著名な柔道家インタビュー

  

穴井隆将1/2

現役時代は数々のタイトルを獲得し、現役引退後は、副監督を経て、天理大学柔道部の監督に就任した穴井隆将氏。
指導者としての目線で気付いたこと、現役時代のエピソードや、これからの柔道界についてお話を伺いました。

選手から指導者へ

選手から指導者へ

2013年に現役を引退して、すぐに天理大学の柔道部に戻りました。
1年間、柔道部の副監督を務めさせて頂き、1年半程前から、監督として選手たちを指導しています。

選手から指導者になって、選手一人ひとりの考え方や、特徴が異なることに改めて気付きました。
自分自身はどちらかと言うと、一つひとつ段階を踏んで、慎重に行くという考えを持って、柔道をしていたのですが、ある意味で博打をさせるような柔道をしている選手が居たり、勝負をさせるような戦い方をする選手が居たりと、当たり前のように、それぞれの選手が、それぞれの考え方を持って、柔道をしていることに気付きましたね。
選手たちの力を伸ばすのはもちろん、チーム全体の総合力を上げるためには、あらゆることに柔軟に対応できるような指導をしていく必要があります。
そういった部分では、様々な学生と接する中で、指導者という立場ではありますが、学生から学ぶことも、非常に多いです。

目標とする指導者と、自分の柔道

目標とする指導者と、自分の柔道

現役時代に指導して頂いた先生方は、今も尊敬しています。
私は15歳まで大分県で育ち、大分市の「秀鋭館道場」で柔道を始めました。このとき指導して頂いたのが、天理大学出身の山中圏一先生。
ですので、私自身も、柔道を始めたときから、「正しく組んで、一本を取りに行く」という天理のスタイルで育ってきました。

その後、天理高校に入学することになり、篠原信一先生にご指導頂くことになりました。篠原先生には、本当に細かい部分まで指導して頂きましたね。
技術面はもちろんですが、世界で戦う上で、どういった心構えが必要かということも教えて頂き、本当に学ぶことばかりでした。
一方で、細川伸二先生や正木嘉美先生には、「天理の柔道」や一昔前の指導者の「柔道感」などを学ばせて頂きました。

私の考える「天理」の柔道は、「執念のある一本を取りに行く柔道」というものです。
天理で監督をさせて頂いているので、細川先生や正木先生から教えて頂いた天理の伝統や、私が現役時代に篠原先生から受け継いだものをアレンジしながら、私自身が学んだ「穴井色」というものを出して、学生たちに伝えていけたらと考えています。

現役時代を振り返って

現役時代を振り返って

子どもの頃から「オリンピックに出て金メダルを取る」ということはやはり夢でした。
北京オリンピックは、鈴木桂治さんと代表の座を争うことになったのですが、結果として出場することは叶いませんでした。
手が届きそうで届かないというもどかしさや、悔しさは2008年の北京オリンピックの代表選考あたりまでが一番あったと思います。
小さい頃からの夢に対して、「このまま夢で終わっていいのか、実現できなくていいのか」というジレンマがあったのもこの時期でしたが、北京の代表選考にもれたときに、「あらゆることを犠牲にしてでも柔道に懸ける」という思いが強くなりました。「オリンピックで金メダル」という夢が目標に変わったのも、この時期です。

2012年のロンドンオリンピックに向けて、まずは柔道に取り組む姿勢を変えました。
今までにやってきた稽古に関して、「ほんとにこれでいいのか、正しいのか、足りないところはないのか」とすべて見つめ直しましたね。
あと私生活においても、今までは好きなだけお酒を飲み、好きなだけ楽しい時間を過ごし、柔道も一生懸命やるというスタイルだったのですが、私生活を含めた生活すべてが柔道にとって大切なのだと考え、あらゆることを自制しました。
自制の成果が出たのか、ロンドンオリンピックまでの間に、「全日本選抜柔道体重別選手権大会」や「柔道グランドスラム東京」で優勝することができました。

そのときに、「苦しいことをやり抜けば必ず結果は出る」と感動しましたね。
勝ち続けるプレッシャーもあったのですが、苦しい以上に、結果が出ることの面白さがあったので・・・。
北京オリンピックの代表選考もれは、自分自身の欠点に気付くことができた、成長のチャンスにつながる良い機会になったと、今は言えます。本当に自分自身が変わった、一番の転換期でしたね。

「オリンピック」

「オリンピック」

ロンドンでは夢だったオリンピック出場を果たすことができたのですが、二回戦敗退という結果に終わってしまいました。私自身の率直な感想としては、「やはりオリンピックは特別」ということです。
オリンピックに向けて準備をする段階で、多くの方からアドバイスを頂きました。中には「オリンピックだと思うな」という意見もありましたね。
私は性格的に慎重な部分があるので、「これはオリンピックではなく、普通の大会だ。出場している選手の顔ぶれも変わらないし、自分がやってきたことも同じだ。」という思いで試合に臨んだのですが、終わってみて「やはりこれはオリンピックだったな」と痛感しました。技術面・体力面はピークに達していて、伸びしろがあまりなかったということもあるのですが、それ以上に心の準備が足りなかったことによる結果でした。
このことは指導者となった今でも、心にありますし、これからあらゆる選手に伝えていきたいと思います。
「オリンピックはオリンピックだ」と伝えることで、選手にしっかりと心の準備をさせてあげられたら良いですね。

 

インタビュー:2015年9月

このページのTOPへ

  • ホームメイトWebサイト10の姉妹サイトへ
  • 柔道チャンネル SNS公式アカウントのご紹介
  • 柔道チャンネル公式Facebook
  • 柔道チャンネル公式Twitter
  • 柔道チャンネル公式YouTube
  • 柔道チャンネル公式Instagram
  • 全日本柔道連盟

  • 弊社は、財団法人全日本柔道連盟(全柔連)のオフィシャルパートナーです

  • 公益財団法人 講道館

  • 東建は、日本伝講道館柔道を通じた青少年育成事業を応援します

  • 柔道ブログ

  • 柔道整復師ブログ

  • 接骨院・整骨院ブログ

柔道整復師情報
柔道整復師情報を詳しく見る
  • 柔道整復師専門学校検索

全国接骨院情報
全国接骨院情報を詳しく見る
  • 全国の接骨院・整骨院検索

  • ケータイ版・スマートフォン版
    「柔道チャンネル」へのアクセスはこちら

    ケータイ版柔道チャンネル

  • スマートフォン版柔道チャンネル

柔道チャンネルでは、柔道部・日本柔道・国際柔道・世界柔道・柔道整復師・柔道整復師専門学校・接骨院の関連情報がご覧頂けます。また、柔道大会情報や柔道家・選手紹介、柔道組織情報、柔道お役立ち情報など柔道に関する情報が満載です。

注目ワード