位に進む選手はたくさんいますが、そこで満足してしまっている選手が多いのです。

ただ、やはり常に上を目指さなければ自分もチーム全体のレベルも上がっていきません。日本チャンピオンになれば良い、実業団チャンピオンになれて満足だ、という考え方ではなく、「世界で一番になるんだ」という目標を共有し、互いに切磋琢磨できる柔道部にしたい。選手たちがそう思えるような雰囲気を作り、その実力を付けさせてあげるのが監督としての自分の役割だと思っています。

幸い、自分にはオリンピックや世界柔道選手権大会(以下、世界選手権)で金メダルを獲った経験があるので、その経験を伝えながら選手をやる気にさせ、モチベーションを上げることができると思います。確かに自分の現役時代と現在では、練習方法や練習環境に違いはありますが、「いかに意識を高く持つか」という根本に変わりはありません。決して簡単なことではありませんが、現在の柔道環境にうまく自分の経験を融合させながら、世界を目標にする選手を育てていければと思います。

パーク24柔道部としての最大の目標は、全日本実業柔道団体対抗大会の1部で優勝することです。強豪チームばかりの1部で優勝するためには、非常に高い壁を乗り越えなければなりませんが、選手ひとり一人が目標を高く持って稽古に励み、勝つためにはどうすれば良いのかを考え、いつか必ず達成したいと思います。

柔道界を盛り上げていきたい

柔道界を盛り上げていきたい

やんちゃな人間だった自分に、人の痛みや思いやりを教えてくれたのが柔道でした。柔道を通じて人との繋がりを築いてこられたことも、人生において大きく役立っていますし、本当に柔道に出会えたことに感謝しています。

昨年、現役に復帰して公式戦に出場したのも、柔道界に明るい話題を提供できればという恩返しの気持ちがあったからです。今後も、パーク24の道場を開放して、地域の子供たちに柔道を教えたり、個人的に主催している「VIVA JUDO!」を日本各地で開催して、子供たちに夢や目標を与えることで柔道界に貢献していきたいと思っています。

その中から、いつかオリンピックや世界選手権で優勝できるような選手が生まれてくれれば最高ですね。もちろん、自分だけではできないことですから、いろいろな方に協力して頂きながら、柔道界を盛り上げていきたいと思います。

インタビュー:2014年3月

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