著名な柔道家インタビュー

  

井上康生(第2回)1/2

リオデジャネイロ五輪(柔道)男子日本代表の監督を務めた井上康生氏。
今大会において、金メダル2個を含む「全7階級でのメダル獲得」という快挙を成し遂げた柔道男子日本代表。そんな選手たちを率いた井上監督に、今大会で感じたことや今後の目標などについて語って頂きました。
選手やスタッフ、サポートの方々、そして柔道を愛するすべての方に対する井上監督の思いを、ぜひインタビューから感じて下さい。

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現役引退後、スコットランド海外研修を経て指導者へ

現役引退後、スコットランド海外研修を経て指導者へ

5歳で柔道を始めて30歳で引退をするまで、本当に柔道一筋で突き進んできました。しかし引退後、指導者の道に進もうと考えたとき、「自分には社会勉強が足りないのではないか」と思ったのです。

様々なことを学んで、もうひと回り自分自身を成長させた上で次のステージに進みたい、という思いがありましたので、JOCのスポーツ指導者海外研修員として、2年間スコットランドへ留学することを決めました。

この海外留学で一番感じたことは己の無知さ。世界にはたくさんの宝が眠っていることや、自分自身が知らないことがたくさんある、ということを知りました。世界チャンピオンになった身ではあったのですが、人間としてはまだまだだということを改めて感じさせられる貴重な時間でしたね。

「常に学び続けること」の重要性を学べたことは、現在指導者となっても生き続けていることのひとつだと思っています。

指導者として気付いたこと

指導者として気付いたこと

現役時代は常に己との戦いでした。いかに自分自身を成長させるか、いかに自分自身との戦いの中で相手に勝っていくか。そういったことだけを考えながら試合に臨んでいました。

ところが指導者になってみると、「自分自身がこうだったから」「過去にこうだったから」という考えが、他の選手たちには当てはまらないことに気が付いたのです。すべてが当てはまらない訳ではありません。しかし、自分自身の経験が指導の上で役立つことも確かにあるのですが、それだけでは指導の世界は生きていけない、選手たちの能力を引き出せないなと感じましたね。

私は私であって、教えている選手は選手。十人十色という言葉の通り、10人いれば性格も技術も全然違います。ですので、個々の選手に対して個々の対応をするようにしています。

また、指導者になった頃は、知識もなく熱さだけで指導している部分があったり、焦る部分があったりもしました。しかし、先程も言ったように個々の選手たちにはそれぞれの戦い方や考えがあるので、その部分を活かせるようにと思い続けています。

選手の力を引き出せる指導者となるために、自分自身が常に高みを目指していくことも非常に重要になるのではないかと感じていますね。

リオデジャネイロ五輪(柔道)への挑戦

リオデジャネイロ五輪(柔道)への挑戦

ロンドンでは思うように結果が出ず、我々にとっても「あってはならないことだ」という思いからのスタートでしたので、正直なところリオデジャネイロでの大会までにはたくさんの苦労がありましたね。

選手もスタッフもコーチも、みんなプレッシャーを感じてきたと思います。その中で様々な改革を進めてきましたが、それもすべてが順風満帆にいった訳ではありません。過程の中でも色々な苦労をしながら突き進んできました。

しかし、このような経験があったからこそ、選手はもちろん、私自身、ひと回りもふた回りも成長できたのではないかと感じています。そしてこの4年間に選手やスタッフだけでなく、柔道を愛する人や柔道界の関係者など、皆さんがひとつとなって進んできたからこそ、「今大会7階級で全選手メダル獲得」という形になったのではないかと思いますね。

大会を振り返って

大会を振り返って

今大会では全階級でのメダル獲得という結果でした。これは1964年(昭和39年)の東京大会以来。さらに7階級制になって初ということで、歴史的快挙を成し遂げてくれた選手たちを非常に誇りに思っています。

この結果は、自分自身のため、そして支えてくれた方たちのために必死に戦った選手たち、また、それを取り巻くスタッフやコーチ、サポートしてくれた皆さんが、日本柔道というものや選手たちに対して、真摯に、熱く接したおかげではないかと感じています。

全7階級、35試合。私にとってすべての試合が目に焼き付いています。負けた試合は5試合、そして勝った試合は30試合なのですが、一本で勝つ試合もあれば、指導や有効技で勝つ試合もあり、説明しろと言われれば、説明できるくらいに心の中に残っている試合ばかりです。

正直なところ、私はもっと金メダルが獲れていたのではないかなと思っています。そこに関しては、「一人ひとりの選手たちへの対応」というものを志しながらやっていたこともあり、勝たせてあげられなかった選手に対する申し訳なさや、私自身への悔しさを感じている部分はあります。

しかし、試合は生き物。何が起きるか分からないのが試合です。この大会を経験して、他の国際大会や世界柔道選手権大会以上に、終わってみないと分からない大会だなと痛感しました。

これまでの1年間に行なわれた試合で一番強い者がこの大会で勝てるかと言うと、それは違います。この大会で勝った者がチャンピオンで、後世に名を残すことができるのです。

「4年に1回、1日だけの戦いにピークを持っていく」ということも、この大会の難しい部分のひとつです。厳しい世界だと思われるかもしれませんが本当にその通りで、「この大会は本当に特別な場所だな」と改めて感じさせられた大会でもありました。

 

インタビュー:2016年8月

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柔道チャンネルでは、柔道に関する様々な情報をご紹介!こちらのページには、リオデジャネイロ五輪(柔道)で柔道男子日本代表を率い、全7階級メダル獲得という歴史的快挙を達成した井上康生監督へのインタビューを掲載しています。2000年のシドニー大会で金メダルを獲得し、引退後は指導者への道を選んだ井上監督。ロンドン大会からの4年間、様々な苦労をしながら、選手やコーチ、スタッフ、サポートしてくれる方々とともに改革を進め、今回の偉業を成し遂げた井上監督に、指導者になって感じたこと、リオデジャネイロ五輪(柔道)の内容、また現在の柔道界のことや今後の目標、東京を目指す柔道家への思いをインタビューしました。井上監督の選手たちや日本柔道に対する熱い思いをぜひご覧下さい。
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